Comic Studio マスターへの道 その7
カラー比較実験

(2001.08.20)

 本日は 「Comic Studio」 で描いた下絵と、 「ペン」 (Gペン+スキャナ) で描いた下絵で、カラー原稿を作ってみて比較する実験です。

 作業は全て 「PhotoShop」 上でおこなっています。

 また、作業サイズは両方ともにA4サイズの600dpiです。

 「Comic Studio」 で描いた絵は、昨日の 「定規ツール」 で描いた下絵を使っています。

 「ペン」 で描いた下絵は、投稿用にここ数日描いているCGをそのまま持ってきています。

 なのでまあ、下絵や塗りに関しては、投稿用ということで最初から丁寧に描いている 「ペン」 の方が手間がかかっています。

 その点ご了承いただければと思います。

 手間をかけているぶん、 「ペン」 の方が絵としての出来は良いです。

 まあ今回見たいのは、CGにした場合の線の馴染み具合なので、大丈夫でしょう。

 色塗りの工程はほぼ同じ手順を踏んでいます。


● 濃淡塗り状態での比較

 私がCGを描く場合、必ずまず最初に白黒で濃淡をつけます。

 顔や髪などパーツでレイヤーを分け、白黒で濃淡を塗っていくわけです。

(70%グレーを基調色として塗りつぶし、以下±10%、±20%と明暗を塗っていきます)

 その後、調整レイヤーを使い色を塗っていきます。

 塗り方としては、古典技法のモデリング+グレージングの技法に近いです。

 この方法の利点は、 「ともかく絵を描くのにかかる時間が少ないこと」 と、 「後でどうとでも修正できること」 が上げられます。

 以下、濃淡塗りした 「Comic Studio」 下絵と、 「ペン」 下絵です。

 上が 「Comic Studio」 下絵で、下が 「ペン」 下絵です。


▲Comic Studio


▲ペン

 ぱっと見た感じ、 「Comic Studio」 下絵の方が線がきれいです。

 手ぶれ修正機能がうまく働いているのでしょう。

 「ペン」 下絵の方は、線がぶれたりかすれたりしています。

 これは、私の技術のなさがもろに反映しているためでしょう(T_T

 線のきれいさなら、 「Comic Studio」 に軍配があがります。

 ペンの線に自信がない方には、 「Comic Studio」 の方が便利と言えるでしょう(^^;


● 着色

 次は着色です。

 着色は、調整レイヤーの 「色相・彩度」「明るさ・コントラスト」 を使っておこなっています。

 ただし、目だけは直接描いています。

 以下、着色した 「Comic Studio」 と、 「ペン」 の絵です。

 上が 「Comic Studio」 で、下が 「ペン」 の絵になります。


▲Comic Studio


▲ペン

 「Comic Studio」 の絵は、線に色を塗っていません(忘れてました)。

 でも、 「カラーにしても大丈夫そうだな」 というのはこの絵でだいたいわかると思います。

 「Comic Studio」 で下書きをする → EPS出力 → 「Photo Shop」 で彩色というのは、だいぶ現実的なラインです。

 ただ、ペンで細かい描き込みをするタイプの絵は、「Comic Studio」 には向いていないので注意が必要です。

 ペンのアルゴリズムの問題で、屈曲の多い線はうまく再現できないからです。

 ですので、こういったあっさり目の絵の方が、作業効率は良いです。

 それでは次は、縮小なしの画像での比較をしてみたいと思います。


● 100%サイズで比較

 以下、100%サイズの 「Comic Studio」 と、 「ペン」 の絵です。

 上が 「Comic Studio」 で、下が 「ペン」 の絵になります。


▲Comic Studio


▲ペン

 線を見ると一目瞭然なのですが、 「ペン」 で紙に描くより、 「Comic Studio」 でデジタルに描く方がきれいです。

 ただ、描くときの画材としての使用方法が、 「ペン」「Comic Studio」 ではだいぶ違うので慣れが必要だと思います。

 ここら辺は一長一短かなあと思います。

 1枚絵を描くだけなら、キャラの下書きを 「Comic Studio」 で、背景を3Dソフトで、彩色を 「Photo Shop」 でというのもアリかなと思いました。

 というのも、 「Comic Studio」 で引いた線を見ていただくとわかるのですが、濃淡がほとんどありません。

 また、デジタルなのでゴミもありません。

 なので、 「スキャニング後の補正」 作業が丸ごとなくなります。

 この、 「スキャニング後の補正」 はけっこうヘビーな作業ですので、これがなくなるとかなり嬉しかったりします。

 多いときで2時間ぐらいは 「スキャニング後の絵の補正」 に時間を使いますので。

 この時間が0になるのはかなり大きいです。

 「Comic Studio」 の処理の遅さをさっぴいても、1枚絵のキャラだけ描くなら断然 「Comic Studio」 の方が楽だと言えます。

 背景も含んだマンガ全部となるとちょっと厳しそうですが。


● 全体図

 最後に、本日の実験に使用した絵の全体図を掲載しておきます。

 「Comic Studio」 の絵の背景がぞんざいなのは許してください。

 ここら辺で力尽きました。

 私のマシンでは600dpiで作業していると、メモリと仮想メモリがここら辺でいっぱいいっぱいになってしまったのです。

 1.5GBぐらいの作業領域を使い切ってましたので、さらに背景まで描くのは無理でした。

 夏コミで 「600dpiで描いた方が絵がきれいに描けるよ」 と言われて実践してみたのですが、私のマシンパワーでは厳しそうです。

 そろそろメモリーを1GBぐらいにしないといけないなあと思いました。

 それでは以下、上が 「Comic Studio」 で、下が 「ペン」 の全体図です。


▲Comic Studio


▲ペン

 本日の実験は以上です。


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