● 2002.04.08(月)01 PATLABOR THE MOVIE 3

 先週の金曜日に、投稿系の友人の太郎さんと一緒に、映画 PATLABOR THE MOVIE 3 に行ってきました(参考リンク:sawadaspecial.com:WXIIIリンク集 / ゆうきまさみのにげちゃだめかな)。

 私はそれほど熱烈なパトレイバーファンというわけではないのですが、太郎さんはメールのやり取りに何度も「パトレイバー」の文字が出てくるほどのパトレイバーファン。同じ映画を見に行くのなら、その道に濃い人と一緒に行った方が見た後にも楽しめるので、期待して行って来ました。

 場所は新宿の映画館。バトルロワイアルを見たのと同じ映画館でした。

 平日の真昼間に来ていたお客さんは、どう見ても平均年齢25歳以上の方々。

「まだ公開1週間というのに、人の入りが少ないですね」

 不満げな太郎さん。

「いや、まあ平日ですし」

 個人的には、平日に大人ばかりが見に来ているのはどうかと思います(私たちも人のことを言えないのですが)。パトレイバーという作品自体、既にかなり古い作品(昭和63年17号~平成6年23号に連載 参考:起動警察パトレイバー)になりますので、ファン層も高めになるのだと思います。

 さて、映画に関してです。

「今回映画を見る目的は、映画本編じゃなくて、ミニパトです」

 映画館に入る前に、太郎さんが不可思議な台詞を吐きました。

 そうです。どうも、映画本編以外に、ミニパトという短編があるそうなのです。

「ミニパトは全部で3話あり、公開期間中、3話それぞれ別々の時期に上映されるのです。つまり、3回通わないと全部見られないのです」

 脅威の事実に愕然です。つまり、映画を3回見るかDVDを買えと。いい商売をしています。ちなみに、プログラムも映画本体とミニパトのものと2種類ありました。


▲本編プログラム


▲ミニパトプログラム


▲ミニパトはこんな感じ

 結局2つとも買う私……。

 それでは以下映画の感想です。ネタバレはかけらでも嫌だという方は、これ以降はご遠慮ください。


● ミニパト

「押井監督は、ギャグばかりやっていた方が面白いのに」

 映画の前に太郎さんが言っていた言葉です。ミニパトの脚本は押井守でした。私は、GHOST IN THE SHELLを見ながら爆睡、人狼を見ながら爆睡という苦い経験を持っていたので、ちょっと危険信号が点っていました。

 しかし、心配は杞憂に終わりました。

 始終大爆笑。私たちが見たのは、3話あるうちの第1話「吼えろ リボルバーカノン!」でした。後藤隊長が、あのとぼけた口調で延々とパトレイバーの銃について語るというお話でした。これが非常に面白い。絵は紙人形風のアニメーションなのですが、このフラフラとした動きとギャグのリズムが妙に噛み合っていて面白かったです。

 この紙人形風のアニメは、一旦紙人形で撮影した後、3DCGソフトで作りなおしたものだそうです。映画館の画面では少々ジャギが目立っていましたが、これはレンダリング時間をケチったのかなあと思いました。まあ、DVD版ではまったく気にならないものでしょうが。

 最初平面アニメ調だったので、使っているソフトはFlashかなと思いましたが、プログラムを見たらLightWaveと書いてありました。プログラムには、作成手順も写真つきで掲載されていました。

 DVD版が出たら、誰かに全編見せてもらいたいなあと思いました。残り2話の「あゝ栄光の98式AV!」「特車二課の秘密!」も非常に気になります。


● 本編

 本編は、廃棄物13号という原作中の話を大幅に脚色した内容です。既に原作を読んだのは遥か昔なので、完全に新作として映画を見ました。一緒に観に行った太郎さんは、きちんと原作を読み返して予習されていました。

 さて、映画の名前にも出てくるパトレイバーなのですが、今回の映画ではそれほど登場機会が多くありません。どちらかというと脇役です。主人公も、久住、秦という2人の刑事であり、特車二課のメンバーは脇役です。

 パトレイバーの世界に、特車二課とは別の切り口を当てて、そこでドラマを表現したといった内容でした。完全にアナザー・ストーリーです。

 この方法でパトレイバーの世界を見せられて、1番驚いたのはそのリアリティーです。内容が現実的かどうかという意味ではありません。パトレイバーの世界が、本当にありそうな「らしさ」で構築されているんだということを、改めて思い知らされました。

 パトレイバーの人気の秘密が、ただ単にロボットだけでなく、そこにいる人たちの「らしさ」というか人間ドラマにあるということは感じていましたが、違う切り口で表現した映画によって、やっぱりそうなんだよなあと思わされました。

 レイバーのいる世界というのが、別に浮いた世界観ではなく、地に足がついているというか。そういったことを感じました。でもまあこう思うのも、原作を読んでいて、背景の世界をじっくり見続けていたという側面もあるとは思います。

 以下、映画の端々について書いて行きます。

 映画の脚本に関しては、抑制の効いた、そしてツボを抑えたよい脚本だなと感じました。派手ではないけれど、きっちりといい仕事をしているなあと思いました。完全に新しいキャラクターを使い、上記のようなパトレイバーの世界のリアリティーを感じさせるという点では、非常によかったのではないかと思います。

 次に絵に関してですが、背景の描き込みや描写の丁寧さが凄かったです。特に最後の数カットの背景の緻密さは、それだけで鑑賞の価値があると思いました。非常に丁寧なよい仕事だと思いました。というか、頑張り過ぎです。よい意味で。

 全般的によかったのですが、どうかなあと思う部分もありました。1番不満に思ったのは、廃棄物13号の後半の外見的状態です。どう見ても話の都合上必然性のない姿をしています。これは、映画の後で太郎さんとも話題に上がりました。太郎さんも同じように感じたようです。

 もう1つは、生物学の用語についてです。分からなくても映画の流れ上不都合はないのですが、ほとんど説明なしに、テロメア(参考:テロメア / テロメア)とかアポトーシス(参考:アポトーシス / アポトーシス / アポトーシスの研究)とか出すのはどうかなあと思いました。特にアポトーシスは映画中説明がなかったですし。

 パトレイバーの映画を見るような人は、だいたいがマニアでこういった用語に関する知識もあるのかもしれません。分かる人には問題ないのですが、映画上重要な場所で使われているのでもう少し説明があってもよかったのかなあと思いました。

 最後に感想のまとめです。値段分の価値のある映画だったと思います。背景の描き込みは、テレビの画面では完全に潰れてしまいますし。

 そう言えば、千と千尋の神隠しのときも背景を見るためだけに2回目を観に行った気がします。やはり、映画は映画館で見るべきものだなと思います。

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