7月17日水曜日に、スターウォーズ エピソード2を朝から2回ほど見てきました。以下感想です。
今回はネタバレ容赦なしなので、嫌な方は見ないでください。
今回のスターウォーズのストーリーの柱は2本。1つはアナキン・スカイウォーカーとパドメ・アミダラの恋愛。もう1つは共和国から帝国への歴史的ターニングポイントとなる事件です。
このうち、後者の共和国崩壊に向かう事件はスターウォーズファンとして非常に楽しめたのですが、アナキンとアミダラの恋愛はかなり難ありでした。
まず、アナキン役のヘイデン・クリステンセンがかなり駄目でした。サカリのついた野卑な不良少年にしか見えず、こんな男に言い寄られてもアミダラは恋に落ちないと正直思いました。
アミダラ役のナタリー・ポートマンが、クラッシックなスターウォーズの雰囲気を継承する、ノーブルな雰囲気を持っているのに対し、アナキンの周りだけビバリーヒルズ高校白書といった感じでまったくバランスが取れていませんでした。
どう見てもアナキンは、アミダラに付きまとうストーカーか野良犬といった感じです。自制心を保とうとアナキンを拒絶するアミダラは、本気で嫌がっているようにしか見えませんでした。そのため、アミダラがアナキンに心を開く場面は、非常に取ってつけたように感じかなりガッカリでした。
今回映画を見に行った人の多くは、ダースヴェーダーの若き頃の恋を見たかったのであって、ダースヴェーダーとまったく接点のなさそうな、どこかの不良青年の恋を見に行ったのではないと思います。そういう意味で、かなり不味いキャストだなあと思いました。
できれば、もう少し威厳のある俳優を起用してくれればよかったのにと思いました。
もう片方の柱である共和国から帝国への歴史的ターニングポイントとなる事件の主役はオビ=ワン・ケノービでした。しかし、なぜか彼は非常に弱い設定になっていました。
追いかけている敵に逃げられる、敵地に侵入して捕まる、コロシアムで怪物に追い回されるなど、ヤラレ役に徹しており、シーンによっては、パドメ・アミダラの方が戦闘で活躍していました。
アナキンにも「ボクの方が腕も立つ、彼はボクの邪魔をしている」とか言われる始末だし。それに、アナキンはまったくオビ=ワンの命令を聞きません。オビ=ワン、かなり可愛そうです。同情します。
そんな主人公3人組(オビ=ワン、アミダラ、アナキン)の中で唯一輝いていたのがアミダラでした。
サカリのついたアナキンの前で、露出度の高い服を着ているシーンは可愛そうでした(アナキンにセクハラを受ける)。しかし、着ている衣装はアミダラのよさを強調するものになっており大変よかったです。
中盤のシーンで出てくる胸を強調した黒いドレス姿もよく、服装は全体的にミュシャの絵に出てくるような美しい女性を連想させてくれました。アミダラのファッションは映画の見所の1つと言っても過言ではないです。
特に終盤のお腹を出した服装はたいへんよかったです。話の流れでお腹が見える服装になってしまうのですが、これはアミダラの魅力を引出す非常に正しい演出だと思いました。
アミダラ役のナタリー・ポートマンはかなり体を鍛えているらしく、腹筋が割れており、スレンダーな体型と合間って非常に美しく格好よかったです。終盤のアミダラのお腹は必見です。
最後のスタッフロールではじめて知ったのですが、今回のエピソード2の主役はオビ=ワンだったようです。スタッフロールの席次が1番なので、やっと気付きました。あまり主人公っぽくなかったのですが。
他の登場人物については、ドゥークー伯爵(クリストファー・リー)がよかったです。渋くて強くて今回のラスボスでした。
ジャンゴ・フェットは、そこらへんの軍隊にいそうな雰囲気のおじさんで、正直ちょっとなあと思いました。物語上の重要人物には見えませんでした。
さて、お話の方です。
共和国のパルパティ―ン最高議長が全権を得て、いよいよエピソード3で帝国の皇帝になる、その前振りの事件です。
「クローンの攻撃」という副題から連想していた「クローン」のお話のイメージを、根底から覆してくれる規模の大きな設定には正直、やられたと思いました。わんさかと20万人もクローンが出てくるなんて思いもしませんでした。
その他ファンサービスも満載で、ヨーダの戦闘シーン、デススターの設計図の登場、ジェダイ軍団の戦闘シーン、トゥルーパーとジェダイとの共闘などファンにはたまらないシーンが満載です。
また、他のスターウォーズの話とからむ部分も多く、スターウォーズを全編覚えている人じゃないと気付かない内容や、プログラムを読んではじめて分かる設定なども多数ありました。
映画館に行ったら、プログラムは必ず買うことをおすすめします。映画中に名前すら呼ばれない重要人物とか、脇役の振りをした重要人物もいますので。
最後にまとめるなら、スターウォーズファンは必見だけど、ただの映画好きなら見なくてもいいかなというのが正直なところでした。
特に物語の柱の1つのラブストーリーがかなりヘボイので、それを期待するような見方は絶対避けるべきでしょう。
マニアックな設定や、兵器やクリーチャーの造形などに喜ぶようなマニアは大絶賛だと思います。
アナキン役が変わるだけでも、評価はぐっと高くなっただろうと思います。