ソフトニック問題
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ソフトニック(Softonic)というサイトをご存知でしょうか? たぶんまだ、日本ではそれほど知名度はないと思います。
ソフトニックは、スペイン発のソフトウェア紹介サイトです。
このサイトには、ソフトウェアのレビューが多数掲載されており、ユーザーがそのソフトをサイト上から直接ダウンロードできるようになっています。
このソフトニックは、去年(2010年)日本に上陸しました。そして、既に多くのレビューが掲載されています。
このソフトニックで、著作権者の意図しない形で、ソフトウェアの再配布が行われているという報告がありました。
具体的には、ソフトにウェアに、勝手にソフトニックのソフトをバンドルして配布しているという報告です。
私の知人や友人には、ソフトウェアを作成している個人や法人の方が多いので、情報共有という形でこの問題に触れておきます。
この文章は、主にソフトウェア著作権者向けのものになります。また、ソフトニックの無断使用により直接の影響をこうむる人には、著作権者だけでなくユーザーも含まれます。そのため、一部そういった部分についても書いています。
以下、今回の問題の要点の箇条書きです。
● 著作権者にとっての問題
・ソフトニックに再配布を許諾していなくても、無断で再配布されている(送信可能化権の侵害)。
・再配布の際に、ソフトニックのツールバーをインストールするように、ラッピングされた形で再配布されている(ソフトウェアの無断改変による同一性保持権の侵害)。
・あたかも作者がソフトニックに再配布を許諾したように見えるので、ユーザーにとっては、ソフトニックのツールバーで発生したトラブルは、作者が引き起こした問題に見えてしまう(名誉声望保持権の侵害)。
・ユーザーがソフトを入手する際、一次配布元ではなく、ソフトニック経由での入手となってしまう(ソフトニックは、世界レベルでSEO対策をしている)。
● ユーザーにとっての問題
・ソフトニックを経由してソフトを入手すると、本来必要のない、ソフトニックのツールバーをインストールさせられる。
・ソフトニックを経由してソフトを入手すると、ソフトニックの本社のあるスペイン法で、ソフトニックと契約を結ばさせられる(管轄裁判所はバルセロナ)。
・ソフトニックを経由して入手したソフトは、作者が許諾していない無断配布なため、何かあっても適切なユーザーサポートを受けられない可能性がある(勝手に改変されているので、保証の対象外になる可能性がある)。
「著作権者にとっての問題」を要約すると、勝手にソフトを改変されて、無断で再配布されることです。
「ユーザーにとっての問題」を要約すると、本来そのソフトを入手する上で必要のない契約を、ソフトニックと結ばされて、ソフトをインストールされることです。また、本来のソフトの使用体験を、無断改変により損なわれることです。
ソフトニックが、こういった問題を引き起こしている背景には、ソフトニックの本社のあるスペインが、日本とは違う法体系を持っていることがあります。
スペインは日本とは違い、著作権に関しては法律が甘い国のようです。任天堂がマジコンを違法とする訴えを起こしたところ、敗訴したという過去もあります。
□Google - スペイン マジコン
http://www.google.co.jp/search?hl=ja&q=%E3%82... そのために、そういった意識の元で運営を行なっているのではないかと予想されます。
また、ソフトニックでは、ユーザーにソフトウェアを使用させる際に、スペイン法の下での契約を結ばさせます。そして、裁判はバルセロナで行なうことに同意させます。
ソフトニックは、「株式会社ソフトニック」という法人を日本に持ち、日本で活動を行なっていますが、日本の法律に従わないことを選んでいます。
このことから、日本国内での真摯な営業活動を行なっていないのではないかという疑問を抱きます。
以下、株式会社ソフトニックの会社概要を掲載しておきます。
□株式会社ソフトニック - 会社概要
http://www.softonic.jp/about/company-info社名:株式会社ソフトニック
創立日:2009年11月
所在地:〒150-8512 東京都渋谷区桜丘町26-1 セルリアンタワー15階
代表取締役社長兼CEO:内田 隆
それでは以下、ソフトニックの問題について、著作権者側の視点で深く掘り下げていきます。
[ソフトニック問題 1/6] ■ ソフトニックのソフトウェア著作物無断使用問題 概略[ソフトニック問題 2/6] ■ ソフトニックの概要とビジネスモデル[ソフトニック問題 3/6] ■ 著作権者に対するソフトニックの権利侵害[ソフトニック問題 4/6] ■ 問題を指摘した著作権者へのソフトニックの返答[ソフトニック問題 5/6] ■ ソフトニックへの弊社からの質問メールと現状の回答[ソフトニック問題 6/6] ■ デジタルコンテンツに対する私の考え方