●紙と鉛筆だけでできる 対戦型思考ゲーム「スプラウト」 |
世の中には、様々なゲームが存在する。今回は、紙と鉛筆だけでできる 対戦型思考ゲーム「スプラウト」を紹介しようと思う。 「スプラウト」(Sprouts)は、「萌え、芽生え」という意味を持つ数学ゲームだ。そのシンプルなルールに、私は初めて出会った時に、ちょっとばかり萌えを感じてしまった。K.G.B.でも実際に遊んでみたが好評だった。 喫茶店でも、ナプキンとボールペンで遊べてしまう、このゲームのルールを紹介しよう。 用意するもの
セッティング紙にいくつかの点を書き込みます。4~6程度の点を書き込むのがよいでしょう。点の数が多いほど、ゲームは複雑になります。3は少な過ぎましたので、4以上の点にすることをお勧めします。 先手、後手を決めます。ジャンケンなどで決めるのがよいでしょう。 ルール手番は、1回ずつ順に入れ替わります。 自分の手番になったプレイヤーは、紙に描かれている点の中から1つの点を選び、他の点か、それ自身に戻ってくるような線を描きます。線を引いたら、その線上にもう1つの点をつけ加えます。 この時、以下の2つのルールを守らなければなりません。
こうして線を引いていき、先に線が引けなくなったプレイヤーが負けになります。 ルールは以上です。下の図は、実際のプレイの様子です。
アドバイス数学ゲームですので、理想的に平坦な二次元平面上で遊ぶゲームと思った方がよいでしょう。 線を紙の縁ギリギリに引くなどして、相手が物理的に線を引けないようにするのは、このゲームの趣旨から外れます。行わないことをお勧めします。 線が次々に付け加わっていく様が、まるで芽生えのように見えるので、「Sprouts(=萌え、芽生え)」という名前で呼ばれるようになったそうです。 このゲームは、1967年2月11日火曜日の午後に、ケンブリッジにあるシドニー・サセックス・カレッジの数学者ジョン・コンウェイ教授と当時学生だったマイケル・パターソン氏の合作で生まれました。 たまたまその日、2人が数学科の集会室でお茶を飲んだあと、新しいゲームのいたずら書きをしているときに、何となく生まれたそうです。数学者らしく、コンウェイ教授はすぐさまこの解法を分析し、ルールをいろいろ変えてみてこのルールに落ちついたそうです。 出典:遊びの博物誌(著者:坂根巌夫 発行所:朝日新聞社 発行年月日:1977年7月30日) |