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[DVD] 「ミニヴァー夫人」感想

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http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000LXHG2G/cronuscrown-...
2008/07/02(水) 13:47:32
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ミニヴァー夫人
 映画「ミニヴァー夫人」のDVDを五月中旬に見ました。

 1941年の白黒映画で、監督はウィリアム・ワイラー、脚本はアーサー・ウィンペリス他です。

 ウィリアム・ワイラーは、「ローマの休日」(1953年)や、「ベン・ハー」(1959)を撮っています。

 イギリスを舞台にした、階級社会の緩やかな解消と第二次大戦への突入を描いた映画です。

 ミニヴァー夫人という新興階級の夫人と、彼女の名前を付けられたバラを主軸に話は進んでいきます。

 なかなか面白い映画でしたが、ラスト直前で趣が変わります。

 それは、この映画が作られた年代に関係しています。

 以下、ラストの話を書きます。ネタバレが大きな問題になる映画ではないので、問題ないと思います。



 映画のラストは、壊れた教会での牧師の演説で終わります。

 戦争で傷付いた村の人々に向かって、牧師が話を始めます。

 そこで、いきなり映画の方向性が変わります。

 どういうことかと言うと、「戦意高揚の演説」になっていくのです。

 最初、ハテナが飛んだのですが、その直後のエンドロールを見て、全てを納得しました。

 エンドロールは、「戦争への資金提供のために、政府に援助をしよう」という広告で終わります。

 つまり、戦時中なので、政治的意図の映画になっていたわけです。

「そういう時代背景か!」と思わず叫びそうになりました。



 それで、なぜ終盤に違和感を覚えたかというと、この「戦意高揚」「資金提供」が余りにも唐突だからです。

 それまでの話の流れに合っていないからです。

 つまり、「映画のそれまでの流れから、そういった結論にならんだろう」という締めくくりになっているのです。

 それまでの話は、どちらかというと戦争の悲劇を描いています。

 しかし、ラストだけ、いきなり「戦争がんばろう」「敵をやっつけよう」という演説になります。

「うわあっ」と思いました。

 ハリウッドが、国策の場所であることが、露骨に感じる映画だなと思いました。



 DVDには、この映画だけでなく、当時の戦争のためのプロパガンダの映像が多数収録されていました。

「DVDを作った人、分かっているな」という感じの構成です。

 本映画で「ハリウッドの戦争への貢献」に興味を持った人のために、当時の映像資料を何の説明もなしに同梱しているのです。

 たぶん、映画館の幕間で流されていた映像なのでしょうが、「風評に流されないことがいかに大切か」「アメリカがどれだけ強いのか」「スパイに気を付けろ」といった感じの内容でした。

 特に、日本を扱ったところでは、かなり正確に日本の弱点(補給能力のまずさ)を指摘していて、「普通に外から見たら、日本の弱点は明らかだよな」と感じさせられました。

 人によっては、こっちの映像目的でDVDを借りてもいいんじゃないかと思いました。

 いやまあ、映画はラスト以外は普通に面白かったのですが。



 以下、粗筋です。(あまりネタバレが重要な映画ではないので普通に書いています。終盤の直前まで書いています)

 第二次大戦直前のイギリスの田舎町。ミニヴァー夫人と呼ばれる新興階級の夫人には、優しい夫と、大学に通う息子と、まだ幼い娘と息子がいた。

 ある時、彼女は駅員の知人に部屋に誘われる。そこには一本のバラがあった。彼はバラの栽培に熱心で、作り上げた新品種にミニヴァー夫人の名前を付けてよいかと求めてきた。

「光栄です」

 彼女はその申し出を受ける。

 だがそのバラは、後に少なからずのトラブルを招くことになる。

 村では、毎年花の品評会が行われていた。その品評会のバラの部は、村の大地主である老婦人しか参加しない暗黙の約束になっていた。

 老婦人はバラを育てていて、毎年バラの部で一位を取っていた。

 そのバラの部に、駅員は自分のバラを出品することに決めたのだ。

 老婦人の孫娘はミニヴァー夫人の許を訪ねる。そして、「あなたから駅員に出品を差し控えるように言って欲しい」と告げる。

 その場に同席していたミニヴァー夫人の息子は激昂して反対した。彼は大学で、平等の空気に触れ、そういった思想に傾倒していたからだ。

 その争いはうやむやの内に終わる。戦争が始まったからだ。花の品評会は延期されることになった。

 最初の出会いで対立した大地主の孫娘とミニヴァー夫人の息子だが、その後互いに引かれ合って恋に落ちる。

 そして、ミニヴァー夫人の息子は戦闘機のパイロットとして出征する。

 戦争は長期化しそうになっていた。

 村の暗澹たる空気を振り払うために、大地主の老婦人は花の品評会を開催することを決める。

 自分以外の人間のバラの出展を嫌い、孫娘と平民との恋に反対していた老婦人だが、彼女の心も少しずつ変わっていた。

 そして、品評会が開かれ、“ミニヴァー夫人”と名付けられたバラが出品された……。



 死亡フラグは、想像していた人間から裏切られました。

 これは“いい裏切りだな”と思いました。

 その方が、戦争の悲惨さを感じさせるので。

 しかしその分、ラストの牧師の演説の浮きっぷりが目立つようになったなと感じました。

 やはりこういった作品は、政治的意図で歪めて作っては駄目だなと思いました。




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