前回、ザ・ミュージアムに行った際、展示物がよかったので、今回の展覧会も期待していました。
期待通りよかったです。展覧会の内容は、1898~1918年にかけて開催されたウィーン分離派の展覧会で展示されていた美術品の展示です。
言葉を変えて言うならば再録です(^^;
このウィーン分離派の展覧会では、毎回テーマを設けておこなっており、絵や彫刻の展示だけに囚われず、工芸品や建築など多彩なジャンルの展示をおこなっています。テーマに沿った横断的な美術のコラボレーションなどもあり、非常に面白い試みが少なくありません。
年に数回と精力的に展示会をおこなっていたらしく、1回で集めた人数が2万人以上だったりとかなり反響も大きかったようです。
今回展示されていた作品も、非常に多種に及んでいました。普段は、自分のペースで作品を見たいので展覧会には1人で行くのですが、今回の内容だと複数人で見に行っても面白いだろうなあと感じました。
様々なジャンルの作品があるので、美術に普段接していない方でも楽しめると思います。恋人がいる方は、デートに使ってもよいのではないかと思いました。まあ、ちょっと地味ですが。
さて、以下目を引いた作品を上げて行きたいと思います。
● グスタフ・クリムト 「6月のアレゴリー」(1986年)
クリムトの絵と言うと、ちょっと怖い表情の女性を連想していた私にはかなり意外でした。思わず数分間見入ってしまいました。
● グスタフ・クリムト 「彫刻のアレゴリー」(1996年)
前述の 6月のアレゴリー と並んで展示してありました。クリムトと言うと、けばけばしいイメージが強かったのですが、この2枚でだいぶ印象が変わりました。
● オットー・ヴァーグナー 「シュタインホーフ教会構想図(主祭壇、正面概観図)」(1905年)
● チャールズ・レニー・マッキントッシュ 「楕円形笠木のハイバック・チェア、アーガイル・ストリート・ティールーム」(1898年)
● グスタフ・クリムト 「第1回分離派展ポスター(検閲前)」(1898年)
当局による検閲前と、検閲後のポスターが展示されていました。検閲前の物がよかったです。
他にもポスターは多かったのですが、絵だけではなく、書体も非常に凝っていて楽しめました。
● エゴン・シーレ 「第49回分離派展ポスター」(1918年)
絵自体は、先行する油彩の作品「友達/食卓の客」と、ほぼ同構図のものです。
今回の展覧会は、サブタイトルが「クリムトからシーレまで」でした。そのため、エゴン・シーレの絵も多数展示されていました。
● ピエール・ピュヴィ・ド・シャヴァンウ 「聖ジュヌヴィエーヴの幼少期」(1875年)
● ジョヴァンニ・セガンティーニ 「水飲み場の牛」(1892年)
もし部屋に飾るなら、部屋を選ぶなあと思いました。私の部屋には合いません。色彩の強い家具で構成された部屋には非常に合うと思いました。
● ジョヴァンニ・セガンティーニ 「生の天使」(1894~5年頃)
● フェルナン・クノップフ 「眠れるメデゥーサ」(1896年)
● ヤン・トーロップ 「宿命論」(1893年)
今回の絵の中では、3番目ぐらいに気に入った絵でした。
● マクシミリアン・リーベンヴァイン 「山越えのマリア」(1911年)
この絵は、私の非常に好みの絵柄です。こういった絵を、壁一面に並べてみたいなあと思うことが時々あります。
● エゴン・シーレ 「カール・グリューンヴァルトの肖像」(1917年)
写真からでは分かり難いのですが、絵はかなり大きな絵でした。上から見下ろしている構図にも関わらず、上からボトリと落ちてくるような、そんなはちきれそうな存在感を持った絵でした。
今回の展覧会は当たりでした。もちろん図録も買いました。
しかしこの図録、すこぶる重いのです。
リュックサックの帯が肩に食い込むほどの重さでした。表紙がかなり分厚い厚紙で、さらにトレーシングペーパーがかかっていたりして非常に気合の入った作りなのですが、この重さには正直辟易しました。
もう少し軽い作りにしてくれればよかったのになあと思いました。