[ ポイント式 サイバーパンク 早わかり]
[ 前書き ]

[前書きの前書き]  [ホントのまえがき ]  [「サイバーパンク」の「いろは」]

●前書きの前書き
 本原稿は、私が学生時代に書いて陽の目を見なかった原稿に加筆修正をしたものである。

 元々この原稿を作成した理由は、「熊本大学たのしいR.P.G.研究会」の会員数人で「サイバーパンク2020」を遊んでいたことによる。

 この「サイバーパンク」組有志でいつの頃か原稿執筆の話題が盛り上がった。

 「サイバーパンク」を世に普及させるために「サイバーパンク本」を作ろうと、当時の面々で熱く語りあったのを覚えている。

 各々「サイバーパンク普及」という崇高な目的で原稿の執筆を開始した。


 当時世の中で「サイバーパンク」と言っても通じない人が多く、仮に興味を持った人を見つけT.R.P.G.に参加させても、「サイバーパンクのお約束事」を知らないため、その世界を存分に味わってもらえないという憤りがあった。

 興味を持っている人でさえそうであるのだから、これから新たに「サイバーパンク」の世界に人を引きずり込むのは至難の技であった。

 各自が原稿を執筆した心中には、そういった「サイバーパンク」の初心者にも、「サイバーパンク」の世界の魅力を知ってもらい、すんなりとその遊びの輪の中に加わってもらいたいという切なる希望があった。

 各自、得意分野を選び原稿の執筆を開始した。そのメンバーの中でも若輩者だった著者は、「軍事」や「兵器」には暗かったため、「サイバーパンクの世界観」、「サイバーパンクの住人の思考法」を説く原稿を書くことにした。そして、これらの事柄を分かりやすく説く術はないかと思い、あれこれ頭をひねった。

 突破口は著者の部屋にあったドイツ語の参考書であった。この「ドイツ語本」を見ながら本原稿を書くことを思いついた。

 もちろんその「ドイツ語本」は、ドイツ語の参考書の中で私が唯一「分かりやすい」と思った良書であった。その本の特徴は見開き構成による例文と、その詳細な解説、そしてコラムにあった。

 私はこの形式で「サイバーパンク」の参考書を書くことを決めた。

 次に考えたのはその例文を何から引用するかである。例文はできるだけ一般性があり、例文そのものの質が高いことが望ましい。

 私はその例文として映画「ロボコップ」を選んだ。当時「3」まで出ていた「ロボコップ」だが、その「質」と「サイバーパンクとしての資料性」としては「1」が最も望ましかった。

 私はビデオを前に、ワープロを膝に抱え、ロボコップの全字幕を、何度も巻き戻しをしながらワープロに打ち込んでいった。


 あれから5年の歳月が経っている。「サイバーパンク本」は結局うやむやのうちにまだ出版されていない。このままこの原稿を眠らせておくのはもったいないので、加筆修正して本書の原稿として書きなおした。

 ワープロからパソコンに乗り換え、既にその当時の「ロボコップ」全字幕原稿もドサクサにまぎれて失われ、どうにかこの原稿の断片だけを復元することができた。

 本原稿を、これから「サイバーパンク」を遊ぼうと思う全読者に捧げる。

加筆修正:2000.08.02 柳井政和
Web版:2002.03.27 柳井政和
●ホントのまえがき
 本書は、「例文」「ポイント」「解釈」「まとめ」の4つの部分からなっています。

 「サイバーパンク」の学習にとって重要なことは、アメリカ退廃主義社会の立場に立って、その状況の認識をしっかりおこなうことです。あまり例外的な現象に気をとらわれすぎると、「サイバーパンク」が複雑な難しいものとなってしまいます。この点をしっかりおさえておけば、「サイバーパンク」を「早い人で1カ月、のんびりやっても3カ月」でマスターすることは不可能ではないのです。

 「サイバーパンク」は決して遠くかなたにある、しちめんどうくさい嫌な世界ではありません。みなさんがパンクな気持ちでゆったりと付き合おうとするならば、かならず信頼のおける良き友人になるはずです。本書を通して、一人でも多くの人が「サイバーパンク」に親しみを感じるようになることを願ってやみません。

 なお、本原稿の製作にあたって、「ROBO COP(R・C・A・コロンビア・ピクチャーズ・ビデオ・株式会社)」「メモ式ドイツ語 早わかり(在間進著・三修社)」を参考にしました。

初校:1995年春 柳井政和
●「サイバーパンク」の「いろは」
 この講義を聞いている人は、きっと「サイバーパンク」について「難しい」とか「面倒だ」と思っている方々でしょう。

 「できるなら簡単に理解したい」とか、「遊べさえすればいい」と思っていることでしょう。この講義では、そんな人のために、「ハートでわかりあえるサイバーパンク」を考えて行きたいと思います。「用語」を知るより「認識」を知る。心と心の対話がこの講義の最大のテーマです。

 わからない「用語」は聞けばいい。わからない「設定」は「なんやそれ?」とマスターに言えばいい。ロールプレイをするのに重要なのは、キャラクターたちが何を考えているか理解してあげることです。

 だから、彼らの考え方を学んで行こう。心を文学の授業のように読み取っていこう。では次のページより「講義1」が始まります。

 講義中の例文は、映画「ロボコップ」中のセリフを抜き出したものです。映画「ロボコップ」を見た後にこの講義を読むとより深く理解できます。

● 登場人物 :
    クラレンス(大悪人)
    マーフィー(死亡した警察官)
    ロボコップ(実はマーフィーのサイボーグ化)
    社長(オムニ社社長)
    ジョーンズ(オムニ社のナンバー2)

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