映画「エアポート'75」のDVDを一月の中旬に見ました。
1974年の作品で、監督はジャック・スマイト、脚本はドン・インガルスです。
前作の「大空港」(1970)の続編です。
でも、「大空港」といった感じの広がりはなかったです。たぶん名前は「エアプレーン」とした方が合うと思います。
空港規模の話ではなく、ジェット機の話が中心でしたので。
出来は「大空港」よりは遥かに劣っていましたが、それなりに楽しめました。
さて、この映画ですが、前半は「大空港」のようなスケール感が一切ないことで「駄作か?」と感じました。
しかし中盤以降、「エアポート」ではないけど「エアプレーン」としては、それなりに面白いといった内容になっていき、最終的にはそれなりに楽しめました。
あと、ヒロイン(というか女性主人公)のナンシーを演じる女優カレン・ブラックが、顔が濃過ぎて、現代的基準で美人ではないので、前半「ちょっとなあ」と思いました。
これは、けっこう気になりました。
後半は、顔なんか気にしている状態ではなくなるので、気にならなくなりましたが。
以下、粗筋です。(ネタバレあり。終盤の頭まで書いています)
ジャンボジェット機の主任客室乗務員の主人公は、今日もジェット機に乗り込んだ。
そのジェット機には、腎臓移植のために移動する少女や、副社長の妻子、往年のハリウッド女優などが乗っていた。
順調に飛行していたジェット機だが、目的地の空港の天気が荒れているために、他の空港に一時降りることになった。だが、その途中、セスナが激突してくる。パイロットが心臓発作を起こしたのが原因だった。
ジェット機の操縦席には大穴が空き、機長以下が死亡したり重傷となる。主人公は無線で指示を受けながら、自動操縦にスイッチを切り替える。
だが、このままではいずれ燃料が切れて墜落する。それに、現場は山岳地帯だった。山にぶつかる危険もある。
航空会社の副社長たちは、ジェット機操縦の教官からの無線指示で主人公に操縦をさせ、どうにか着陸まで導こうとする。
しかし、エンジンの一つが故障し、燃料漏れも起きる。彼女では無理なことは明白だった。
副社長たちは、レンジャー隊の協力を得て、操縦席の大穴からパイロットを送り込むという危険な賭けに打って出ることになる。
途中、テレビのキャスターが事件を嗅ぎ付けて、空港にやって来ます。
事情をまったく分かっていないこのキャスターは、ジェット機がセスナに突っ込んでセスナのパイロットを殺したとして、その夫人を連れてきて、航空会社を悪役にして、お涙頂戴番組に仕立てようとします。
現場の人間にしては、今まさに「ジェット機の大量の乗客」を救うために寸暇を惜しんで作業をしているのに、いい迷惑です。
それも、事実関係が完全に間違っているし。
テレビの報道は、基本的に現場の最新の映像を送ることが目的なので、事実関係の裏が取れていない(取っていない)ことが多いのでしょうが、こういう人が来ると邪魔だなと思いました。
テレビの取材を受けた人が、「事実と全く違うように報道された」という話をよく聞きますが、怖いなと思いました。
本作は、基本的に小品でした。
テレビで流れれば、それなりに楽しめるだろうけど、前作を期待して映画館に行くと、ちょっと損した気分になる作品だなと思いました。
でもまあ、「エアプレーン」だと割り切って見れば、それなりに面白かったです。
これ以降の作品は、右肩下がりに評価が下がっているようなので、まあ見ないだろうと思います。
(この後、「エアポート'77/バミューダからの脱出」(1977)、「エアポート'80」(1979)と、シリーズで合計四作作られることになる)