● 2002.03.16(土)01 ユーザーサポートについて

 私が作成・公開しているソフト「めもりーくりーなー」には、ユーザーサポートに関するいくつかのドキュメントが付随しています。その中で、メールの書き方に関して、昨日反論のメールを頂きました。

 メールはきちんと書かれた文章で、およそ上記のドキュメントに引っかかるような問題のあるメールではありませんでした。

 趣旨は、以下の通りです。

  • あまりに考え方が違うので驚いた。

  • 「件名:分かりません /本文:どうすればよいのでしょう」といった体裁のメールは、ユーザーの素直な気持ちである。これを否定するのはおかしい。

  • ユーザーからの情報が足りないのが当たり前。それを聞き出してあげるのがメーカーの仕事。

  • この文章は、メーカーのひどいユーザーサポートを助長させる。

 このメールを頂き、もしかしたら、私の文章を読んで上記のように思っている方が多数いらっしゃる可能性もあると思いました。そこでこの場を使い、私が書いた返信内容の一部を掲載しておきたいと思います。

 こういったメールを頂くようなきっかけがなければ、他の方がどう考えているかなどは予想もつきません。よい機会だと思います。

 また、最近ユーザーサポートに関することをWeb上で書いていなかったので、久しぶりに書く代わりになると思います。こういうことは、継続的に発言していかなければいけないことですので。

 以下、メールの返信より抜粋します。


● 返信本文

 上記内容 (以下、メールの書き方を「上記内容」という記述で統一) は拙作ソフトに関してのガイドラインですが、内容に関してはメーカー製のソフトに関しても当てはまることです。

 ただし、勘違いされているかもしれませんので書いておきます。上記文章は、ソフト製作販売者の責任を軽減することが目的で書かれたものではございません。ユーザーサポートを受ける側の立場の方に向けて、ユーザーサポートのやり取りを円滑におこなうために書かれたものです。内容的には、コミュニケーションのためのガイドラインになります。

 また、フリーソフトだからといって、当方ではソフトのサポートをおろそかにしているつもりはございません。全ての問い合わせに対応しておりますし、ソフトに関すること、またそれ以外の瑣末な質問にも全て答えております。もちろん市販ソフトであればなおさらです。

 拙作ソフトでもユーザー数が多いソフトに関しては、F.A.Q.をつけたり、ユーザーサポートに必要な情報を全て一括して出力するための機能をつけたりして対応をおこなっております。ユーザーサポートについて、こちらからできることは極力おこなっていく方針です。

 ただし、同じユーザーサポートをするにしてもコミュニケーションをきちんとおこなった方が作業が円滑にいくのは明らかです。しかし、ネットという相手が見えない世界では、現実世界では当然取れるような一定以上のコミュニケーションが取れない方が非常に多いのが実情です。そのために、上記のような文章を用意しております。

 例えメーカーであっても、差し出し人も不明で、ソフトの名前もなく、どんな目的のメールかも判別できないようなメールがくれば非常に対応が難しいものです。ユーザーサポートのメールなのか、DMなのか、嫌がらせメールなのか判別できないケースもございます。現実にはそういったメールが非常に多いのです。

 私が思いますところ、ネットという相手が見えない媒体が、そういった現象を引き起こしているのだと思います。

 これが対面商売の現場であれば大きな問題にはなりません。その場でヒアリングができるからです。しかしメールでのやり取りでは、ユーザーの方の意図や目的が判別するまでに、長い方では1週間近くもかかることがございます。これは、メーカーやソフト製作者だけでなく、ユーザーの方にとっても意図するところではないはずです。

 また、こうした著しくコミュニケーションのスキルに欠けたメールのやり取りをすることが当然だと、ユーザーの方が考えるようになれば、多くのユーザーの方が、何の進歩もなく人生の浪費を続けて行くことになります。

 他人とコミュニケーションをうまくとるためには、最低限、社会人として円滑に他者とやり取りできるスキルを身につけておく必要があります。もちろん現在の知識で対応しきれない問題もあることと思います。しかし、そのこととコミュニケーションをきちんと取ろうとすることとは別のことです。

 しかし、こういったことは他人に指摘されなければ、人によっては一生気付きません。私は、知らないがために人生の多くの時間を浪費する人が多いことは非常に残念なことだと思っています。

 毎回こういったやり取りで、10時間ほどの時間を浪費するのならば、人生で1,000回こういったやり取りをおこなえば、10,000時間を浪費することになります。

 こういった方は、ユーザーサポートの場合だけでなく、他の場合でも同じような行動を取っている可能性がございます。本人だけでなく、他人の時間も浪費させている可能性があるのです。これは誰かが指摘し、改善方法を提示すれば解決する問題です。こういった状態の方が、何の指摘も受けずにいることは、コミュニケーションに関する社会的害悪です。

 以下、ご送付いただいたメールに関しまして回答を添えさせていただきます。


● 「件名:分かりません /本文:どうすればよいのでしょう」といった体裁のメールは、ユーザーの素直な気持ち に関して

 気分と実世界でのやり取りは別物です。実世界で、店舗等に行き、これだけしか喋らない人が、社会人として推奨される姿だとは到底思えません。

 問題なのは、ネットではこれがおかしいと思わない人が多いということなのです。

 ネット上では、これだけしかメールを書かないということは、店頭で「分かりません。どうすればよいのでしょう」とだけ言って、後は一言も喋らずに棒立ちしているのと等しい状態なのです。

 このことが分からない限り、延々とその人は同じことを繰り返します。これは、誰かが指摘してあげなければいけないことです。


 とてもキツイ内容の返信になっていますが、丁寧に書いたらこういう雰囲気になってしまいました。それほどキツイ意図はございません。

 基本的に、こういった様々なご意見をいただくことは歓迎しています。いろいろと感じたこと、思ったことを気軽にメールでいただければと思います。他人の考えを聞くことは、大変勉強になりますので。

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