2006年01月30日 03:09:00
(注:この感想は、ピーター・ジャクソン版「キング・コング」を見る前に書いています)
映画「キング・コング」(白黒の古い方)のDVDを12月下旬に見ました。
ピーター・ジャクソン版の「キング・コング」を見る前に、きちんと見ておいた方がよいだろうと思ったので見ることにしました。まあ、そうでなくとも、見ておかないといけない映画の一つなのですが。
以下、感想です。
面白かったです。そして、物凄く盛りだくさんでした。
あと、この映画は、「島での冒険」が中心の話だったのですね。「キング・コング」というと、エンパイアステートビルに登っている映像しか記憶していなかったので意外でした。
以下、粗筋です。さすがに、この映画のストーリーを書いて「ネタばれ」という人はいないと思いますので全部書きます。
見世物として猛獣映画を撮り続けている映画監督がいた。彼の頭のなかはいつでも「人をあっと驚かせる映画」を撮ることでいっぱいだ。
しかし時代は変わりつつあった。映画に人を呼ぶには「女優」の存在が不可欠になっていた。彼は次の映画では女優を起用することを決意する。
彼は次回作の準備を進める。南海に浮かぶ孤島の地図を手に入れ、そこに行くための船も準備した。
しかし問題が発生する。女優が見つからないのだ。
どのエージェントに接触しても「女優を危険な目に合わせられない」という理由で断わられてしまう。「猛獣映画監督」という彼の経歴のせいだ。
そこで彼は自ら町に出て、失業中の女優を捕まえる。無事準備は整い、船は出港する。
「船に女を乗せるのには反対だ」
寡黙な船員は女優にこぼす。「なぜ」と聞く女優に、彼は「危険な目に合わせたくない」と答える。航海の最中、船員と女優は恋に落ちる。
一行を乗せた船は、航海の末に、地図に載っていない“忘れられた島”にたどりつく。その島には古代文明の遺跡として“巨大な壁”があり、壁は港付近を守るように島を分断していた。
港から壁の距離は近い。そのあいだには、原住民が住んでいた。彼らは“コング”と呼ばれる神に、“花嫁”として女性を捧げる儀式の最中だった。
儀式を邪魔された酋長は怒る。だが女優を見た彼は「六人の娘と、その金髪の女を交換してくれ」と言う。監督と船長は断わる。
夜。原住民たちは船に近付き、女優をさらう。女優は“花嫁”として、壁の向こうの“コング”に捧げられる。“コング”とは、巨大な野性の猿だった。
監督と船員一行は、原住民を銃で蹴散らし、壁の向こうに行く。そこは恐竜たちの住むロスト・ワールドだ。
恐竜たちと戦い、一行は多大な犠牲を払い、島を進んでいく。最後には監督と船員(女優と恋仲に落ちた)だけが残る。
監督は応援を呼ぶために港に戻り、船員は女優を救出するためにコングの巣に向かう。
コングと恐竜との戦い、コングと大蛇との戦い、様々な戦いのなか、船員は救出の機会をうかがう。彼は恋人の奪還に成功する。
コングは二人を追い掛ける。そして壁を破壊し、原住民たちの村を破壊する。コングは港までたどりつく。だが、そこにはガス爆弾で武装した監督がいた。
コングは倒され、見世物の猛獣として船で輸送される。
文明社会に戻って来た監督は、コングに“キング・コング”という名前を付け、見世物用の猛獣としてデビューさせる。
だが、記者たちの眩いフラッシュで興奮したコングは、その興行の最中、鎖を千切って暴れだす。
コングは町を破壊しながら女優を探し、彼女をその手に掴む。しかし人間たちも負けてはいない。追い詰められたコングはエンパイアステートビルに登る。
そのコングを飛行機の編隊が攻撃し、とうとうコングは異郷の地で死を迎える。
映画撮影、海洋冒険、ラブロマンス、謎の古代文明、異文明との接触、異世界探訪、怪獣バトル、見世物ショー、シティー・パニック、飛行機バトル……。次から次に見せ場が出てきます。
物凄くたくさんの要素がぶち込まれていて、娯楽大作の名に恥じない出来になっていました。
しかし驚いたのは時間です。100分しかないです。ただ、当時の娯楽映画なので、エピソードの掘り下げはあまりないです。
たとえば島でコングを追う途中で数々の恐竜と戦うのですが、目まぐるしい勢いで恐竜が出てきて、あっという間に倒されたり、逆に人間を蹴散らしたりします。
これを現代の映画のセオリーで作り直すと、最低でも二時間半以上にはなるなと思いました。
ピーター・ジャクソン版が三時間あるというのも、「それぐらいにはなりそう」と感じました。
どうでもいいのですが、監督を見ていると、P・T・バーナムと印象が被ります。
名前が似ているせいなのか、その行動や考え方がバーナムを彷彿とさせるせいなのか……。
この監督は、最後の方ではほとんど活躍しません。ピーター・ジャクソン版を見に行った人の感想でも「終盤活躍しない」と書いてあったので、そういった点も忠実に作っているようですね。
監督が、やたらキャラ立ちした映画でした。