めもりーくりーなー ver 3.010 メールの書き方
最終更新:2002年05月29日
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ユーザーサポートとは
オンライン上でソフトをリリースして以来、毎日のようにソフトの「ユーザーサポート」をおこなっています。
2001年7月4日現在、多い日で日に10件ほど、少ない日でも2~3件の「ユーザーサポート」をおこなっています。
これらの「ユーザーサポート」で一番苦労している点は、「メールの書き方を知らない方が多い」ということです。
内容無記入、情報不足のメールの割合が非常に多く、私が当たり前だと思っていたメールの書き方の「常識」が「常識ではない」ということを痛感しています。
そもそも「ユーザーサポート」とは何なのでしょうか?
世の中に「ユーザーサポート」があるのには理由があります。
「ユーザーサポート」には、
・「受ける側」にとっては現状の不満の改善、問題の解決
・「おこなう側」にとっては、よりよい商品の提供、現商品の改良
という目的があります。
この目的が存在するからこそ、「ユーザーサポート」という行為がこの世の中に存在するのです。
では、この目的を達成するためには何が必要なのでしょうか?
それは「ユーザーサポート」の「受け手」、「おこない手」による円滑な「情報交換」です。
それでは、この「情報交換」という視点から「ユーザーサポート」でおこなわなければならないことを見ていきましょう。
「ユーザーサポート」において、「受け手」がおこなわなければならないのは、
・発生した問題の的確な伝達
・相手にとって理解できる形での新しいアイデアの提案
などです。
それに対して、「おこない手」がおこなわなければならないのは、
・的確なアドバイス
・受け手が抱えている不満の深い所での掘り起こし
などです。
お互いの利害が一致し、円滑な「情報交換」がおこなわれたときに、はじめて「ユーザーサポート」はうまく働きます。
以上、「ユーザーサポート」を「情報交換」の視点から見てきました。
それでは、「円滑な情報交換」だけあればよいのでしょうか?
違います。
「ユーザーサポート」の「受け手」、「おこない手」は人間です。よりよい「ユーザーサポート」を築くには、お互いの「信頼」が必要不可欠です。
人間の「コミュニケーション」は多くの場合、感情に支配されます。「ユーザーサポート」も例外ではありません。
特に電子メールでおこなわれる「コミュニケーション」は、お互いに相手の顔が見えないために「コミュニケーション」の「エラー」が多いものです。
こういった環境の中で、「ユーザーサポート」を円滑におこなうためには、お互いの協力が不可欠になります。
そのためには「信頼関係」が必要になります。
それでは、「信頼関係」を築くためにはどうすればよいのでしょうか?
それは、「きちんとしたメール」を書くことです。
なぜなら、メールを通してのコミュニケーションは、メールからしか情報が伝わらないからです。
いわば、メールがあなたの「顔」や「姿」になるのです。
パジャマ姿で会社に行ったり、学校に行く人はいないと思います。
知らない相手との取り引きに、パンツ1枚で行く人もいないと思います。
「きちんとしたメール」は、最低限の服装のようなものです。
自分の書いているメールが、よそ行きのメールになっているか、パジャマ姿なのかをもう一度振りかえってみてください。
それでは以下、メールの書き方についてまとめていきます。
メールとは
メールとは「コミュニケーション」の手段です。
他人に対してメールを送るということは、その相手に対して「コミュニケーション」を働きかけるということです。
それでは「コミュニケーション」とは何でしょうか?
それは、「情報を共有し、その上でさらなる情報の交換をおこなうこと」です。
ちょっと分かりにくいかもしれません。
以下、具体的な話をしましょう。
「コミュニケーション」をおこなうには、ある一定の情報が共有されていなければなりません。
例えば、違う言語をしゃべる人と「コミュニケーション」をおこなうことは困難です。
全く違う分野で仕事をしている人に、自分の仕事の説明をおこなうことも簡単ではありません。
それはなぜでしょうか?
それは、当然共有しているであろう情報を、お互いが共有していないからです。
「コミュニケーション」が円滑に行くかどうかは、お互いが共有している情報の量によります。
極端な話、長年連れ添った夫婦には言葉がいらないといいます。
それは長年連れ添うことにより、共有している情報の量が非常に多くなっているからです。
「それ」
というだけで全てが通じてしまうのもこのためです。
では、「ユーザーサポート」ではどうでしょう?
よく「ユーザーサポート」のメールに、こういった内容のものがあります。
件名:分かりません
本文:どうすればよいのでしょう。
このメールを書いている人が持っている情報(ソフト名、OS、何がおこっているか等)を、私はまったく知りません。
まったく情報が共有されていない状態では、「コミュニケーション」は成立しません。
私こそ「分かりません。どうすればよいのでしょう」と質問したくなってしまします。
「コミュニケーション」とは、「情報共有」のことです。
そのため、可能な情報はできるだけ共有していかなければ円滑な「コミュニケーション」は成立しません。
もちろん、「ユーザーサポート」もうまくいきません。
以上、メールの「コミュニケーションの手段」という面について触れてきました。
メールにはもう1つの側面があります。
それは、「コミュニケーション」の「道具」という側面です。
メールは「コミュニケーション」の「手段」というだけではなく「道具」でもあります。
「道具」は正しい使い方をしなければその効果を失います。
独り善がりの使い方ではなく、広く一般的に正しいとされている使いかたをしなければその効果は著しく下がります。
最近、「ユーザーサポート」のメールにこういうメールが増えています。
件名: (注:なしです)
本文: (注:なしです)
添付ファイル:(ありです)
どう見てもウィルス・メールにしか見えません。
瞬間的にゴミ箱行きとなります(後で「ユーザーサポート」だと分かって引き上げていますが)。
前述の通りメールは「道具」です。正しく使わなければなりません。
「件名」には、簡潔に何に対するどういった内容のメールなのかを書き、「本文」にはその内容を書かなければなりません。
また、「本文」にはハンドル・ネームでも本名でも構わないので、最低限自分の名前を書くべきです。
それが、「道具」としてのメールの推奨されるルールだからです。
何より、名前もわからない人と「コミュニケーション」をすることは非常に疲労を伴います。
想像してください。
あなたの家族がみんな「名前無し」だと困ると思います。
あなたの郵便ポストに「名前の書いていない手紙」が入っていたら不気味だと思います。
相手とよりよい「コミュニケーション」を築くために、自分の名前ぐらいは書くべきです。
メールとは、コミュニケーションの「手段」であり「道具」です。
正しく使い、円滑なコミュニケーションをおこなうべく心がけてください。
悪いメール/よいメール
以下、私がこれまで受けた「悪いメール」について書いていきます。
「よいメール」の書き方は、これらのメールの問題点を解決したメールです。
自分が書いているメールが、これらの内容に当てはまらないか確認してください。
そういったメールを書いている場合の対策も合わせて掲載しておきます。
件名に関して
● 件名がない
<対策> 件名を書いてください。
● 件名が不適切
不適切な件名の例:
分かりません
教えてください
バグです
どうすればよいのでしょう
はじめまして
質問です
お願いです
こんにちは
見てください
<対策> 相手にとって、内容が簡潔に分かる件名にしてください。適切な件名の例:
めもりくりーなー 2.048 バグ報告
mclean 2.048 右クリックに関するバグ
mclean 2.048 F.A.Q.の誤植
めもりくりーなー 新機能の提案
本文に関して● 本文がない
<対策> 本文を書いてください。
● 本文が不適切
本文が1行しかない。
本文に必要な情報がない。
本文に送信者の名前(もしくはハンドル・ネーム)がない。
ヘルプやF.A.Q.をまったく読んでいない(ヘルプやF.A.Q.と同じ質問)。
本文に署名がない。
本文に適度に改行がない。
<対策> 読みやすく、相手にとって内容が簡潔に分かる文章にしてください。予備知識なしに自分のメールを読んだ場合、きちんと分かるかどうかを絶えず意識してメールを書いてください。
また、自分の名前など、コミュニケーションに最低限必要だと思われる情報を盛り込んでください。
独り善がりにならず、相手が必要と思われる情報を想像して書くようにしてくだい。
技術的な情報は、「上級者向け機能」の「ユーザーサポート」で自動的に出力するできるようにしています。
円滑なコミュニケーションのために、「ユーザーサポート」機能で出力した「ユーザーサポート・シート」に必要事項をご記入の上、メールに添付してください。
また、ヘルプやF.A.Q.には最低限目を通してください。ヘルプやF.A.Q.に書いてある質問内容が非常に多いです。
返信先に関して
● 返信先がない もしくは 返信先が間違っている
<対策> 返信先の設定を正しくおこなってください。
ときどき返信できないメールを送ってくる方がいますので、私からの返信がない方は一旦ご自分のメールの設定を確認してください。
書き方サンプル
以下、ユーザーサポートへ送るメールのサンプルを掲載します。参考にしてください。
(下記のバグは架空のバグです。実際には発生いたしません)
件名:めもりーくりーなー 2.048 スキンに関するバグ 本文: はじめまして、柳井と申します。 めもりーくりーなーのバグに関する報告です。 先日めもりくりーなーを2.040から2.048にアップグレードしたときに、下記の バグが発生しましたのでご報告いたします。 ●発生した問題 スキン設定ウィンドウを開き、選択スキンファイル名を変更すると、めもりー くりーなーの反応がなくなります。 ●詳細 「設定ウィンドウ」にて、「上級者向け設定」から「スキン設定」を選び、「 スキン設定ウィンドウ」を開きます。 そこで「選択スキンファイル名」を変更します。 すると、「めもりーくりーなー」の応答がなくなります。 その後、CTR+ALT+DELでプログラムの強制終了をしないと「めもりーくりーな ー」は終了しなくなります。 この現象はインストール先がHディレクトリの場合に起きるようです。他のCや D、E、F、Gディレクトリでは起きませんでした。 ちなみにHディレクトリはスマートメディアのディレクトリです。これが関係 しているのかもしれません。 その他の詳細な環境は、添付の「ユーザーサポート・シート」をご覧ください。 ●原因の予想 どうも、USB接続のスマートメディアで問題が起こっているようです。 スマートメディアには、「めもりーくりーなー」と50個のスキンを入れていま す。これらのスキンを「めもりーくりーなー」のフォルダから抜くとこの現象 は起こらなくなります。 スキンの種類によって違うのですが、30個目あたりから出るようです。 ヘルプやF.A.Q.で調べてみたのですが、同様の事例はありませんでした。 バグに関する報告は以上です。 それではユーザーサポートよろしくお願いします。 8 ┏━━━┓ 8 ================================================ 8 ┃┃ ┃┃ 8 名前 : 柳井政和(るてんしと) 8 ┃@ _ @┃ 8 E-mail : http://crocro.com/m.html 8 ┗━━━┛ 8 WebSite : http://crocro.com/質問形式での記入法
ユーザーサポートへメールを送るときにポイントとなる点を、質問形式で詳細に記入する方法を掲載します。参考にしてください。
■問1 あなたのお名前とメールアドレスは? ■問2 どういった問題が発生していますか? (可能な限り具体的に記述してください) ■問3 何をしている時に、その現象は起きましたか? (具体的な手順を記述してください。再現性のある設定、手順がある場合には、 その設定、手順を記述してください。また、特定の環境で起こるようでしたら、 その環境も記述してください) ■問4 問題が起こることによって、何が、どうなりましたか? (エラーメッセージがある場合はそのメッセージの内容を、バグが画面に関し てのものである場合、そのスクリーンショットも圧縮して送ってください) ■問5 問3、問4を見て、自分としては何が原因だと思いますか? ■問6 問5に対し、ヘルプやF.A.Q.で同じ事例、解決方法はありましたか? ■問7 問6で調べた結果を反映してみた結果、どうなりましたか? ■問8 最新バージョンを試した結果、どうなりましたか? ■問8 問2から問8まで、自分が記入したものを読み返し、何か気付いた点が あれば記述してください。※ 「ユーザーサポートシート」に上記のような質問事項がありますのでご記入ください。記入した「ユーザーサポートシート」は、メールの本文に貼りつけて送ってください。以下、参考資料です。メールを書くときの参考にしてください。
(注:色々書いていますが、ユーザーサポートのメールは大歓迎です。お気軽にメールを送ってください)
●ユーザーサポートの上手な利用法
http://www.oadg.or.jp/support/jyouzu/index.htm
ユーザーサポートの受け方について、非常に勉強になるサイトです。PC初心者の方は目を通しておくと、他のユーザーサポートでも役に立つと思います。
●インターネットを利用する方のためのルール&マナー集
http://www.iajapan.org/rule/rule4general/
名前の通りのページです。詳細で豊富なドキュメントがあります。自分のメールやインターネット利用に関して今まであまり考えたことがない方は、一読することをお薦めします。
●真・技術系メーリングリスト FAQ
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley/5656/
技術系メーリングリストに関するF.A.Q.ですが、一般的メールに関しても当てはまることがほとんどです。目を通しておいて損はありません。
●ネチケット・ホームページ
http://www.cgh.ed.jp/netiquette/
ネチケット(ネットでのエチケット)に関する豊富な資料があります。分量が多いので読むのが大変かもしれません。1度だけでも目を通しておくと今後役に立つと思います。
●アスキー デジタル用語辞典
http://www.ascii.co.jp/ghelp/index.html
数々のパソコンの用語について知ることができます。用語について質問する前に、ここでまず調べてください。私の返信より詳しいと思います。
●情報・通信事典 e-Words
ここも、数々のパソコンの用語について知ることができます。