●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●                  Maiking of PBM                  PBMの文法 ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●                                     柳井政和 ver 0.01 1999.12.28 ver 0.02 2000.01.07 ver 0.03 2000.01.16 =---------=---------=---------=---------=---------=---------=---------=--------- ■ ■■■定型化 ■ =---------=---------=---------=---------=---------=---------=---------=---------  「PBM」は、複数人で遊ぶゲームです。そのゲームの大部分は、コミュニケーション に依存しています。また、多くの場合、対面せずにコミュニケーションをおこなうことが 多い、特殊なゲームです。  そのため必要になってくるのは、コミュニケーション・エラーの軽減です。「PBM」 における情報のやり取りには、互いが共通の土台の上で会話できるような一定の形式「文 法」が必要になってきます。  これは、プログラムで言えば「プログラム言語」、ネットワークで言えば「プロトコル」、 RPGで言えば、「ルール」と「キャラクター・シート」に当たるものです。 ────────────────────────────────────────  世界で最初のRPG「D&D」には、プレイヤーの役割分担として「コーラー」という 役目がありました。これは、マスターとプレイヤー間の行動宣言のエラーをなくすための ルールです。  同様に、「PBM」では、「主催者」と「参加者」間の情報のやり取りは、一定の書式 でもっておこなわなければなりません。  このコミュニケーションの「定型化」が成功するか否かが、「PBM」では非常に重要 になってきます。 ────────────────────────────────────────  「PBM」では、このコミュニケーションが文章によって行なわれることが多いゲーム です。そのために、ここでは、その「定型化」の方法を「文法」と呼び、次項以降考えて いきたいと思います。 =---------=---------=---------=---------=---------=---------=---------=--------- ■ ■■■記号の利用 ■ =---------=---------=---------=---------=---------=---------=---------=---------  「文法」の中で、もっとも確実な方法は、ゲームのルール、設定に基づく「記号」を使 うことです。「記号」というのが分かり難ければ、「キーワード」と思っていただいても 構いません。 ────────────────────────────────────────  例えば、マンガでは、怒ったときの表現には特別な吹き出しを使います。映画では、過 去の回想シーンを入れる場合に、フラッシュバックという技法が使用されることが多いで す。特撮ヒーロー物では、ラスト10分あたりで必ず変身します。  これらは全て、その世界のルール、設定に基づいた「記号」的表現です。  一定の手順を踏んだり、表現をおこなうことにより、各人が同じ物を認識できる「記号」 は、コミュニケーションにおいては、非常に重要です。  この「記号」は、ゲームではルールや設定になるわけです。「PBM」で遊ぶときの、 コミュニケーション・エラーを減らすためには、この「記号」を積極的に使っていく必要 があります。 ────────────────────────────────────────  ルールや、背景設定、NPCなど、各人が共通の土台をもった「記号」を利用して文章 を書いていって下さい。それが「PBM」での勝利への近道です。  違うルールや設定、アニメ、マンが、ゲームの「記号」を持ち込んでも、「PBM」で は勝利できません。「記号」となりうるのは、ルールや設定、NPCだけです。これを思 い違いすると、没の常連と化してしまいます。 =---------=---------=---------=---------=---------=---------=---------=--------- ■ ■■■キャラクターの指示 ■ =---------=---------=---------=---------=---------=---------=---------=---------  「参加者」以外の読者が読む、「開放型」「小説形式」の「PBM」では、気をつけな ければならないことがあります。それは、そのキャラクターの「指し示し方」です。  通常の小説と違い、読み手は登場人物を理解していないことが前提になります。そのた め、通常の文章の書き方とは明らかに違った、特殊な文章の書き方を取ることが多々発生 します。  その顕著な例が「キャラクターの指示(指し示し方)」です。 ────────────────────────────────────────  「開放型」「小説形式」の「PBM」では、全ての行動において、「行動をおこなった 人物」「その対象」「その行動」をきちんと明示しなければなりません。  ゲームの「参加者」は、登場人物の関係をある程度理解しているために、このような特 殊な表現様式を煩わしいと感じるかもしれません。しかし、きちんと明示をしなければコ ミュニケーション・エラーが発生します。 ────────────────────────────────────────  会話を見てみると、その重要性が見えてきます。  「PBM」のキャラクターは、多くの場合、「典型的なキャラクター」として扱われる ことが多いです。  おじいさんの話し方。王様の話し方。酒場の主人の話し方。・・・など、「典型的」な 認識しやすいパターンを利用して、キャラクターは表現されていきます。  そのため、「話す人」「誰に向かって話すか」をはっきりさせなければ、大混乱が起き てしまいます。おじいさんの話し方をする人や、王様の話し方をする人が一人とは限りま せん。似たタイプのキャラクターは、非常に多く出てくる可能性があるからです。  これらのコミュニケーション・エラーを未然に防ぐためにも、「キャラクターの指示」 は明確にしていく必要があります。これもまた、「PBM」における大切な文法です。 =---------=---------=---------=---------=---------=---------=---------=--------- ■ ■■■簡潔な文体 ■ =---------=---------=---------=---------=---------=---------=---------=---------  「PBM」の文体は、誰が読んでも分かる簡潔な文体でなければなりません。文学的な 言い回しや、回りくどい表現は、「PBM」の文章には適していません。 ────────────────────────────────────────  理由は、「PBM」の文章は、「読み物」としての側面の他に、「情報」としての側面 があるからです。どちらかというと、「情報」としての側面の方が強いかもしれません。  「PBM」の文章は、「参加者」が次の行動を決定するために大切なデータなのです。 この文章が、わかりにくいものであっては困ります。  また、文章がわかりにくければ、「参加者」に誤解を招いてしまうかもしれません。こ のようなコミュニケーション・エラーは極力避けなければなりません。 ────────────────────────────────────────  このため、「PBM」の文章には、わかりやすく簡潔なものが要求されます。欲を言う ならば、簡潔で分かりやすく、想像力をかきたてられ興奮する文章が良い文章です。ただ、 それはなかなか難しものです。 =---------=---------=---------=---------=---------=---------=---------=--------- ■ ■■■二段階表記 ■ =---------=---------=---------=---------=---------=---------=---------=---------  「小説形式」の「PBM」では、「参加者」と「主催者」は、二つの内容をやり取りし ていくことになります。それは、「情報」と「表現」です。 ────────────────────────────────────────  「参加者」の行動宣言を書く場合を考えてみましょう。  簡潔で短い文章では物足りない、かと言って、長い文章では要点がぼやけてしまう。そ ういうことが多々起こると思います。  そんな状況を解決してくれるのが、「二段階表記」の方法です。  方法は、行動の概要を1行程度で書き、その描写を別の文章にします。これだけです。  この、二段階に分けた行動宣言によって、「参加者」と「主催者」の情報のやり取りは、 非常にスムーズになります。 =---------=---------=---------=---------=---------=---------=---------=--------- ■ ■■■事実を書く ■ =---------=---------=---------=---------=---------=---------=---------=---------  「PBM」の文章は、事実のみを書くように心がけなければなりません。  まだ起こっていない未来を書くことは、ストーリーの展開を限定してしまうことになり 「PBM」の面白味を削ぐことになります。先の分かっているゲームはつまらないもので す。 ────────────────────────────────────────  また、未来について書いた場合、ゲームが進むにつれ、矛盾が発生しやすくなります。  未来だけではなく、不確かな過去も注意が必要です。  不確かな過去は、「参加者」にいらぬ誤解を抱かせてしまうことになります。「主催者」 は、確実な事実だけを書くように心がけなければなりません。  これは、噂についてもそうです。「PBM」の噂は、根拠のある噂であることが望まし いです。 =---------=---------=---------=---------=---------=---------=---------=--------- ■ ■■■混乱を避ける ■ =---------=---------=---------=---------=---------=---------=---------=---------  混乱を避けることは「PBM」においてとて最も重要なことです。  「主催者」のミスのせいで「参加者」に誤解を抱かせるということは、「参加者」が楽 しめるはずの展開を潰してしまうことにつながります。  「主催者」のミスで、一回行動を無駄にさせられた「参加者」は、快く思わないはずで す。 =---------=---------=---------=---------=---------=---------=---------=--------- ■ ■■■書く技術と編集する技術 ■ =---------=---------=---------=---------=---------=---------=---------=---------  「小説形式」の「PBM」において本当に必要な技術は、文章を「書く技術」ではあり ません。ストーリーを「編集する技術」です。  現在起こっている状況を的確に把握し、それぞれの展開を推理し、その展開をどうつな ぎあわせていくかという技術が必要になってきます。 ────────────────────────────────────────  もし、ストーリーを把握できない場合は、それぞれのキャラクターの行動を一行にまと めてリストアップしてください。  そして、行動が絡むキャラクターごとにまとめてグループ化していきます。  こうすると、今まで煩雑だったキャラクター達が、いくつかのブロックになっているこ とに気づくはずです。このブロックごとに、ストーリーの展開を一行にまとめるのです。  こうすれば、大抵の行動は把握できるはずです。必要なら、その行動のフローチャートも 書いてみてください。ここまでやれば、後は非常に楽に文章を書けます。 ────────────────────────────────────────  「PBM」では、流麗な文章を書けることよりも、ストーリーを的確に「編集」できる 技術の方が重要になります。 =---------=---------=---------=---------=---------=---------=---------=--------- ■ ■■■絶えず第三者を意識する ■ =---------=---------=---------=---------=---------=---------=---------=---------  「PBM」の文章を書く上で、必ず念頭に置かなければならないのは、絶えず「第三者 を意識しておくこと」です。何も予備知識がない人が、その文章を見て、状況が分かれば 最良の文章です。  なかなか難しいので、日々努力の毎日です。新聞の文章、小説など、いろいろ参考にして 勉強していかなければなりません。