~2002年5月のお部屋日記~

● 2002.05.29(水) 財布の話
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● 2002.05.29(水)01 財布の話

本日、財布を修繕しました。

大学時代から、かれこれ10年近く使っている財布です。

革の財布なのですが、破れたところを布テープで繕い、定期入れの割れたプラスチック部分をポリエチレンのフィルムに張り替えました。

なぜその財布を修繕してまで使うかというと、非常に便利で大きさも丁度よく、なかなか代わりの財布が見つからないからです。

修繕することによって少々見た目が悪くなっても、機能性が高く代わりの物が見つからなければ直してでも使い続けるのが私の流儀です。

現在使っているシャープペンとボールペンがくっついたペンも、修理しながら7~8年使っています。作りがきちんとしっかりしている物は、長い年月使い続けることができます。

粗雑な作りのものは、瞬間的には売れるかもしれませんが、長く使ってもらうことはできません。粗雑な仕事はしたくないものです。



世の中には商人と職人がいると思います。

語弊があると思いますが、この2つを便宜的に以下のように分けたいと思います。

物を作るときに、売った後のお金のことを考えるのが商人で、売った後の商品のことを考えるのが職人だと。

完全にどちらかだけという人はいないでしょう。矛盾する方向性ではないので、両方を兼ね備えている人も少なくないでしょう。

しかし、人はともすれば1つの思考に陥りがちです。

先週の月曜、私自身がそうなっていることに気付きました。どうも浮き足だっていたようです。

会社を作るということは、自分のこれまでの人生の方向性を大きく捻じ曲げることと同義です。そのため、気持ちの内圧をかなり高くしなければなりません。少なくとも私の場合はそうでした。

そのため、かなりハイな状態で毎日を過ごしていました。気持ちの内圧が高いということは冷静さを欠いているということで、様々な視点で物事を見れなくなっているということです。主観でしか物事が判断できなくなっていました。

どうも利己的な商人になっているなあと、道を歩いているときに気付きました。

そういう時には物事の取りこぼしが多く、後で振りかえると様々な失敗を重ねているものです。

ただ、気持ちの内圧を今抜いてしまうと色々と困るために、よくないなあと思いつつ自分の所業を放っているという状態が続いていました。

昨日、1人酒を飲みながらこの1ヶ月ぐらいの自分の行動と思考と感情を再点検していました。どうも地に足がついていなかったようです。一歩一歩、地盤固めをしていかないといけません。


先週の時点で日記にこのことを書こうかと思っていたのですが、結局書きませんでした。今なぜ書いたかというと、今日財布を修理したからです。

そのことで、自分の方向性は本来商人ではなく職人だったなあと思い出しました。

お金のことばかり考えるのでなく、自分の残りの人生をどう使うか、もう1度初心に戻って考えなければと反省しました。

人生の摩擦を少なくしようとし過ぎると、目指していた人生から大きく逸れてしまいます。時にはヤスリの上を歩くような行動も必要だと思います。


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