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2008年03月15日 09:05:55
 地上最大のショウ
 映画「地上最大のショウ」のDVDを一月下旬に見ました。

 1952年の作品で、監督はセシル・B・デミル。原作・脚色はフレドリック・M・フランク他です。

 サーカスを舞台にした映画で、中心は空中ブランコの熾烈なトップ争いです。

 とはいえ、その争いはエピソードの一つでしかなく、本当の中心は、サーカスの座長とメンバーたちによる巨大組織「サーカス」の「凄さ」を描いた映像作品です。



 さて、まずは脚本のことについて書きます。

 脚本的にはちょっと古臭さを感じました。

 どこらへんに古さを感じたかというと、話の「溜め」のなさです。

 何と言うか「焦らし」なしですぐに結論が出ます。ぽんぽん話が進んで、凄い勢いで最後までいきました。

 ある意味爽快ですが、大河ドラマをダイジェストで全力疾走したような感じを受けなくもないです。

 とはいえ、脚本のギミック自体はよくできたものであり、「そうそう、AとくればBとくるよな」という王道の連続でした。



 あと、出てくる人間に基本的に悪い人間がいないことと、争いはあっても爽やかで熱いものだったことはよかったです。

 家族で安心して見られる娯楽映画といった感じでした。陰湿な部分は一切なかったです。

「ヒロインの空中ブランコ乗り」とバトルを繰り広げる「女たらしの凄腕空中ブランコ乗り」も、手は早いがそれを補って余りある男気溢れる奴で、非常に好感を持てました。



 さて、この映画の最大の魅力は、物語ではなく、その映像にあると思います。

 華麗で凄い肉体芸、滑稽で楽しいパフォーマンス、派手で気持ちのよいパレード、一つの町としての舞台裏、民族大移動といった感じの列車での大移動。

 そのどれもが映像的魅力と興奮に溢れたものになっています。

 いわば、「歌と踊り」を「サーカス」に差し替えたミュージカル作品。

 とはいえ、私の苦手なミュージカル映画(歌と踊りの間、話が止まる)とは違い、サーカスのシーンと平行して、どんどん話が流れていきます。

 こういった作品は好きです。

「サーカス」の映像をマシンガンのように繰り出しながら、物語もガンガン進めていく。

 決して深みはないですが、娯楽作品として完成度が高いなと感じました。



 とはいえ、満点の映画ではありません。

 いくつか問題もあります。

 先に「大河ドラマをダイジェストで……」と書いたとおり、いくつかの話は掘り下げが甘いです。

 この映画には、いくつかのサブ・ストーリーがあるのですが、その内の一つに「元医者のピエロの話」があります。

「原作ではたぶん、この物語はもっと深く語られているんだろうな」と思わされました。

「過去回想編」とかがないと、話のボリュームの大きさに対して、描写が足りていません。

 そういった部分が若干ありましたが、基本的にはよくできた映画でした。



 以下、粗筋です。(ネタバレあり。最後まで書いています)

 主人公は、世界最大のサーカス「リングリング・ブラザース=バーナム・アンド・ベイリー一座」の座長。

 彼の婚約者は、そのサーカスの花形空中ブランコ乗り。

 主人公は、年間公演の契約を出資者たちから取り付けるために、凄腕で知られる空中ブランコ乗りを雇うことに決めた。

 婚約者は、その決断にむくれる。彼女は、自分が一番ブランコに乗れると思っていたのに、余所者に奪われてしまったからだ。

 彼女は主人公に食い付く。しかし、座長として責任感溢れる主人公は彼女の訴えを退ける。

 その凄腕空中ブランコ乗りが一座にやって来る。彼は女たらしで有名だった。サーカスには、昔彼の恋人だった動物使いの女性もいた。

 動物使いの女性は、座長の恋人の座を狙っており、座長の婚約者と凄腕ブランコ乗りが対立し、座長と婚約者の仲が険悪になっていくのをチャンスだと思っていた。

 サーカスの興行が始まった。

 婚約者は凄腕ブランコ乗りに張り合い、次々と大技を繰り出す。

 だが、その実力の差は明らかで、座長たちは婚約者が無理をしているのが分かりはらはらする。

 しかし、その争いのおかげで興行は大入りとなる。

 婚約者は決死の覚悟で大技を繰り出し続ける。だが、そういった無理が長く続くはずがない。破綻の時が近付いてくる。

 その破綻は突然起こる。彼女の気迫に闘争心を煽られた凄腕空中ブランコ乗りが、超絶難易度の技を繰り出した。

 だが、その技が失敗に終わり、彼は地面に落下し、空中ブランコに乗れなくなる。そして、座長の婚約者はそのことでショックを受け、座長から離れ、凄腕ブランコ乗りの許に走る。

 そういった波乱の中、サーカスは止まることなく、移動を続け、興行を続ける。

 そんなサーカスに、刑事がやってきた。過去に殺人を犯した医者を探しているのだという。

 サーカスには一人のピエロがいた。彼は元医者であることを隠していたが、座長など目ざとい人間たちはその事実に気付いていた。

 サーカスは次の町に行くために列車で移動する。

 座長の恋人の座を狙っていた動物使いの女性は、座長の秘書のような仕事を始める。しかし、彼女を慕っているサーカスの男がいた。彼は嫉妬に狂い、サーカスを襲撃しようとする悪漢に手を貸す。

 そして、列車事故が起こった。

 列車は激しく壊れ、主人公は大怪我を負う。

 事故が起こったのは荒野のど真ん中。町まではまだ距離がある。一刻を争う中、ピエロは自分の正体がばれることを覚悟して主人公の治療を行う。

 主人公は助かり、ピエロは刑事に捕まる。

 サーカスの道具や動物たちは列車事故のせいで町までたどり着けなかった。このままではサーカスの興行は行えない。

 座長が傷付いたことで、再び愛に目覚めた婚約者はよりを戻す。そして、サーカスの仲間たちと町に行き、パレードを行って人々を事故の現場まで引き連れてきて、野外公演を始める。

 動物使いの女性と凄腕ブランコ乗りは、互いに失恋を経験したことでよりを戻す。

 サーカスはどんな困難に直面しても、人々を楽しませるために、その興行を中止することはない。

 その怒涛のパワーを見せ付ける野外公演は大成功を収める。



 空中ブランコ対決が凄かったです。やはり花形の演目だけあります。

 空中ブランコの上に椅子を置いて、その上で逆立ちしたり、凄すぎる技のオンパレードです。

 その他の演目でも、各芸が難易度の高い技ばかりで興奮しまくりでした。

 サーカスって凄いなあと思いました。

 子供の頃にサーカスは見たはずなのですが、いまいち記憶に残っていません。

 きちんと物を見られる年齢になった今、またサーカスを見てみたいなと思いました。



 あと、ヒロインの空中ブランコ乗りの精神年齢の幼さが気になりました。

 座長がプライベートな立場と仕事の立場を切り離しているのに対して、ヒロインは全く区別をしようとしません。

「私を一番ブランコから外すなんて、私を愛していないのね!」といった感じです。

 もう少し大人になった方がいいなあと思いました。

 でもまあ、やたら闘争心むき出しなのは、サーカスという人気商売の場所にいるからだろうなと思いました。
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