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2008年12月07日 00:44:42
 映画「レッド・クリフ Part I」を、十二月初旬に劇場で見てきました。

 2008年の映画で、監督はジョン・ウー、脚本はジョン・ウー他です。



 本作は、三国志の「赤壁の戦い」を題材にした映画です。

 三国志物なので、ネタバレなど特に気にする必要はないと思うので、そのまま書いていきます。



 この映画は、「Part I」「Part II」(2009年4月公開)の二部作らしく、「Part I」では曹操が赤壁に布陣するまでが映画化されていました(そのため、水上戦はありません)。

 今回の映画のハイライトシーンは、八卦陣です。

 このシーンを見ていて、「やっぱり、あの手この手で戦っているのを見るのは楽しいな」と思いました。



 さて、映画自体の感想です。

 三国志物としては、かなりうまく人物を整理して、初見の人でも分かりやすく作っています。

 予備知識まるでなしでも、人物が混乱しないように、思い切って主要人物以外は無視するようにしています。

 三国志というと、人数が膨大なことをまず思い浮かべるのですが、主題部分の話に関係ない人は、ことごとく名無し扱いにしています。

 これは、よい選択だったと思います。

 映画として、非常に分かりやすくなっていましたので。



 次に面白さですが、面白いのは面白かったけど、突き抜けた面白さは感じませんでした。

 そもそも、「三国志」で「赤壁の戦い」という時点で、「話の内容はみんな知っている」わけなので「それをどう表現するか」が主眼となります。

 つまり「どれだけ凄い戦闘シーンを見せてくれるか」が映画の見所となります。

 二部作にした辺りで、「メインディッシュは後編」になるわけで、その分、少し軽めになっていました。

 また、そのせいかどうか分かりませんが、個々の戦闘が「凄いのは凄いんだけど、ちょっとメリハリを感じない」と思わせる内容になっていました。



 どうして、そう感じたのか考えてみましたが、個人的な感想としては、「一対多の戦闘が多過ぎる」気がしています。

 以下、私個人の捕らえ方を書きます。

 古代戦争系の映画には、いくつかの戦いの描き方があります。

・英雄同士の一対一の戦闘。

・英雄が敵をなぎ倒す一対多の戦闘。

・部隊単位が、戦術で敵を撃破する多対多の戦闘。

・軍団が激突する、超多対超多の戦闘。

 古代戦争系の映画では、これらの戦闘を、視点を変え、カメラワークを変えてゴリゴリと描き、「戦闘自体にドラマを感じさせる」ことが要求されます。

 今回の「レッド・クリフ」を見ていて感じたのが、一対多の戦闘描写が多過ぎるということです。

 関羽V.S.多人数。張飛V.S.多人数。趙雲V.S.多人数……。といった感じで、やたら一対多の戦闘描写が続きます。

 これが、メリハリをなくしています。

 なぜそうなったのか考えてみたのですが、たぶん理由は、前述の「大胆にキャラを整理した」弊害だと思います。

 つまり、「敵軍に、自軍の英傑キャラと戦って盛り上がるキャラが配置されていない」せいで、一対一の盛り上がる戦闘が描けていません。

 また、「多対多の戦闘」以上の戦闘描写についても不満があります(それは後述します)。

 そのために、「同じテンポの戦闘」が延々と続いているように見える場面が多かったです。



「多対多」以上の戦闘描写について書きます。

 個人的な好みを言うと、「多対多の戦闘」から「超多対超多の戦闘」のバトル・ドラマをもっと見せて欲しかったです。

 どういうことかと言うと「凄い大軍が激突している」のだけど、「個々の戦線で戦術が炸裂する」ことによって、「一つ上のレイヤーの大軍の戦局が動いていく」という描写です。

 私は、こういった部分は、古代戦争系の映画の醍醐味だと思っています。

 これを映像的に表現するためには、「大軍の中の各部隊の位置関係」の描き方が肝になります。

 そういった描写がこの映画には少なかったので、ちょっと物足りないなと思いました。



 戦闘以外の部分の感想についても書いておきます。

 話の筋的には、非常に整理されていて、分かりやすかったです。丁寧に作られていると感じました。

 そして、映画中、ずっと思っていたことは、「話の筋」よりも「俳優」のことです。

 色々とキャラに色のついている物語なので、「俳優」に対する感想が、非常に強く出ました。



 まず、この映画の主役は、(序盤出てきませんが)周瑜(トニー・レオン)です。

 プログラムの写真は若々しい感じでしたが、スクリーンで大写しだと、かなり年配に見えました。なので最初、「あれ、宣伝用の写真と全然違う人?」と思いました。



 次に、ヒロインである小喬役のリン・チーリン。

 美人なのは分かるんだけど、ちょっと線が細過ぎると思いました。古い時代だと、こんなに痩せている人は、美人の基準から外れると思いますので。

 特に、頬がこけて見えるぐらい細い人だったので、そう感じました。

 このリン・チーリンですが、本業はモデルだそうです。そして、ジョン・ウー監督のたっての希望で出演したそうです。

 その話をプログラムで見て、ジョン・ウーの好みなんだろうなと思いました。

 映画中には濡れ場があるのですが、映画の必然性から言うと、特にいらないシーンです。でも、ジョン・ウーは、リン・チーリンの裸を撮りたかったんだと思います。



 そして、もう一人の主役とでも言うべき、孔明(金城武)。

「なんて目がキラキラしているんだ」と思いました。

 無骨な武人たちの中に、一人だけ少女漫画の登場人物が紛れ込んでいるような印象でした。

 この映画の孔明は、目の輝きが尋常ではありません。

 私の中では、横山光輝三国志の影響で、孔明はもっと邪悪な印象があります。しかし、この映画では非常にピュアな少年のような印象でした。

 いや、孔明はもっと邪悪なはず……。



 曹操(チャン・フォンイー)は、星野監督そっくりでした。

 オリンピックの野球監督のいざこざの件と相俟って、脳内で「曹操=星野監督」という図式が離れませんでした。



 この映画では、特別出演として中村獅童(甘興)が出ているのですが、なんだかこの人は「怒った顔の人」として色が付き過ぎてしまった感がしました。

 似たような役しか回ってこない印象です。



 俳優に関しては、こういった感じの印象でした。



 以下、粗筋です。

 三国志。曹操は圧倒的な力で、版図を広げていた。

 敗戦続きだった劉備に、孔明は呉の孫権と結ぶ策を提案する。

 孔明は呉に行き、周瑜と友情を篤くし、同盟を取り付ける。

 そして、赤壁にこもった連合軍は、曹操の大軍団を待ち受けることになった。



 あと、どうでもいい感想ですが、「孫権は大変だなあ」と思いました。

 苦悩の若い君主という感じでした。

「父は十九歳で、兄は二十六歳で英雄と褒め称えられた。俺は今、二十六歳だが、何も成し遂げていない。周りにいるのは、保身に走る老臣ばかり……」

 そんな感じで肩を落として愚痴を零します。

 さらに、妹はやんちゃで、兄の言うことを聞きやしない。

 何だか、孫権に悲哀を感じました。
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