PBeM 史表(しひょう)
第1回の主催者感想
総評
まず最初に書いておかなければならないことは、今回の「PBeM 史表」では、本筋に関係のないシーンには、基本的には文字数は割かれないということです。これは、NPCという主役の演技に、うまく沿うことができた脇役=PCが活躍できるということを意味しています。開始前に書いていたのですが、どうもきちんと伝わっていなかった感があります。そのため、本筋に関係のない行動を送っている方が多数見られました。
こういった経緯がありましたので、今回、総評として、長文の解説文を書くことにしました。
こういった本筋に関係のない行動を送ってくる人には、2種類のケースがありました。
1つめのケースは、TRPGと勘違いしている人です。TRPGでは、4~6人ぐらいでプレイするのが普通です。これくらいの人数であれば、各プレイヤーの行動を詳細に取り扱うことは可能です。また、TRPGではPCが主人公です。そのため、世界のどこで、何をしても、マスターがきちんと取り扱ってくれます。
しかし、今回の「PBeM 史表」では、PCは主人公ではありません。これは明言していることです。NPCが主であり、PCは従です。そのため、主人公であるNPCの周囲で、適切な行動をとっていない場合は、その行動に文字数が割かれることはありません。
2つめのケースは、前回の「PBeM 猪槌城」と同じつもりで、ぬるく行動を考えていた人です。前回の「PBeM 猪槌城」は開始時11人。それに対して今回の「PBeM 史表」は21人です。2倍の競争率になっています。そのため、本筋と関係のない行動をとっていたら、確実に3行キャラになってしまいます。
また、前回の「PBeM 猪槌城」と、今回の「PBeM 史表」では、シナリオの基本構造が違います。前回の「PBeM 猪槌城」は、箱庭型時限シナリオでした。箱庭の中で自由にPCが動いていて、ある時点で時限爆弾が爆発(イベント発生)して、局面が変化していくというものです。そのため、本筋に無関係に動いていても、現場にいれば、登場できていました。いわば、定点カメラをずっと回していたようなシナリオでした。
それに対して、今回の「PBeM 史表」は、NPCを軸に話がどんどん進んでいくシナリオです。これは、カメラがNPCに張りついていくタイプのシナリオです。NPCがいない場所には、カメラは向けられません。なので、字数も割かれません。唯一例外なのは、世界設定などを紹介するときに、カメラを回しているときです。この場合、特定の個人(PC)にカメラが向けられることがあります。
さて、この今回の「PBeM 史表」の構造を、分かりやすく「映画やドラマの撮影」に例えて説明してみます。
「PBeM 史表」では、主催者は映画監督です。そして、NPCは主演や助演級の俳優たちです。それに対して、参加者は芸能プロダクションの社長です。PCは、その芸プロに所属する俳優たちです。この俳優たちを使って、映画内の脇役の座をゲットする戦いをおこなっているわけです。NPCたちの周囲で適切な演技をさせないと、単なるエキストラで終わってしまいます。NPCたちの周りで、人々を唸らせる演技をしたPCが、はじめて重要な役へと抜擢されるのです。
これは、PCの取り上げられ方にも適用されます。PCの個人設定や生い立ちなどが、いきなり詳しく紹介されることはまずありません。また、そういったものに根ざした行動も取り上げられ難いです。まず、映画の中で顔出しをして、人気が出たらはじめてそのキャラを掘り下げるという順番になります。
そのため、いきなり初出で自分の過去を語りだすようなPCは、まず字数が割かれません。そのキャラの過去を語る理由が、編集上どこにもないからです。まず、撮影時に適切な演技をおこなって、その後「おっ、いいね。この俳優、もっと登場機会増やそうよ、脚本変えて」となって、初めてそのキャラの過去が語られる機会がでてきます。
活躍したキャラが、掘り下げられるのです。逆はないです。
ポイントをまとめると、「カメラはNPCに張りついている」「カメラのフレーム外で演技をしても、フィルムには映らない」「適切な演技をしたPCが、メインキャストに組みこまれていく」ということです。
また、NPCは一人では演技できません。例えば、会話をするには、会話の相手が必要になります。それぞれのシーンで、NPCの相手として適切に位置取りできた人が、基本的に活躍できます。あくまで、PCは従で、主はNPCです。
最後に、登場機会が減る行動、設定をまとめておきます。「本筋と関係ない場所にいる」「本筋と関係ない行動をとる」「まだ主役でないのに、主役であると勘違いする」「いきなり自分語りをする」「何も演技(行動)をしない」「積極的に動かない(喋らない)」「たくさん他の人がいる場所に、同じように出ようとする(バッティング)」「他人と同じことをする」「物語を壊す」「プレイヤー間のバランスを著しく崩す」こんな所でしょうか。
うまく登場ポイントを見つけて、適切にキャラを配置して、行動させていってください。
あと、書いておいた方がよいと思うので、以下のことも書いておきます。
今回も労力が膨大にかかるPBeMを無償でおこなっているのは、2つの目的があります(金を払うからやってくれという話も以前ありましたが、やっぱり無償にしました)。
まず1つめの目的は、文章の練習をするためです。前回の「PBeM 猪槌城」の目的も同じでした。私は文章力を上げたいです。そして、文章を書かずに文章力が上がるとも思っていません。そのため、大量の文章を書くことを自分に課して、短期間で集中的に文章を書くようにしています。「PBeM 猪槌城」以降、その目的は一貫しています。毎回いくつかのテーマを決めて、文章の能力を磨くという明確な目的のために、文章を書いています。そのため、文章の方向性から表記方法まで、毎回違うものを選択しています。
2つめの目的は、史表を中心とした世界設定を蓄積して、今後自分で版権を利用可能な世界を1つ構築することです。世界設定というのは、頭の中でただ考えているだけでは細部まで構築できません。できる人も世の中にはいますが、私はそういった種類の人間ではありません。そのため、一度小人数の目に触れるところで叩き台をだし、矛盾点を洗いだし、読んだ人を納得させるにはどこを詳細に書かなければならないのかを検査し、さらに読んだ人がどういう風に感じるのかを確かめて、世界設定の原材料を作る必要があります。今回のPBeMは、その原材料を作る作業に他なりません。1年という企画期間で、世界設定を作るという作業なわけです。
今回も、前回同様に無償でPBMを主催することを選択したのは、上記の2つの目的以外にもう1つ理由があります。それは、お金を取ると鬼になれないからです。お金を取ると、3行キャラはやりにくいので。
ただし、無償でやるからといって、安い仕事をする気はないです。ちゃんとついてきてくれた人には、なんぼお金を積んでもよかったと思えるだけの楽しみを提供するつもりです。その代わり、私につきあってもらいます。
マスターの勝手なピックアップ
● オープニングPC、クロージングPC
今回のオープニングPCは、オラト氏の青明雀でした。
今回のクロージングPCは、微葉氏の赤高象でした。
● ベストアイデア賞
微葉氏の赤高象です。狙いすました設定と初期配置で、今回一番おいしい役を取りました。キャラクター・シートが来た瞬間に、これは勝ちだと思いました。ベストに相応しいキャラです。
● ズルイで賞
ムイラス氏の白楽猫です。あれよあれよという間に、主要NPCの白麗蝶の相方の座をゲットしました。
● 設定賞
ゆいあ氏の白厳梟。好きな設定だったのですが、いかんせん周りにPCが多過ぎて登場機会が圧迫されてしまいました。
もじもじ壱號氏の青遠鴎。膨大な舟大家関連の設定が背後についています。キャラクターの設定じゃなくて、組織の設定というのがアレゲなのですが。
● もったいないで賞
あおきのだんな氏の赤烈馬です。赤族の族長を中心とした会議に毎回出席しているのに、無口なためにまったく発言がなし。赤族の赤栄虎の威力偵察にも同行していたのですが、無口なためにまったく発言がなし。登場回数的には凄く多く、カメラのフレームにもずっと入っていたのですが、いかんせん台詞がありませんでした。次回は何か饒舌に喋ってください。相当もったいなかったです。
● おまけ
今回は、「優先順位1、準備X」がかなり多かったです。初回は、ガチンコで殺し合いとか、競争とかは起こらないので、基本的に優先順位を高くしていた方が有利でした。慣れている人は、総じて優先順位を高くしていました。
各キャラへのコメント
(敬称略)
- Junk
- c1赤凌狛
今回は登場機会を確保できました。しかし「女性の軍人は思いっきり不利」と、マスターは事前情報を出しています。今後はかなり厳しいでしょう。
- c2青巧燕
書いてある行動の通り行動していたら、自滅しました。
- あめふらし
- c1白秀貂
海風神社社殿を借りる交渉をしようとしたのですが、他人と行動がバッティングして、優先順位で負けました。手紙を届ける程度の行動だったので、完全に早い者勝ちになってしまいました。
- どくたあJ
- c1緑硬亀
青美鶴の周りのガードが固かったので、まともには会えなかったです。なので、強引に会う羽目に。とはいえ、出ている期間が長いキャラだったので、今後活躍しやすくなっています。詳しくは、登場回数集計を見てください。
- c2黒醇蠍
砲兵隊長がいなかった(というか、砲がない)ので、結果的により上位の軍団長に絡むことになりました。開喉丘に軍団長がいるのは、事前情報にあったのに、まともにいたのが黒醇蠍だけだったので大きく絡むことになりました。
- c3黒華蝦
本筋と無関係な行動なので、欄外キャラ扱いだったのですが、第1回では欄外キャラを出したくないと思っていたので、酒場のシーンにまとめられました。
- あおきのだんな
- c1赤烈馬
一言で言うと「もったいない」です。赤族のシーンのほぼ全てに出ているのに、台詞がありませんでした。無口なので……。
- あちね。
- c1白太犬
本筋の外で行動をしていました。また、活躍する前から、自分語りの状態になっていました。まずは活躍をしてもらえればと思います。
- ゆいあ
- c1赤鋭鷹
名前も能力もかぶったので、今回は没になってしまいました。さすがに、2つもかぶってしまうとどうしようもないです。名前と能力を変えて、赤族でリトライしてください。
- c2白厳梟
私個人としてはお気に入りだったのですが、文字数を割くことができませんでした。頭より腕の人なので、次回あたりで活躍しそうですが。
- てへろく
- c1黒逞蛙
海都で周りに人がいなかったのがラッキーでした。醜い容姿がいかんなく発揮されて黒壮猿に使われています。
- c2黄慎牛
さすがにカメラのフレーム外で動いていたので、今回はちょこっとしか出てきませんでした。
- c3青凛鮫
司表配下で大陸周回航路参加は、誰か一人はいるキャラだったので即採用。いい位置に登場しています。
- ミリアム=ラートリー
- c1白弱鴇
存在感がちょっと薄いので、白恐蝮の手下的扱いです。
- c2白恐蝮
白大国の軍人PCは、基本的に物語中で成長していくキャラなので、順調に成長しました。
- c3青勇隼
冒険編で活躍しそうな、いい位置につけています。現在唯一、全女性NPCに出会う経路を通っています。
- c4青騒蜂
今回は「仕事をもらいに行く」という行動が効いていました。このおかげで、おいしく超肉体を見せる見せ場がありました。
- c5白晴熊
登場シーンは少ないですが、実は重要な情報を多量に持っているPCになっているので、今後の動き次第で大化けするでしょう。
- Dark
- c1白恐鴉
地味なシーンでの行動だったので、あっという間に通り過ぎてしまいました。
- オラト
- c1白軽兎
白麗蝶が通ればいいなという待ちの行動でしたが、彼女は疾風のように過ぎ去ってしまいました。
- c2青明雀
おいしいキャラです。海都庶民代表です。関東勢に話を聞くと、やたら人気がありました。明るくていい娘です。
- 酒
- c1赤善猪
カメラのフレーム内だったのですが、いる理由と、行動の理由が残念ながら希薄でした。
- c2赤空鳶
同上。
- おにきす
- c1黒艶狐
根無し草的存在になりつつあるので、次回相当厳しいかもしれません。
- 猪鹿蝶太郎
- c1黄清蟻
非常に正しい位置にいました。おかげで、白王に直接謁見できました。今後も活躍できそうです。
- c2赤荒鶏
意外にいない、赤族できちんと戦闘をしてくれるキャラです。今後もずっと活躍しそうな勢いです。
- 熊二朗
- c1白頼豹
今回は移動が中心でしたが、次回からは戦場カメラマンみたいに活躍できそうです。白頼豹自体にカメラが1台張りつきそうな感じです。
- もじもじ壱號
- c1青遠鴎
語り役、もしくは博士君的役回りとして、大陸周回航路の随所で喋っていそうなキャラです。
- ムイラス
- c1白楽猫
おいしいですね。今回は、白麗蝶の周りにきたPCが全員自爆もしくは空振りしたおかげで、ナチュラルな行動を取っていた白楽猫だけが白麗蝶をゲットできました。
- かずきち
- c1白涼鴻
本筋の外で行動をしていました。また、活躍する前から、自分語りの状態になっていました。まずは活躍をしてもらえればと思います。
- c2白淋鶯
青明雀と超感覚がかぶっていました。青明雀の方が、配役的に重要だったので、青明雀が採用されました。
- オビケン
- c1白柔猩
仮司表殿の借り受けの交渉という行動ですが、白秀貂に優先順位で勝ちました。惜しむらくは、その行動自体がそれほど字数が割かれる行動ではなかったことです。
- c2赤速鷹
完全にカメラのフレーム外で動いていました。
- ねめしす
- c1青旨鯨
五大家の紹介で出ずっぱりでした。顔見せはできたので、次回の行動次第では活躍できる可能性が充分あります。
- c2白好鳩
捕まってしまいました。大技不発という感じです。かなりの大勝負だったのですが。
- c3白激犀
周りのライバルが多過ぎた感じです。でもまあ、仕事を直接もらって、実行はできました。司表周りでは、動くタイミングが違っていたので、行動が成功しました。
- G★G
- c1白早駝
司表配下その?と化していました。ライバル多くて大変そうです。能力を効果的に活かす場を考えるとよいと思います。
- c2黒暗獅
カメラのフレーム内で動くと、もっと活躍できると思います。
- 微葉
- c1青静鯖
今回は顔見せ程度でした。
- c2赤高象
今回一番おいしい役でした。いきなり重要な役に抜擢されました。
登場回数集計
「PBeM 猪槌城」の頃から恒例の、登場回数の集計です。
今回は、NPCでは白王と青美鶴が拮抗していますね。データの上からも青美鶴の回という感じです。
■ NPC
●白賢龍
----+----*----+----*----(24)
●白王
----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*
----+----*----+----*----+----*----+----*----+(115)
●白麗蝶
----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*
---(73)
●麗蝶
----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*
----+----*---(83)
●白大狼
----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*----(54)
●大狼
----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*(60)
●青聡竜
----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*
----+----*----+-(86)
●司表
----+----*----+(15)
●青美鶴
----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*
----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*----(124)
●美鶴
----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*
----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*----+--(127)
●青捷狸
----+-(6)
●赤栄虎
----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*
----+----*----+----*----+-(96)
●赤堅虎
----+----*-(11)
●赤朗羊
----+----(9)
●黒壮猿
----+----*----+----*----+---(28)
●白緩狢
----+----*----+----*----+----*----+----*----+----*----+--(57)
●青新蛇
----+----*--(12)
●緑輝蝗
-(1)
●輝蝗
----(4)
●緑輝蛍
--(2)
●輝蛍
----+-(6)
■ PC
●赤凌狛
----+--(7)
●青巧燕
----+----(9)
●白秀貂
-(1)
●緑硬亀
----+----*----+--(17)
●黒醇蠍
----+----*(10)
●黒華蝦
-(1)
●赤烈馬
--(2)
●白太犬
----(4)
●赤鋭鷹
(0)
●白厳梟
----+--(7)
●黒逞蛙
----+----*----+-(16)
●黄慎牛
-(1)
●青凛鮫
----(4)
●白弱鴇
----+----*(10)
●白恐蝮
----+----*----+--(17)
●青勇隼
----+----*----+----*----+----(29)
●青騒蜂
----+----*----+----*----+(25)
●白晴熊
----(4)
●白恐鴉
(0)
●白軽兎
-(1)
●青明雀
----+----*----+--(17)
●赤善猪
----(4)
●赤空鳶
---(3)
●黒艶狐
----(4)
●黄清蟻
----+----*----+----*----(24)
●赤荒鶏
--(2)
●白頼豹
----+---(8)
●青遠鴎
----+----*----+--(17)
●白楽猫
----+----*----+----*----(24)
●白涼鴻
---(3)
●白淋鶯
(0)
●白柔猩
--(2)
●赤速鷹
-(1)
●青旨鯨
----+----*----+----*(20)
●白好鳩
----+----*----+----*(20)
●白激犀
--(2)
●白早駝
---(3)
●黒暗獅
----(4)
●赤高象
----+----*----+----*(20)
●青静鯖
--(2)