PBeM 史表(しひょう)
人々(民族、人物、国家、集団など)
柳井政和
ver 0.11 2005.05.08
▽
ver 0.10 2005.04.29
ver 0.09 2004.11.19
ver 0.08 2004.08.03
ver 0.07 2004.05.17
ver 0.06 2004.04.20
ver 0.05 2004.03.24
ver 0.04 2004.03.16
ver 0.03 2004.03.12
ver 0.02 2004.03.11
ver 0.01 2004.03.07
プレイヤーが選択可能な民族と、主な登場人物
民族は色で表されています。この色は、そのまま名前の一文字目になります。
各民族の概要と、その民族の中で登場している重要なNPCの情報を以下にまとめます。
白族
白賢龍(白王)
白麗蝶(白大国第一王位継承者)
白大狼
白緩狢(白大国軍団長)
白惨蟹(白大国軍団長)
白淡鯉(白大国皇后)
白安豚(白大国王位継承者)
青族
青聡竜(司表)
青美鶴(舟大家家長)
青捷狸(舟大家前家長)
青新蛇(金大家家長)
赤族
赤栄虎(赤族族長)
赤堅虎(赤族前族長)
赤朗羊(赤族軍団長)
黒族
黒壮猿(黒陽会導師)
黒老珊(浮都長老/軍艦艦長)
黒円虹(黒陽会教祖)
黄族
緑族
緑輝蝗
緑輝蛍
植物
(プレイヤー選択不可)
鋸瞬草
緑輝蔦
輝瞬草
動物
(プレイヤー選択不可)
猛虫
岩竜虫
千足虫
肉芽虫
螳螂型猛虫
白族
「はくぞく」
白族は、元々大陸の北東のあたりに住んでいた民族です。学問が盛んな一族で、政治能力にも長けており、昔から支配階級として君臨していました。各地の地方豪族などでも、支配階級には白族の者が多く、白族と言えば、支配階級という一般的な認識がなされています。
白族は、学問が盛んな民族とはいっても、脆弱な民族ではありません。自ら刀を取り、戦場で戦うことをいとわない民族です。彼らは、勇敢な戦士でもあります。白族では主に集団戦を得意としています。重装歩兵を中心とした戦術で、他の民族を圧倒しています。
また、基本的に彼らは、農耕民族です。商売がそれほど得意なわけではありません。
外見的な特徴としては、白に近い銀髪をしていることが上げられます。肌の色も薄く、目は灰色をしていることが多いです。
白賢龍(白王)
「はくけんりゅう(はくおう)」
20年前に白大国という新王国を興した建国の王です。豊富な知識と、深い知恵を持った人物ですが、理想家肌でもあります。そのため、ときに現実と理想の間の開きに苦悩することもあります。白賢龍は、大陸を統一して、戦争のない平和な世の中を築こうと考えています。そして、そのためにはどれほどの血が流れても、それは必要な一時的な代償だと考えています。
白賢龍は、白大国を大きくするにあたって、いくつか特徴的なことをおこなっています。
白大国は、新しい土地を占領するときには決まって、農管吏(農業管理官吏)と呼ばれる官吏を配属します。この農管吏は、農業指導員兼行政官吏といった役割を持っています。農管吏は、国の政策として、各地の農地の開拓や灌漑、農業器具の改良や検地など、総合的な農業収益の増加を図ります。農管吏は、各地の収益の一部を給料として得ることができますが、その土地の収益が低いときはその給料が断たれ、官吏としての任が解かれるようになっています。
農管吏は、白族の持つ豊富な知識を活用して、これらの仕事を遂行します。白大国では、農管吏を使い、占領地をどんどん農化していくことで、その地方の民衆の経済力を引き上げていくという方針を採っています。
このような占領政策を採っているため、一度白大国に占領された土地は、白大国の占領を進んで受け入れることが多いです。また、白大国の進撃が始まってから、ある時期を境に、各地の民衆が為政者を倒し、白大国の占領下に入るという現象が頻発するようになりました。既に白大国は大陸のほとんどを占領下におさめています。しかし、農業を生活基板としていない民族からは強力な抵抗にあっています。
軍事の面で白賢龍がおこなったことは、水運による大兵力の高速移動です。大陸は海に囲まれており、また陸上も大河が数多く流れています。これまでこの大河のせいで、大規模な兵団の輸送は困難を極めていましたが、白賢龍はこの地勢を逆手に取り、水運によって大規模兵力を高速移動させる軍の体制を確立しました。
この軍事面での改革の基本的な着想は、彼の子供時代に考えられました。彼がこの着想を得たのは、彼の親友に青聡竜がいることと関係があります。白賢龍と青聡龍は、子供の頃に、共に僧房で学問を学びました。白賢龍の親友の青聡竜は、海商を得意とする青族の出身であり、青族の中でも実力を持った舟大家の家長の次男でした。
白賢龍は自分が国盗りを始めたときに、当然のように青聡竜をその仲間に加えました。そして、青聡竜の人脈を使い、大型船による大規模兵力の高速移動の体制を作り上げました。
この結果、一時は青聡竜は白大国の2番目の実力者と目され、白賢龍と青聡竜の名前に共に「りゅう」が入っていることから、2匹の龍と呼ばれていました。
白賢龍には多くの弟や妹がいましたが、今では弟は全て死んでいます。また、子供は娘しかおらず、その最も年上の子は白麗蝶という名前です。白麗蝶はまだ10歳にもなっておらず、自分の死後に後継者争そいが起こるのではというのが、白賢龍の心配の種です。そのため、白賢龍の死んだ弟の息子である白大狼を、白麗蝶の婿にしたいと考えています。
白賢龍は、建国の王であるために、それほど飾ったところはありません。また、白大国自体もまだ完全に制度が固まっているわけではありません。そのため、王宮での各人の振るまいや人の出入りも、粗雑なところがあります。
彼は10年前より、憑りつかれたように史表という書物を書き続けていました。そして最近、親友である青聡竜にその書物を授け、続きを書くように指示を与えました。
(第1回後の追加情報)
赤族の地を支配する作戦のために、白都のはるか西、広河の上流にある広源市へと、白賢龍は移動しました。白賢龍は、この作戦のために、広源市を1年前から要塞化していました。また、今回の移動後の執務をおこなうために、広源市の中央に仮の王宮も築かせていました。
(第2回後の追加情報)
黒壮猿により、死の予言をされました。
(第3回後の追加情報)
閉腸谷の砦に移動しました。妻である白淡鯉を殺されたことに衝撃を受けています。
(第4回後の追加情報)
赤族の暗殺により、草原で死亡しました。
呼び方
一人称:私
白麗蝶:麗蝶
白淡鯉:白淡鯉、淡鯉、お前(第2回後追加)
白大狼:大狼
青聡竜:青聡竜、司表
白緩狢:白緩狢(第1回後追加)
白惨蟹:白惨蟹(第3回後追加)
白麗蝶(白大国第一王位継承者)
「はくれいちょう」
白大国の王である白賢龍の娘です。現在、白大国第一王位継承者です。白賢龍の子供には女児しかおらず、彼女がその中で最も年上にあたります。年上とはいっても、十に満たない少女です。
彼女は好奇心旺盛なやんちゃ娘です。彼女は、従兄弟にあたる白大狼と剣で遊ぶのが大好きです。また、木登りや乗馬など、一通りの体術をこなします。これらの体術を身につけていることは、白族の娘としては非常に珍しいことです。彼女の教育係兼世話役の白大狼から、これらの体術を教わりました。
白麗蝶は、いつも楽しそうな顔をして、何か面白いことはないかと、王宮中を駆け回っています。
(第1回後の追加情報)
白賢龍が西に移動したあと、彼女はかねてからの計画通りに、白都を脱出して海都へとむかいました。さらに海都で、大陸周回航路の船員の募集の情報を知り、その船に密航しました。
(第2回後の追加情報)
大陸周回航路の船に密航し、長焉市まで行きました。そこで、緑輝兄妹の虜になり、緑輝宮へと連れ去られました。
(第3回後の追加情報)
緑輝兄妹の呪縛から救い出された後、嵐に会い、浮都に上陸しました。
(第4回後の追加情報)
黒都に上陸し、脱出しました。
呼び方
一人称:私
白賢龍:お父様
白淡鯉:お母様(第2回後追加)
白大狼:大狼
黒老珊:黒老珊(第3回後追加)
白大狼
「はくたいろう」
白族の若者、白賢龍の弟の息子に当たります。彼は20歳そこそこの若者です。現在は、白賢龍の命令で、白麗蝶のお守をさせられています。
彼は周囲の人間から無能と思われており、彼自身もそうであるように振舞っています。しかし、白賢龍は彼が高い能力を持った人間であると信じており、彼が白麗蝶の婿になり、王位を継ぐことを望んでいます。
(第1回後の追加情報)
彼はできることなら、自分の能力を隠し続けて、政争に巻きこまれることなく人生を過ごそうと思っていました。しかし、白大国第一王位継承者の白麗蝶が白都を逃亡してしまったために、そうも言っていられなくなりました。彼は、伯父である白賢龍との約束を守るために、白麗蝶を追い、海都にむかいました。そして、白麗蝶が大陸周回航路船に乗りこんだことを知り、金大家の手配した復刻船に乗り、大海原に出発しました。
(第2回後の追加情報)
長焉市で大陸周回航路船に合流しました。しかしその時には既に、白麗蝶は緑輝兄妹に連れ去られていました。彼は緑輝宮への追撃を、大陸周回航路船の依頼主と共に決定しました。
(第3回後の追加情報)
緑輝兄妹の呪縛から白麗蝶を救い出した後、嵐に会い、浮都に上陸しました。
(第4回後の追加情報)
黒都に上陸し、脱出しました。黒円虹から後継者指名を受けました。黒円虹から異能を持っていることを指摘されました。
呼び方
一人称:私
白賢龍:伯父さん
白麗蝶:麗蝶
白淡鯉:伯母さん(第2回後追加)
黒老珊:黒老珊(第3回後追加)
黒円虹:黒老珊(第4回後追加)
白緩狢(白大国軍団長)
「はくかんがく」
(第1回後の追加情報)
白大国の若手軍団長。彼は20代の若さですが、既に10年以上の戦場経験を持っています。彼は10代の頃に、白賢龍の手によって、軍団長に抜擢されました。
彼は、武人というよりは、軍師肌な人物です。奇抜な用兵で敵を翻弄したり、波のように、軍団を進退させることを得意としています。戦争では、もっぱら精妙な用兵が必要な作戦に投入され、華々しい戦勝をあげるような作戦には投入されてきませんでした。また、彼個人の戦闘能力はそれほど高くありません。そのため、武人肌の古参の軍団長からは、彼は好まれていません。彼自身もそのことを知っているために、軍議の席ではいつも末席に座っています。
白緩狢は、弛緩したような顔をしており、背はいつも丸めています。また、必要のない時は平服で軍団内をうろついていることが多いです。また、指揮をする時は目深に兜をかぶっています。これは、彼の弛緩した顔を見せると、兵士たちの士気に影響が出ると思っているからです。彼は指揮する際には、高く鋭い大声を発して指揮をします。その声の大きさは、彼の普段の容姿からは想像できないほど大きなものです。
(第2回後の追加情報)
開喉丘から閉腸谷までを占領し、堅牢な砦を築き上げました。
(第3回後の追加情報)
赤栄虎を倒すために、平原で大規模な包囲戦を展開しています。
(第4回後の追加情報)
赤栄虎の捜索を行なっていましたが、状況の変化に乗じて白都に帰還し、政治の実権を握ることを決意しました。
呼び方
一人称:私
白賢龍:白王様
白惨蟹:白惨蟹様(第2回後追加)
赤栄虎:赤栄虎(第3回後追加)
白惨蟹(白大国軍団長)
「はくさんかい」
(第2回後の追加情報)
白大国の古参軍団長。最も大きな軍閥を形成しており、その所領の広さも白大国の中で抜きん出ています。そのため、彼に従う軍団長はとても多いです。若手の軍団長である白緩狢を腰抜けとして嫌っています。
彼は生粋の軍人であり、戦術、戦略共に高い能力を持っています。また、自らの権力を増大し、周囲の人々を自己の目的のために取り込む能力にも長けています。もしそれが政治能力であると言うのならば、彼の政治能力は一級品と言えるでしょう。
しかし彼は国の未来よりは自らの欲望を優先する人物であり、国家の将来を見越した大計を行なうという思想は持っていません。その点で、彼は白賢龍と真に理解し合える人物ではありません。
(第3回後の追加情報)
白麗蝶と白大狼を殺すために、暗殺部隊を放ちました。
赤族の地に、深く侵攻しています。赤堅虎率いる軍に大勝しました。華塩湖周辺に軍事都市とも言える、巨大な砦を建設しました。
白賢龍を殺すために、策を巡らしています。
(第4回後の追加情報)
白賢龍の暗殺を進めて成功しましたが、直後の赤族との戦闘により死亡しました。
呼び方
一人称:(目上の者に対して)私、(通常)俺
白賢龍:白王様
白緩狢:白緩狢
白麗蝶:白麗蝶(第3回後追加)
白大狼:白大狼(第3回後追加)
白淡鯉(白大国皇后)
「はくたんり」
(第2回後の追加情報)
白大国の国王である白賢龍の正妻。第一王位継承者である白麗蝶の母。
白大国建国当時から白賢龍を支えており、白大国が海都と同盟を結んだ年に正式に結婚しています。元々彼女は、白賢龍と青聡竜が起居していた僧房の、僧房長の娘であり、白賢龍や青聡竜を兄のように慕いながら少女時代を送りました。彼女の少女時代から白賢龍と青聡竜は周囲から抜きん出た存在でした。彼女はその2人のうちのどちらかと自分は結婚するのだろうと思っていました。
彼女は成人してのち、最終的に白賢龍と結婚しました。白族同士の結婚なので、これはごくごく自然な流れであると言えるでしょう。また、余談となりますが、青聡竜が現在まで結婚していないのは、白淡鯉と白賢龍が結婚したことと関係があるとも言われています。
白淡鯉は白賢龍を最も理解している人物であると共に、彼が自分ではない方向を見ていることに絶望しています。彼女は現在、白都周辺にある農管園で静かに暮らしています。
(第3回後の追加情報)
赤栄虎の白都攻めの影響で農管園が炎上し、死亡しました。
呼び方
一人称:私
白賢龍:あなた、賢龍、白賢龍
白麗蝶:麗蝶
青聡竜:聡竜
白大狼:大狼
白安豚(白大国王位継承者)
「はくあんとん」
(第4回後の追加情報)
白賢龍の妹の娘の息子にあたる十歳に満たない少年。愚鈍なため、才気を愛する白賢龍から疎まれていました。
王位継承権を持ち、白惨蟹が育てていた。白緩狢の政争に利用されようとしている。
呼び方
青族
「せいぞく」
青族は海洋民族で、商業を得意としています。大陸の各所に青族の居留地があり、栄えています。青族の住む都市で最大のものは、大陸の東方に位置する海都と呼ばれる都市です。大陸中の物産が海都に集まり、値付けされてまた大陸中に運ばれていきます。
青族は政治に関心があるものの、それはもっぱら自分たちの権利を守るためです。青族は、その取り扱っている商品ごとに、大家と呼ばれる共同組合を作っています。その中でも、各都市で盛んな大家は、五大家や三大家(都市によって数はことなります)などと呼ばれて、合議制で各地の為政者との交渉役となっています。
現在海都は白大国の重要な商都として栄えています。また、白大国の建国当時、海都の五大家の1つ舟大家の家長の次男である青聡竜が、白大国の軍団長として重要な地位を占めていたこともあり、白族と青族の関係は良好です。白賢龍自体も、青族にとって有利な法令などを多数定めており、青族を庇護しています。その見返りとして、青族は白大国の水運軍事の一翼を担っています。
青族の外見的な特徴は、青い目と青黒い髪です。肌は、海洋民族らしく陽に焼け、褐色の者が多いですが、元々の肌が褐色なわけではありません。
青聡竜(司表)
「せいそうりゅう(しひょう)」
青聡竜は、海都の五大家の1つである舟大家の家長の次男として生まれました。青捷狸は彼の兄にあたります。
彼は次男として生まれたために、白族の僧房(学問所に相当する)に入れられました。これは、学問を身につけ、長男の青捷狸を補佐するためでした。しかし、その僧房で白賢龍と出会ったことが彼の運命を一変させました。
白賢龍が白大国を建国をすると同時に、彼もその仲間となり、戦争に明け暮れる日々に突入しました。しかし、彼が僧房に入った元々の目的はまっとうされました。白賢龍の兵力水運計画のために、大量の船の建造や船員の需要が生まれ、結果的に舟大家は莫大な利益をえることができました。
彼は、白大国が建国10年を迎えたときに、隠居を申し出て、白大国の中枢を後にしました。それから10年後、突如白賢龍に呼び出され、史表という書物を託され、名前を司表と改名するように申し渡されました。この命令は、もう二度と白都(白大国の首都)に行くこともないと思っていた彼にとって、意外なことでした。
青聡竜は、その卓越した知識と実行力で、かつては白大国の2番目の実力者だと目されていました。
(第1回後の追加情報)
彼は白賢龍に史表を託されたあと、故郷である海都に戻ってきました。現在は、白賢龍に授けられた部下を使い、史表の写本を作りながら、史表の続きを書くための情報収集をおこなっています。
(第2回後の追加情報)
海都に攻めこんできた赤栄虎と出会い、彼に司表という名前を告げました。
(第3回後の追加情報)
白淡鯉の死を知り、赤栄虎を倒すために海都を出発しました。
(第4回後の追加情報)
赤栄虎を倒すために西へ旅を続け、草原まで向かいました。
呼び方
一人称:私
白賢龍:白賢龍、白王、白王様
白大狼:白大狼
青捷狸:兄上
青美鶴:美鶴
白淡鯉:白淡鯉、淡鯉(第2回後追加)
青新蛇:青新蛇(第3回後追加)
赤栄虎:赤栄虎(第4回後追加)
青美鶴(舟大家家長)
「せいびかく(ふなたいけかちょう)」
若くして海都の五大家の1つである舟大家の家長を継いだ美しい娘です。まだ年は20歳。青聡竜の姪にあたり、青捷狸の長女にあたります。
食事に恋にお洒落に忙しいはずだったのに、いきなり舟大家の家長を継がされ、まったく自由の効かない生活を強要されて大憤慨しています。しかし、周囲の監視も厳しく、もくもくとその仕事をこなすしかない毎日を送っています。
利にうるさく、細かなことにうるさい父の青捷狸よりも、英雄的な過去を持つ叔父の青聡竜の方を子供の頃から慕っています。
青美鶴本人は今の仕事が自分にをまったく向いていないと思っていますが、周りはそうは思っていません。能力のない者を家長に据えれば舟大家が傾くことを充分過ぎるほど知っている船大家の実力者たちは、彼女のことを高く評価しています。
彼女の叔父である青聡竜は、隠居した後、青美鶴の専属家庭教師をおこなっていました。そのため、青美鶴は青捷狸の知識と人脈だけでなく、青聡竜の知識と人脈も引き継いでいます。これらの知識と人脈は、海都の舟大家にとってはなくてはならないものです。
(第1回後の追加情報)
彼女は激務のために、時々鬱状態になる時があります。白大国の赤族の地攻略のために、彼女の仕事は非常に多く、彼女への負荷は常軌を逸した状態になっています。
(第3回後の追加情報)
青聡竜が海都を出奔したことに衝撃を受け、過去の性格に退行してしまっています。
(第4回後の追加情報)
青捷狸による支配を強く受けた状態になり、舟大家による海都の独占に踏み切りました。
呼び方
一人称:私
青聡竜:青聡竜の叔父様、叔父様
青捷狸:お父様
青新蛇:青新蛇殿(第1回後追加)
青捷狸(舟大家前家長)
「せいしょうり」
青聡竜の兄。ずんぐりと太っていて、人好きのする雰囲気の中年です。海都の舟大家の前家長であり、現家長の青美鶴の父にあたります。
英雄的な活躍をした青聡竜のせいで印象が薄い彼ですが、船大家の歴代家長の中でも屈指の実力者です。彼の代で船大家の身代は10倍にも100倍にも増えたと言われています。いつも笑顔をたたえていて、本当の考えが読めないために、人にはたぬきと呼ばれることも多いです。
(第3回後の追加情報)
黒都を目指す大陸周回航路の船上で指揮を取っています。黒捷狸に改名しています。
(第4回後の追加情報)
黒都に上陸しましたが、目的は達せられませんでした。地下に潜伏し、大陸を影から操ろうとしています。
呼び方
一人称:わし
白賢龍:白王様
青聡竜:聡竜
青美鶴:美鶴
白麗蝶:白麗蝶様(第3回後追加)
白大狼:白大狼様(第3回後追加)
青新蛇(金大家家長)
「せいしんじゃ」
海都の金大家の家長。細身の体で目の細い若い男。能面のような表情をしていることが多いです。
(第3回後の追加情報)
海都復興に際して、海都の民の帰属意識を高めようとしています。
(第4回後の追加情報)
海都の気風を残そうとしていましたが、青美鶴の姦計により囚われの身になりました。
呼び方
一人称:私
青美鶴:青美鶴殿
赤族
「せきぞく」
赤族は、大陸の西方に広がる大平原に住む放牧騎馬民族です。牧畜を生活の基盤としているために、草原を農地に変えようとしている白大国とは敵対しています。これまでも何度も白大国の軍勢と小競り合いを重ねてきました。
他の民族では、よっぽど訓練した人しか乗馬をしたり、ましてや騎乗射撃をしたりといったことはできませんが、赤族の若者でそういったことができない者はまれだと言ってよいでしょう。
赤族は、いくつかの小集団に分かれています。また、それぞれの小集団は軍団長と呼ばれる指導者に率いられています。この軍団長と小集団は、そのまま赤族の軍事単位となっています。
軍団長の上には、軍団長をまとめる族長と呼ばれる指導者がいます。平時にはもっとも大きな集団の軍団長が族長を兼ねることが多いのですが、戦乱時にはもっとも能力の高い軍団長が族長を兼ねることになります。現在は、白大国との交戦中なので、最も能力の高い軍団長が族長となっています。
赤族の外見的な特徴は燃えるような赤髪です。
赤栄虎(赤族族長)
「せきえいこ(せきぞくぞくちょう)」
前赤族族長である赤堅虎の息子。現在20歳。彼は絶対位置感とでもいう不思議な能力を持っており、自分の現在の位置や高さ、土地と土地の距離や方角などが、何の手掛かりもなしに正確に知ることができます。また脅威的な記憶能力を持っており、一度でもおこなったことがある場所は全て覚えており、頭の中に三次元的に正確な大陸の地形図が記憶されています。
この能力を知った父の赤堅虎は、赤栄虎が10歳のときに、大陸中をくまなく訪問するように命令を出しました。10年後に再び赤族の集団に戻ってきた彼の頭の中には、大陸のあまねく土地が全て収まっていました。そのことを確認するために、赤堅虎は赤栄虎に市表という大陸中の都市の極めて精巧な地図を書かせました。
また、10年におよぶ大陸の旅のおかげで、彼は各地に友人や知人、協力者がたくさんいます。彼は赤族をたばねる族長に相応しい人的魅力を持っており、彼に接した人の多くは彼のよき理解者や支援者となりました。この人脈網も、彼の持つ重要な資産になっています。
(第1回後の追加情報)
彼は、白大国に対して、何度か探りをいれるための戦闘を仕掛けてみました。しかし、まともに戦争に勝つことができないと分かると、白大国を震撼させる一撃を与えるために、海都攻めを決行することに決めました。
(第2回後の追加情報)
大陸を横断して海都を攻めるという歴史上類を見ない大遠征を実施し、海都を炎上させました。現在は、広河沿いに遡りながら白都にむかっています。
彼は、大陸を周遊していた頃に、商人として各地を巡っていた経験を持っています。そのために、各地の大家との契約書や人脈を持っています。彼は、ただ単に大陸中を見て周っただけではなく、各地方の特徴や抱える問題点を、商業という視点からも観察しています。
海都を攻めた際に、シヒョウという名の人物が白王の部下としていることに衝撃を覚えました。
(第3回後の追加情報)
白都を攻め、さらにその周辺の農管園を炎上させ、白淡鯉死亡の原因を作りました。
赤族を救うために始めた戦いでしたが、次第に白王の影響を受け、大陸制覇の野望を抱き始めています。また現在、白緩狢の大包囲を受けています。
(第4回後の追加情報)
白大国の包囲を脱して、草原に戻りました。草原に攻め込んでいた白国の軍を下し、赤族と合わせて栄大国を興しました。また本人も栄王と名乗るようになりました。
呼び方
一人称:俺
赤堅虎:おやじ
赤朗羊:赤朗羊
青聡竜:司表
白淡鯉:白淡鯉(第3回後追加)
黒壮猿:黒壮猿(第4回後追加)
赤堅虎(赤族前族長)
「せきけんこ」
赤族の前族長、質実剛健を絵に描いたような人物です。現族長の赤栄虎の父にあたります。
赤堅虎は族長として、白大国の膨張に対して一進一退の攻防を繰り広げてきました。しかし、強大になっていく白大国を前にして、いつかは致命的な大敗を喫すると悟っていました。また、この将来の大敗北を回避できるだけの能力を自分が持っていないことも知っていました。彼は、その能力を自分の息子の赤栄虎が持っていることを見抜き、自分の仕事は息子の代まで兵を鍛え、温存することと決めて戦ってきました。
赤族の族長は、いまや成長した赤栄虎に移りました。赤堅虎は、残りの自分の仕事をするために、余生を使おうと考えています。
(第1回後の追加情報)
赤栄虎に族長の座を譲ったあと、隠居に近い状態になっていました。しかし、赤栄虎が海都攻めをおこなう場合の守将として、前線に復帰することを快諾しました。
(第2回後の追加情報)
赤族の軍団の族長代理として、前線指揮を行なっています。
黒壮猿から送られた、紫雲という不可思議な矢を受け取りました。その際に告げられたシヒョウという言葉に衝撃を受けました。
(第3回後の追加情報)
白惨蟹に大敗しました。また、紫雲という不可思議な矢を赤荒鶏に授けました。
(第4回後の追加情報)
白大国の武将により倒されました。
呼び方
一人称:わし
赤栄虎:息子
赤朗羊:赤朗羊
赤朗羊(赤族軍団長)
「せきろうよう」
赤族の軍団長の一人。赤堅虎が族長になった頃は若造の軍団長でしたが、赤栄虎の代になった今では古株の軍団長になっています。ちょっと間抜けなところがあるものの、明るく勇敢で兵士にも慕われています。赤堅虎とは近しい仲だったために、赤栄虎のよき理解者でもあります。
(第4回後の追加情報)
白大国の包囲軍により倒されました。
呼び方
一人称:わし
赤栄虎:赤栄虎様
赤堅虎:赤堅虎様
黒族
「こくぞく」
黒族はもともと大陸の南西に住んでいた民族です。しかし現在大陸の南西にはほとんど人は住んでいません。現在では、黒族と呼べば黒陽会の信者を指すことが多いです。
黒陽会は、唯一神である太陽を崇める宗教団体です。この一神教の宗教は、黒族が住んでいた大陸の南西で生まれました。黒陽会の教義によれば、1日は2つの時間に分けられます。それが太陽と黒陽です。太陽が出ている時間帯を太陽と呼び、太陽が沈んでいる夜の時間帯を黒陽と呼びます。
黒陽会では、この太陽が沈んでいる時間帯に、唯一神の代理人として、地上に神の意志を行使することを神への奉仕であると位置付けています。そのために、太陽の写し身である炎を夜の間中焚くようにしています。
また、黒陽会では、現在大陸の主流を占めている多神教を唯一神に対する冒涜であるととらえており、大陸中に黒陽の教えを布教しなければならないとしています。黒陽会は、各地に教会を作っており、その教会には導師と呼ばれる指導者が住んでいます。導師たちは、黒陽会の教えと共に、大陸の南西にかつて住んでいた黒族の錬金術の知識と技術を受け継いでいます。
黒陽会の外見的な特徴は黒い長衣です。
黒陽会に入信したものは、黒族姓を名乗るようになります。
黒壮猿(黒陽会導師)
「こくそうえん(こくようかいどうし)」
海都の黒陽会の教会の導師です。50近い年齢で、顔には深いしわが刻まれています。また、頭は禿上がっていて、巨大な目をしています。彼は、卓越した錬金の術を身につけています。
(第1回後の追加情報)
白賢龍の死の時期を、死表を使って予見しました。また、その情報を決定的に活かすために、白賢龍を追って、広源市入りをおこないました。
(第2回後の追加情報)
白王に謁見し、空華という錬金の手によって作られた人型を見せ、予言を告げました。そして、禁言百一日という刑罰を食らいました。
また、それとは別に、赤族の族長にむけ、紫雲という不可思議な矢と予言の文句を送りました。
(第3回後の追加情報)
死表を製造させ、赤栄虎を王にするために広源市を出発しました。
(第4回後の追加情報)
赤栄虎を窮地から救い、栄大国を興させました。広源市を陥落させ、占領下に置きました。
黒円虹の死により、錬金の力を失いました。
呼び方
一人称:私
白賢龍:白王様(第2回後追加)
赤栄虎:赤栄虎様(第4回後追加)
黒老珊(浮都長老/軍艦艦長)
「こくろうさん(ふとちょうろう/ぐんかんかんちょう)」
(第3回後の追加情報)
浮都の民を率いる長老です。かつて浮都が軍艦と呼ばれていた頃は、艦長と呼ばれていました。死表のお告げに従い、白大狼の到着を待っていました。白大狼たちに、黒都への訪問を進言しました。
(第4回後の追加情報)
黒陽宮で黒捷狸により殺されました。
呼び方
一人称:私
白大狼:白大狼様
白麗蝶:白麗蝶様
黒円虹(黒陽会教祖)
「こくえんこう(こくようかいきょうそ)」
(第3回後の追加情報)
黒陽会を興した人物です。
(第4回後の追加情報)
巨大な脳を持つ未来演算者。白大狼に知識を残す布石を打ち、死亡する。
呼び方
一人称:私
白賢龍:白賢龍(第4回後追加)
白大狼:白大狼(第4回後追加)
黄族
「こうぞく」
大陸に最も多い民族です。大陸の中央から、東方、北方にかけて住んでおり、その多くが被支配階級です。彼らは戦いを好まず、戦闘に際しては臆病なふるまいをして、すぐに逃げ出そうとします。また教育を受けていないために、視野もせまく、志も低いです。
黄族は黄色の布で髪を縛っていることが多いです。
緑族
「りょくぞく」
大陸の南方の亜熱帯雨林から熱帯雨林にかけて住む民族です。狩猟と採集で暮しています。そのため、大陸西方の赤族同様、白大国の農地化政策を拒否して、その支配を受け入れていません。
緑族の住む土地には、赤族のように反撃をおこなう軍団や国家などはないのですが、広大な森林自体が白大国の侵入を阻んでいます。
緑族の外見的な特徴は独特な化粧にあります。これは、目や鼻、口、耳の周りに対しておこなわれます。これらの化粧は、もともとは虫を防ぐために発達してきました。色のついた薬草を、虫が侵入しやすいところの周りに塗っていました。現在では、同様の効果はもちろんあるのですが、より装飾的な化粧として、顔に複雑な模様を描くことが多くなっています。
緑族が、他の土地に出てくることは、ほとんどありません。また、仮に他の土地に出る場合には、化粧をせずに、他の民族の中にまぎれるようにしています。
緑輝蝗
「りょくきこう」
(第1回後の追加情報)
群雄割拠している緑族の中で、一国を支配している緑輝兄妹の兄。絶世の美男子。彼らの国は、大陸の南東に位置しています。彼らの国は、国家というよりは、海賊団と呼ぶ方が適切かもしれません。緑輝の手の者は広範に活動をおこなっており、白大国の中にある長焉市にもよく出没しています。
(第2回後の追加情報)
妹の緑輝蛍とともに長焉市を攻め、壊滅的な打撃を与えました。白麗蝶たちを味方に取りこみました。
(第3回後の追加情報)
緑輝宮を白大狼たちに攻められ、捕らえられました。
(第4回後の追加情報)
黒陽宮にて、大陸周回航路船団の船員達に倒される。
呼び方
一人称:俺
緑輝蛍:輝蛍、お前
白麗蝶:白麗蝶(第2回後追加)
緑輝蛍
「りょくきけい」
(第1回後の追加情報)
群雄割拠している緑族の中で、一国を支配している緑輝兄妹の妹。超絶の美女。気だるそうに寝そべっていることが多い。
(第2回後の追加情報)
兄の緑輝蝗とともに長焉市を攻め、壊滅的な打撃を与えました。白麗蝶たちを味方に取りこみました。
(第3回後の追加情報)
緑輝宮を白大狼たちに攻められ、捕らえられました。
(第4回後の追加情報)
黒陽宮にて、大陸周回航路船団の船員達に倒される。
呼び方
一人称:私
緑輝蝗:お兄さま
白麗蝶:白麗蝶(第2回後追加)
植物
「しょくぶつ」
物語上重要な、特殊な植物です。
鋸瞬草
「きょしゅんそう」
(第2回後の追加情報)
熱帯産の一日草。鋸のような形の葉を持っています。この植物は、堅い殻を持ち、風に舞う羽を持った種を無数にばら撒くことで繁殖します。鋸瞬草は植物としてはライフサイクルが短く、高い環境適応能力を持っています。
白王により、赤族の住む平原に撒かれました。
(第3回後の追加情報)
一部の鋸瞬草が、錬金術で作られた紫雲を解析してその能力を取りこみました。
(第4回後の追加情報)
進化形の輝瞬草により駆逐されました。
呼び方
一人称:私
白賢龍:白王、人の王
緑輝蔦
「りょくきちょう」
(第3回後の追加情報)
人間を操る電磁波を発する葉を持ち、その芳香は虫や猛虫を寄せつけない除虫効果を持っています。
まるで意思を持ったように動く植物です。他の動物の肉体に寄生して長距離を移動することができます。
呼び方
一人称:なし
輝瞬草
「きしゅんそう」
(第4回後の追加情報)
鋸瞬草の進化形。錬金の力を体内に宿しています。また、黒円虹の力により、彼が持っていた記憶を輝瞬草の群生が形成している光ネットワークの内部に貯えています。
白大狼の訪れを、草原で静かに待っています。
呼び方
一人称:私
白賢龍:白王、人の王
動物
「どうぶつ」
物語上重要な、特殊な動物です。
猛虫
「もうちゅう」
(第2回後の追加情報)
かつて繁栄を誇った黒都の技術で作られた巨大な虫です。大きさは、人の胴ほどもあります。かつては機械代わりの労働力として使用されていました。知能は虫並です。
現在は緑族の密林地帯に、これらの猛虫を育て、利用する、猛虫使いと呼ばれる人たちが存在しています。
呼び方
一人称:なし
岩竜虫
「がんりゅうちゅう」
(第3回後の追加情報)
かつて繁栄を誇った黒都の技術で作られた巨大な虫です。大きさは、人の数倍ほどもあります。北から東までの防衛を行なう生物兵器です。音に反応して、侵入者を殺害します。
呼び方
一人称:なし
千足虫
「せんぞくちゅう」
(第4回後の追加情報)
かつて繁栄を誇った黒都の技術で作られた巨大な虫です。黒都周辺の砂漠地帯に住んでいます。砂の中を泳ぎ、地上の得物に食らいつきます。音で敵の位置を探します。体内には毒を有し、切ると二匹に増えます。大きさは、人より少し小さい程度です。ただし大きく成長した親虫は、岩竜虫の二倍ほどの大きさになります。
呼び方
一人称:なし
肉芽虫
「にくがちゅう」
(第4回後の追加情報)
かつて繁栄を誇った黒都の技術で作られた虫です。寄生先の動物の肉体の一部を癌化させ、再生能力を著しく高めます。黒都の往時、軍隊の末期治療用に使われていました。運がよければ肉体を再生できますが、運が悪いと醜悪な肉の塊と化してしまします。
呼び方
一人称:なし
螳螂型猛虫
「かまきりがたもうちゅう」
(第4回後の追加情報)
かつて繁栄を誇った黒都の技術で作られた巨大な虫です。黒都で最大の勢力を誇っている猛虫です。体液は酸で、人間より大きいほどの体躯を持ちます。
呼び方
一人称:なし
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