PBeM 史表(しひょう)

第1回の主催者感想

柳井政和
ver 0.01 2004.05.11

総評

 まず最初に書いておかなければならないことは、今回の「PBeM 史表」では、本筋に関係のないシーンには、基本的には文字数は割かれないということです。これは、NPCという主役の演技に、うまく沿うことができた脇役=PCが活躍できるということを意味しています。開始前に書いていたのですが、どうもきちんと伝わっていなかった感があります。そのため、本筋に関係のない行動を送っている方が多数見られました。
 こういった経緯がありましたので、今回、総評として、長文の解説文を書くことにしました。

 こういった本筋に関係のない行動を送ってくる人には、2種類のケースがありました。
 1つめのケースは、TRPGと勘違いしている人です。TRPGでは、4~6人ぐらいでプレイするのが普通です。これくらいの人数であれば、各プレイヤーの行動を詳細に取り扱うことは可能です。また、TRPGではPCが主人公です。そのため、世界のどこで、何をしても、マスターがきちんと取り扱ってくれます。
 しかし、今回の「PBeM 史表」では、PCは主人公ではありません。これは明言していることです。NPCが主であり、PCは従です。そのため、主人公であるNPCの周囲で、適切な行動をとっていない場合は、その行動に文字数が割かれることはありません。
 2つめのケースは、前回の「PBeM 猪槌城」と同じつもりで、ぬるく行動を考えていた人です。前回の「PBeM 猪槌城」は開始時11人。それに対して今回の「PBeM 史表」は21人です。2倍の競争率になっています。そのため、本筋と関係のない行動をとっていたら、確実に3行キャラになってしまいます。
 また、前回の「PBeM 猪槌城」と、今回の「PBeM 史表」では、シナリオの基本構造が違います。前回の「PBeM 猪槌城」は、箱庭型時限シナリオでした。箱庭の中で自由にPCが動いていて、ある時点で時限爆弾が爆発(イベント発生)して、局面が変化していくというものです。そのため、本筋に無関係に動いていても、現場にいれば、登場できていました。いわば、定点カメラをずっと回していたようなシナリオでした。
 それに対して、今回の「PBeM 史表」は、NPCを軸に話がどんどん進んでいくシナリオです。これは、カメラがNPCに張りついていくタイプのシナリオです。NPCがいない場所には、カメラは向けられません。なので、字数も割かれません。唯一例外なのは、世界設定などを紹介するときに、カメラを回しているときです。この場合、特定の個人(PC)にカメラが向けられることがあります。

 さて、この今回の「PBeM 史表」の構造を、分かりやすく「映画やドラマの撮影」に例えて説明してみます。
 「PBeM 史表」では、主催者は映画監督です。そして、NPCは主演や助演級の俳優たちです。それに対して、参加者は芸能プロダクションの社長です。PCは、その芸プロに所属する俳優たちです。この俳優たちを使って、映画内の脇役の座をゲットする戦いをおこなっているわけです。NPCたちの周囲で適切な演技をさせないと、単なるエキストラで終わってしまいます。NPCたちの周りで、人々を唸らせる演技をしたPCが、はじめて重要な役へと抜擢されるのです。
 これは、PCの取り上げられ方にも適用されます。PCの個人設定や生い立ちなどが、いきなり詳しく紹介されることはまずありません。また、そういったものに根ざした行動も取り上げられ難いです。まず、映画の中で顔出しをして、人気が出たらはじめてそのキャラを掘り下げるという順番になります。
 そのため、いきなり初出で自分の過去を語りだすようなPCは、まず字数が割かれません。そのキャラの過去を語る理由が、編集上どこにもないからです。まず、撮影時に適切な演技をおこなって、その後「おっ、いいね。この俳優、もっと登場機会増やそうよ、脚本変えて」となって、初めてそのキャラの過去が語られる機会がでてきます。
 活躍したキャラが、掘り下げられるのです。逆はないです。

 ポイントをまとめると、「カメラはNPCに張りついている」「カメラのフレーム外で演技をしても、フィルムには映らない」「適切な演技をしたPCが、メインキャストに組みこまれていく」ということです。
 また、NPCは一人では演技できません。例えば、会話をするには、会話の相手が必要になります。それぞれのシーンで、NPCの相手として適切に位置取りできた人が、基本的に活躍できます。あくまで、PCは従で、主はNPCです。

 最後に、登場機会が減る行動、設定をまとめておきます。「本筋と関係ない場所にいる」「本筋と関係ない行動をとる」「まだ主役でないのに、主役であると勘違いする」「いきなり自分語りをする」「何も演技(行動)をしない」「積極的に動かない(喋らない)」「たくさん他の人がいる場所に、同じように出ようとする(バッティング)」「他人と同じことをする」「物語を壊す」「プレイヤー間のバランスを著しく崩す」こんな所でしょうか。
 うまく登場ポイントを見つけて、適切にキャラを配置して、行動させていってください。



 あと、書いておいた方がよいと思うので、以下のことも書いておきます。
 今回も労力が膨大にかかるPBeMを無償でおこなっているのは、2つの目的があります(金を払うからやってくれという話も以前ありましたが、やっぱり無償にしました)。
 まず1つめの目的は、文章の練習をするためです。前回の「PBeM 猪槌城」の目的も同じでした。私は文章力を上げたいです。そして、文章を書かずに文章力が上がるとも思っていません。そのため、大量の文章を書くことを自分に課して、短期間で集中的に文章を書くようにしています。「PBeM 猪槌城」以降、その目的は一貫しています。毎回いくつかのテーマを決めて、文章の能力を磨くという明確な目的のために、文章を書いています。そのため、文章の方向性から表記方法まで、毎回違うものを選択しています。
 2つめの目的は、史表を中心とした世界設定を蓄積して、今後自分で版権を利用可能な世界を1つ構築することです。世界設定というのは、頭の中でただ考えているだけでは細部まで構築できません。できる人も世の中にはいますが、私はそういった種類の人間ではありません。そのため、一度小人数の目に触れるところで叩き台をだし、矛盾点を洗いだし、読んだ人を納得させるにはどこを詳細に書かなければならないのかを検査し、さらに読んだ人がどういう風に感じるのかを確かめて、世界設定の原材料を作る必要があります。今回のPBeMは、その原材料を作る作業に他なりません。1年という企画期間で、世界設定を作るという作業なわけです。
 今回も、前回同様に無償でPBMを主催することを選択したのは、上記の2つの目的以外にもう1つ理由があります。それは、お金を取ると鬼になれないからです。お金を取ると、3行キャラはやりにくいので。
 ただし、無償でやるからといって、安い仕事をする気はないです。ちゃんとついてきてくれた人には、なんぼお金を積んでもよかったと思えるだけの楽しみを提供するつもりです。その代わり、私につきあってもらいます。


マスターの勝手なピックアップ

● オープニングPC、クロージングPC

 今回のオープニングPCは、オラト氏の青明雀でした。
 今回のクロージングPCは、微葉氏の赤高象でした。

● ベストアイデア賞

 微葉氏の赤高象です。狙いすました設定と初期配置で、今回一番おいしい役を取りました。キャラクター・シートが来た瞬間に、これは勝ちだと思いました。ベストに相応しいキャラです。

● ズルイで賞

 ムイラス氏の白楽猫です。あれよあれよという間に、主要NPCの白麗蝶の相方の座をゲットしました。

● 設定賞

 ゆいあ氏の白厳梟。好きな設定だったのですが、いかんせん周りにPCが多過ぎて登場機会が圧迫されてしまいました。
 もじもじ壱號氏の青遠鴎。膨大な舟大家関連の設定が背後についています。キャラクターの設定じゃなくて、組織の設定というのがアレゲなのですが。

● もったいないで賞

 あおきのだんな氏の赤烈馬です。赤族の族長を中心とした会議に毎回出席しているのに、無口なためにまったく発言がなし。赤族の赤栄虎の威力偵察にも同行していたのですが、無口なためにまったく発言がなし。登場回数的には凄く多く、カメラのフレームにもずっと入っていたのですが、いかんせん台詞がありませんでした。次回は何か饒舌に喋ってください。相当もったいなかったです。

● おまけ

 今回は、「優先順位1、準備X」がかなり多かったです。初回は、ガチンコで殺し合いとか、競争とかは起こらないので、基本的に優先順位を高くしていた方が有利でした。慣れている人は、総じて優先順位を高くしていました。


各キャラへのコメント

(敬称略)


登場回数集計

 「PBeM 猪槌城」の頃から恒例の、登場回数の集計です。
 今回は、NPCでは白王と青美鶴が拮抗していますね。データの上からも青美鶴の回という感じです。


■ NPC

●白賢龍
  ----+----*----+----*----(24)
●白王
  ----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*
  ----+----*----+----*----+----*----+----*----+(115)
●白麗蝶
  ----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*
  ---(73)
●麗蝶
  ----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*
  ----+----*---(83)
●白大狼
  ----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*----(54)
●大狼
  ----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*(60)
●青聡竜
  ----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*
  ----+----*----+-(86)
●司表
  ----+----*----+(15)
●青美鶴
  ----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*
  ----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*----(124)
●美鶴
  ----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*
  ----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*----+--(127)
●青捷狸
  ----+-(6)
●赤栄虎
  ----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*
  ----+----*----+----*----+-(96)
●赤堅虎
  ----+----*-(11)
●赤朗羊
  ----+----(9)
●黒壮猿
  ----+----*----+----*----+---(28)
●白緩狢
  ----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*----+--(57)
●青新蛇
  ----+----*--(12)
●緑輝蝗
  -(1)
●輝蝗
  ----(4)
●緑輝蛍
  --(2)
●輝蛍
  ----+-(6)


■ PC

●赤凌狛
  ----+--(7)
●青巧燕
  ----+----(9)
●白秀貂
  -(1)
●緑硬亀
  ----+----*----+--(17)
●黒醇蠍
  ----+----*(10)
●黒華蝦
  -(1)
●赤烈馬
  --(2)
●白太犬
  ----(4)
●赤鋭鷹
  (0)
●白厳梟
  ----+--(7)
●黒逞蛙
  ----+----*----+-(16)
●黄慎牛
  -(1)
●青凛鮫
  ----(4)
●白弱鴇
  ----+----*(10)
●白恐蝮
  ----+----*----+--(17)
●青勇隼
  ----+----*----+----*----+----(29)
●青騒蜂
  ----+----*----+----*----+(25)
●白晴熊
  ----(4)
●白恐鴉
  (0)
●白軽兎
  -(1)
●青明雀
  ----+----*----+--(17)
●赤善猪
  ----(4)
●赤空鳶
  ---(3)
●黒艶狐
  ----(4)
●黄清蟻
  ----+----*----+----*----(24)
●赤荒鶏
  --(2)
●白頼豹
  ----+---(8)
●青遠鴎
  ----+----*----+--(17)
●白楽猫
  ----+----*----+----*----(24)
●白涼鴻
  ---(3)
●白淋鶯
  (0)
●白柔猩
  --(2)
●赤速鷹
  -(1)
●青旨鯨
  ----+----*----+----*(20)
●白好鳩
  ----+----*----+----*(20)
●白激犀
  --(2)
●白早駝
  ---(3)
●黒暗獅
  ----(4)
●赤高象
  ----+----*----+----*(20)
●青静鯖
  --(2)
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