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2009年03月27日 18:17:14
日本以外全部沈没
 映画「日本以外全部沈没」のDVDを一月下旬に見ました。

 2006年の映画で、監督は河崎実、脚本は右田昌万、河崎実、原作は筒井康隆です。

 名前から分かる通り、「日本沈没」のパロディーです。そこらへんの経緯については、Wikipediaに書いてあります。

□Wikipedia - 日本以外全部沈没
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BB%A5%E5%A4%96%E5%85%A8%E9%83%A8%E6%B2%88%E6%B2%A1



 感想は「B級だ」「ブラックだ」「ネタとしては面白いけど、映画館で見る必要はないよな」でした。

 はっきり言うと、「直球でB級」でした。話運びのテンポがよくないところも含めてB級です。

 ただ、人種差別の形成と、その展開については、非常に“ブラック”に「リアルさ」を感じさせる物になっていました。

 対して、経済問題とか、食料問題とか、そういった面に関しては「さすがにこうはならない」といった感じでリアリティーは一切なく、寓話寄りのSFだと思いました。

 個人的な印象としては、このブラックさは、原作の筒井康隆の色だろうなと思いました。全然関係ないですが、筒井康隆本人も映画に登場していました。

 あと、B級なのは、予算と監督の影響が大きいだろうと思いました。そういう監督ですし。



 取り立ててどうこう言うような映画ではありませんが、唯一描写としてよかった「人種差別」に関することを書いておこうと思います。

 この映画では、人種差別の形成をいくつかの段階を踏んで描いています。

1.同地域における、経済格差の形成。

2.経済の格差が拡大することによる「特権階級」と「貧困層」の形成。

3.貧困層は、食うためにはどんな仕事でもやるようになる。特権階級は、貧困層に仕事を与えることが善行だと思い、その仕事の質や内容を問わなくなる。

4.特権階級も貧困層も、相手を完全に別種の人間と見なすようになる。

5.特権階級は「正しいことを行う」ために、貧困層を弾圧し、殺すようになる。しかしそれは「正しいこと」なので、罪の意識は一切なく、「よいことをした」という満足感だけを持つようになる。

 現在の日本は、1.5〜1.7ぐらいの段階でしょうか。場所によっては3ぐらいまで進んでいますが。

 この手の展開は「歴史は繰り返す」なので、またその内来るだろうなと思っています。人類は歴史に学ばない動物ですので。



 あと、どうでもよいですが、北の将軍様は頑張りすぎです。

 これだけ抑圧されると、あの国しか動かないというのは有り得ないと思いますが、ネタとしてはそこら辺が落としどころかなと思いました。本気でクーデターまで描くと、もっと大きな話になってしまいますので。



 以下、粗筋です。(流れ上のネタバレあり。流れはある程度整理して、映画の時間軸とは変えて並べています)

 日本以外が全部沈没して、日本は各国からの難民を受け入れることになった。

 アカデミー賞俳優など、最初はもてはやされていたが、日本中にいる外国からの難民に嫌気を指していていた日本人たちによって、すぐに職を奪われることになる。テレビでは、大怪獣が外国人を踏み潰す様子が受ける世相となる。

 日本人たちは、先住民族として特権階級となる。そんな中、外国人妻を持つ主人公の家庭は徐々にギクシャクしたものとなっていく。

 気付かぬ内に、特権意識と差別意識に凝り固まっていく主人公に対し、差別される側の立場にも共感できる妻は反発していく。

 そして、妻は落ちぶれたハリウッド俳優と恋に落ちる。彼女は主人公の静止を振り切り、国外追放されるハリウッド俳優に付いて行く。

 主人公は、各国の要人や報道関係者たちがたむろするバーに行く。そこでは、日本の首相にへつらう中国と韓国の首脳たちがいた。

 そのバーにテロリストたちが現れる。それは、北朝鮮の将軍様が率いる一団だった…。



 映画のキャッチフレーズは「64億420万人(日本以外)すべての外国人に捧ぐ」ですが、近所の国の人たちは切れるだろうなと思う感じの描写でした。特に、太鼓持ちとなっている某国の首脳たちの描写は。

 まあ、終盤「やっぱりそういう態度に変わるよね」といった感じの展開になっていましたが。

 徹頭徹尾B級映画ですので、B級映画好きの人向けの映画だなと思いました。
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