● 2002.01.24(木)01 九州旅行 その6 熊本編

 だいぶ旬が過ぎた感もないではないのですが、物は腐りかけが一番美味しいということで報告です。

 いや、友人に「報告はまだ門司止まりのようですけど、風邪が治ったら続きと、たのR関連のレポートを期待しています」などとメールで書かれてしまいましたので。

 ひぃ。書かずにはいられません。

 というわけで、非常に内輪ネタに偏っています。


● 熊本1日目

 木曜日、旅行4日目。この日は小倉~熊本間の高速バス「ぎんなん号」で移動です。北九州~熊本間は、様々な交通機関があるのですが、この高速バスが一番快適です。

 なぜかと言うと、ドリンク飲み放題で、おしぼり有りで、トイレつきで、音楽聴き放題で、車載テレビでビデオを見せてくれて、JRの鈍行や快速よりも早いのです。値段も安かった気がします。ともかく高速バス万歳です。

 さらにこの日は当たり日でした。

 前回乗ったときは、田中麗奈主演の邦画が車内放映だったのですが、今回は洋画のチャーリーズ・エンジェルズだったのです!

 まだ見てなかったのですよ。大ラッキーです。ウハウハ気分で一気に小倉から熊本に辿りついてしまいました。

 熊本で下車した私は、「ついたら電話くれ」と言っていたA木先輩(この日泊まる予定)の家に電話をかけようとします。

「あれ? 私は携帯電話を持っていないぞ?」

 そもそも携帯電話など、契約さえしていません。降りたバス停は、辺り一帯車しか走っていないバイパスの途中。周りには電話ボックスなど見えません。血の気が失せます。

 いきなり、こんな所で餓死か。不安がよぎります。

 結局、ガソリンスタンドを見つけて電話をかけることに成功。よかったです。スパイ映画みたいです。旅行途中で野垂れ死にたくはありません。

 10分ほどしてA木先輩と合流。家に向かいます。

 玄関を開けると、「奥さんは留守」と言っていたのに奥さんがいます。なんでですか? どうも、私を驚かすためだけに帰宅していたようです。私がA木先輩の家について10分後ぐらいにK田さんが来訪。なぜか、熊本に帰ってくるたびにK田さんに会っています。

 大学時代は年に1回ぐらいしか会っていなかった気がするのですが、卒業後は熊本に行くとほぼ毎日会います。しかしまあ、私が熊本に帰るのが1年に1回ぐらいなので、結局会っている頻度は同じぐらいな気もします。

 A木先輩、奥さん、K田さん、私。4人揃った所で食事を食べに行くことにしました。

 どこがいい? と問うA木先輩に、お任せしますと答える私。ついた先はオムライス屋でした。

「しまった! 俺はケチャップが苦手なんだ!」

 悶絶するA木先輩。このギャグをやるためにこの店を選んだようです。体張っています。

 オムライス屋は、見た目以上のボリュームで美味しかったです。食事が終わった後、奥さんを実家に送り、男3人(A木先輩、K田さん、私)は温泉です。城の湯という温泉です。学生時代以来です。極楽極楽。

 帰りがけに酒の肴とアイスクリームを調達して帰還。A木先輩の家で酒盛りの開始です。ちなみに、この3人が集まると美少女誌の話で盛りあがります。

 ネットに疎いA木先輩と、ネットに繋がっていないK田さんのために、連絡網 AMIの話をしました。結果、色々と憂える3人。

「オタクから政治家を送り込むしかないのでは?」

 A木先輩と、K田さんが力説します。切実な問題なので、出てくる案も切実です。そういう動きってないのでしょうか?

 そんな真面目な話もしているかと思いきや、K田さんの持ってきていた、SRナムコ リアルフィギュアコレクション ギャルズセレクション リペイントが局地的大ブレイクしたりしていました。

 K田さんが「ワンダーモモ、ワンダーモモ」言う中、A木先輩と私は「ワルキューレ、ワルキューレ」と興奮していました。かなり出来がいいです。1つ頂きました。今回の唯一のお土産です。

 そんなこんなで熊本1日目は終了しました。


● 熊本2日目

 熊本2日目は、お世話になっている大学の先生の研究室に遊びに行きました。私は大学では生物学を勉強していました。研究室では、動物の受精卵に電気を流して、どの時期に、どの細胞膜のイオンチャンネルが開いているかといった研究をおこなっていました。

 平たく言うと、電気屋さんみたいな研究室です。オシロスコープや電気回路をいじくりまわし、アースをぶら下げて歩く日々でした。

 いつのまにか場所が移っており、研究スペースが倍ぐらいに広くなっていました。今年は先生についている生徒がいないらしく、こんなに大きなスペースを一人締めして実験しているのかと思うとちょっとドキドキでした。

 先生は学生時代に非常にお世話になったので頭が上がりません。久しぶりに会った先生は、外見は変わっていなかったのですが、老眼が始まったそうで「最近徹夜ができない」とぼやいていました。

 ほぼ1日話したり、飲んだりしていたのですが、相変わらずいろんなことをされているようでした。新聞でコラムを書いたり、映画評論を書いたり、大学の出しているパソコンの本に寄稿したり、アニミズムの授業したりと、多芸振りを発揮していました。

「いろいろやっても、業績にはならない」

 と先生はぼやいていました。余事の多い自分を思い出し、私もきちんと業績を出していかないといけないなあと思いました。どうも私も、何でも屋体質のようですので。

 でもまあ、先生の最近やっている研究は非常に面白そうでした。かなり珍しいことをやっていたので、出てくる論文が楽しみです。詳しいことは秘密が多すぎて書けないのですが。

 また、先生とドイツ語の先生は仲がいいので、最近ドイツがゲームで有名だという話もしました。先生は「授業に使えるかも」と言っていたので、いろいろと紹介しておきました。ドイツ語の先生にも学生時代お世話になったので、できればドイツゲームを使って授業してくれればいいのになあと思いました。

 今度直に会う機会があれば、何かゲームを持っていきたいなあと思いました。

 この日の夜は、熊本の街で飲んでいました。研究室の同期にも会うことができ、非常に懐かしかったです。研究室の同期は、私含めて4人。内3人が女性(生物は女性率が高い)、内2人が教師になっています。その教師になった同期の1人と会いました。

「田舎の高校だから、問題を起こす子が多いから、毎日家庭訪問しているような感じ。金八先生は、リアル過ぎて正視できない」

 と嘆いていました。しかし、今回の凄かった内容の金八先生がリアルとは壮絶です。

「でも、この安定は捨てられない」

 細々と呟く同期。本当に安定しているのかと、少し突っ込みを入れたくなりました。

 結局、6時間も飲んでいた先生と私。その後、A木先輩の部屋に戻り、ボードゲーム大会です。「騎士の幸せ」というゲームをして惜しくも負けてしまいました。

 さあ、風呂でも入って寝ようかというときに、A木先輩が不思議なことを言い出します。

「明日は、8時に家を出るから」

 はい? 8時で家を追い出されるそうです。8時なんて、私の起床時間ではありません。無理です。

 それに、次の日に予定しているサークルの集会は1時開始の予定です。5時間も時間を潰すのは辛いです。というか、5時間寝たいです。

 急遽の予定変更を温かく迎え入れてくれたのは、後輩の しべくん 氏 でした。ありがとう、持つべきものは後輩です。でも、在学期間って1秒も重なっていないのは秘密です。会った時間の総計も1週間に達していないです。

 しべくん 氏 の部屋に到着。ここで衝撃の事実を知らされます。

「すみませんけど、うちにはお風呂はありません」

 帯電体質の私は、お風呂に入らないと衰弱するのです。脱力感を覚えながら爆睡。


● 熊本3日目

 サークルの集会に参加。

 既に卒業して4年半。知っている顔は誰もいません。ですが、どうにか5~6つ下の後輩たちの顔はわかります。君たちだけが頼りだ。

 しかし、後輩's。集合時間にきちんと集まって集会始めろ。よっぽど注意しようかと思ったよ。「1時に集会始める」と言うたら、1時から集会を始められるように12時50分までには集まっておかないと駄目だろう。

 でもまあ、その日初めて来た先輩が、いきなりプンスカ怒って注意するのも何なので、その日の夜に しべくん 氏に言っておくのに留めました。いや、きちんと言うべきだったなあと反省。

 その日は1回生のマスターで、特命転攻生をプレイ。すみません。連日の疲労と風邪で、少し寝てしまいました。

 最後の戦いにどうやって行こうかと悩んでいたのに、気付くと最後の戦いが始まっていました。まるで、ビデオで宣伝飛ばしたみたいな進行でした。

 イマイチ前後の繋がりが分からなかったのですが、私は忍者だったので、不知火の術を使ってボカン、ボカンと爆発して敵を倒しました。サスケです。結果オーライ。

 セッションが終わったのは11時ぐらい。さすがに普通の銭湯は閉まっています。

 昨日も風呂に入りそびれたのに、今日も入れないと腰が抜けます。1時ぐらいまで空いている銭湯の場所を後輩に聞いて、その銭湯に入りに行きました。ふー、極楽極楽。

 しかし、それは巧妙な罠でした。

 銭湯から、しべくん 氏 の部屋までは、自転車で丸1時間。多分、ここで風邪がぶり返しました。そりゃ、風邪も引きます。


● 熊本4日目

 この日はA木先輩の部屋で、裏設定D&Dをやる予定です。

 まずは、キャラ決めをするために、「6ニムト」で勝負。キャラの個別説明の間は「 ロボットレース」で時間潰しです。

 そして裏設定D&D開始。私は悪の神官です。目の前にいる、人類に媚びへつらったような顔をしたM岡さんの神官とは100年経っても敵同士です。

 実質夕方開始ぐらいだったのですが、夕飯前に私のキャラが死にました。

 ワンダリングで出てきたラージレッドドラゴンのブレスを浴びて、セービング・スローに失敗して即死。……即死です。

 全員の表情が凍ります。一番凍っているのはマスターのA木さんです。

 まだ裏設定の「う」も始まっていないのにシナリオ崩壊です。

 もちろんレイズデッド(蘇生)を持っているM岡さんの神官は私の天敵です。ゲームエンド。

 悪側のプレイヤーたちの表情が暗いです。

「よし、今日は君の好きなものを食べに行こう!」

 その場を取り繕うように、マスターのA木さんが声を上げます。いやもう、何でもいいです。味しないです。

 ガストで食事を食べて、ゲームは再開。私は隣のテーブルで、寂しそうにアイスクリームを食べています。虚しい……。

 少し経つと、魔術師だったK田さんが私のいるテーブルに来て座ります。

「やあっ!」

 とても親しげです。

 数分後に事実が発覚。悪の魔法使いだったK田さんは、テレポート(瞬間移動)に失敗して地面の底に。

 死体はどうにか回収されたのですが、マジックアイテムの使い方を勘違いしていた王子役のN嶋さんが、魔法使いの死体を袋にポイッ。何でも入る袋のつもりだったのですが、それは中身を消滅させる袋でした。魔法使い、永久ロスト。

 悪の神官と、悪の魔法使いが仲良く消えました。

 シナリオ1割ぐらいのところで裏設定シナリオは完全崩壊。後は、悪側のプレイヤーが、次々と正義側のプレイヤーに詫びを入れる場面が続きます。

 シナリオが終わるのは早かったです。というか、裏設定をやった気がまったくしません。今までの裏設定で、最短のゲームエンドでした。

 その後、「ねこネコ」「レストラン」と短かめのゲームをプレイしてこの日は終了。

 心を風が吹き抜けます。嗚呼虚しい……。


● 熊本5日目

 この日は月曜日だけど祭日なので休日。というわけでゲームです。

 まずは、私の新作TRPGのテストプレイ。土曜日にアイデアが生まれて、日曜日に作ったものです。日曜日はずっと遊んでいたはずなのですが、なぜか新作ができています。

 というわけでレッツ・プレイ! まだテスト版なので、いろいろと粗はありましたが、おおむねよさそうな感じでした。

 ちょいと煮詰めて関東でも遊ぼうかなと思います。けっこうルール的には面白いシステムですので。

 その後、原始スープをプレイしてこの日のゲームは終了。

 あとは、N嶋先輩の子供(幼児)に、謎の手品を教えたりして遊びました。物を食べる振りをして、首もとからトレーナーの中に物を隠すという手品です。「ないよ~」と手を振りながら演じて見せると、かなり大好評でした。というか、何十回もやらされました。

 もう少し大きくなったら、もっといろいろな芸を見せようかと思います。

 この日の夜は、A木先輩、M岡先輩と後輩談義をしていました。私が後輩をあまり知らないので、いろいろと後輩たちのことを聞きました。おかげで、いろいろ知ることができました。後輩には頑張って欲しいものです。


● 熊本6日目

 空港に行って、飛行機のチケットを買って、横浜に到着。

 今回の旅行は、サラリーマン時代には不可能な日程での旅行でした。気合を入れて行っただけあって、非常に楽しかったです。そして、泊めてもらった先輩、後輩や、貴重な時間を割いていただいた様々な方々のおかげで非常に楽しく、そして有意義な旅行になりました。

 1年に1度ぐらいはこういった旅行をしたいなあと思いました。

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