● 本のお話 ● |
● 2003.09.20(土)01 鈴木みそ 「銭」 壱巻 感想先週末に、ビームにて連載されている鈴木みそさんのマンガ「銭」の弐巻が届いたので、さっそく読みました。だいぶ遅れてしまいましたが、感想です。 表紙 ギャンブルのお話ではないです。念のため。 銭がどんな内容の本かは、1巻の感想を見ていただくとして、2巻の感想です。 まずは、目次です。
読んだ正直な感想「自分が駄目人間だと思いました」。 今回の巻の内容は、日常会話レベルで喋っていることばかりでした。飲み会の席とかで、普通に周りの人と暗算で計算しながら酒の肴にしている内容でした。精神的ダメージが甚大です。 出てくる人たちも、よく見るような人たちです。 ゲーム機の筐体を普通に集めている人とか、同人で壁にいっちゃった人とか、ビニール袋にお札を突っ込みながら同人誌を売っている人とか、同人誌の税金対策に領収書取りまくる人とか、2チャンネラーにストーキングされて行動を逐一晒された人とか、普通に周りにいるので珍しいとも思っていませんでした。ですが、この本を読んで客観的に見ると、ちょっと人生考えた方がいいかなあと思ってしまいました。 マンガなので珍しいことを書いているはずなのでしょうが、普通に身の回りの出来事だらけでした。 多分、世の中の多くの人が、そうではないと思いますので、普段あまり見ることのない世界のお金の話を読むことができると思います。……読んでいて、この巻は凄い日常的なことばかりの巻だなあと溜め息ばかり。せめてもの救いは、私本人は該当していないことぐらいかなあと。はあぁ。 ゲーセンの値段ゲーセン最近儲かっていないですねというお話。風営法がらみで色々と制限がありますよというネタが入っています。 話しの流れ的には、次の同人誌の話の伏線的な感じです、キャラが同じですので。 この巻では、同人誌の話のボリュームとインパクトが大きいので、こちらは少しパンチが弱い感じになっています。 同人誌の値段/同人誌の税金いきなり、ゴスロリ女が中堅サークルにやってきます。 ゴシックロリータの格好の人が急にやってくるというネタは、かなり定番パターンなのですが、まだまだインパクトはでかいですね。最近だと、デスノート、ちょっと前では闇のイージスでもゴスロリ襲撃ネタがありました。 上記2つのマンガでは、やってくるのは電波飛ばしまくりの女性なのですが、銭でやってくるゴスロリの人は計算高くまともな人です。鉄道系中堅サークルに、萌え要素を付加して、大手にのし上げてやろうという野心家です。野心家なので、計算高くどんどんお金の計算をしていきます。 同人誌だとどのくらいの利益率や儲けがあって、商業誌だとどのくらいの利益率や儲けがあるかなど、実例を挙げながら計算して行きます。 (……うわあ、これ全部酒の肴で普段やっている計算だ) 後半は儲かったお金を、税金対策のためにどういう風に使っていくかというお話です。 これはけっこう身につまされました。私は今年で会社3期目なのですが、黒字が出ることを念頭においていなかったので、昨年税金対策を完全に失敗してしまいました。おかげで税金対策がいかに大切かを思い知ったので、この話はかなりヘビーブローでした。 締めはストーカー的な悪質2ちゃんねらーに行動を晒され、それを撃退するというお話。 面白おかしいフィクションのはずですが、どれもこれも身近で普通に見聞きする話しで、ちょっと立ち直れないぐらいに打ちのめされました。サンドバッグになった気分です。 物語的には、計算高く独り善がりだったゴスロリ女性が、仲間を作ってハッピーエンドというお話でした。 ……つい最近友人がコミケッコンしたので、これまた身近な話の展開に。(友人の結婚式に行って、馴れ初めから結婚までを本人たちが書いた同人誌を配られるとは思っていませんでした。それも親族にも配っていました) 多分このマンガで自分が属している業界が出てきた人は、等しく全員同じような精神的ダメージを受けるのだろうなあと思った巻でした。そういう意味では破壊力万点です。よくリサーチしてあるなあと思いました。いやもう本当に。 というわけで、銭2巻目は公表発売中です。 最後に、鈴木みそさんに関するリンクをまとめておきます。参考にしてみて下さい。
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