[ ボードゲーマーとしての成長のために ]

~ 会話という視点から ~

●3-1 話の面白さについて理解する
 自分が面白いと思ってしゃべっていることは、他人にとっては面白くない。こ れは、たいていの人に関して当てはまります。

 このことは至極当然です。たいていの人は噺家ではなく、お金を取れるほどの話しができないからです。

 普通の人がおこなう話が面白くない理由は4つあります。

 1つ目は、話を練っていないからです。

 話が面白い条件は、話の中身が面白いだけではありません。その情報を面白く提供するための練り込みが必要です。練り込みをおこなっていない荒削りの情報は、他人を満足させられない情報です。

 しゃべっている本人は楽しくても、他人にとっては何を言わんとしているか理解できない、非常に不快な情報になりかねません。このことは、よく覚えておかなければなりません。

 2つ目は、人生の経験の浅さです。

 本人にとって特別な経験や情報だと思っていることは、他人からとっては何でもない当たり前の情報だったりします。ひどい場合は、非常に低いレベルの経験や情報を自慢していることもあります。

 何か他人に対して話をおこなう場合、その話が特別なことがどうかをきちんと判断しなければなりません。何でもない情報を、さも自慢気に話すことが多ければ、場はしらけ会話の参加者の満足度は著しく低下します。

 気をつけないといけないことは、自分が凄いと思っている情報の99%は当たり前の情報だということです。

 3つ目は、他人の情報を語ることです。

 聞き手にとって真に興味のあることは、聞き手が知り得なく、かつ知ってみたいと思う、語り手本人の経験からくる貴重な情報です。

 知り合い自慢はその貴重な情報から最も遠い所にある情報です。知り合いの有名人話は、語っている本人は楽しくても、聞かされる周りの人間にとっては退屈なことがほとんどです。

 特に、話し手にとってだけの有名人である場合は最悪です。まったく知らない人との関係を自慢されても、聞き手はストレスがたまるだけです。

 4つ目は、他人が興味のない話をすることです。

 会話をする場合は、その場の過半数以上が興味のある情報を話さなければなりません。多くの人がいる場合に、その中の1人に対しておこなうような会話は控えなければなりません。そのような内容の会話は、その人だけがいる場所で話せばよいのです。

 以上が、普通の人がおこなう話が面白くない4つの理由です。

 私が大学に入った当初、同じ問題で寮の先輩に何度も怒られ、厳しく指導されました。その時の指導内容は、「ネタがなければしゃべるな」という内容でした。

 その場の全員を満足させられる内容の会話を練り込むまで、口を開いてはならないという訓練です。思いつきで話をして、その場の全員を満足させられないような無責任な会話をおこなうなという指導でした。

 この指摘をしてもらえたのは、後の人生で非常に役立つこととなりました。

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