2006年の読書のまとめ、その8です。
● 2006年08月(7冊/計56冊)
2006.08.02
■ 日本文学史(小西 甚一)(
★★★★★)
「俳句の世界」がよかったので読んだのですが、非常に面白かったです。
日本の文学の流れを、駆け足で解説していきます。一本筋の通った本で、その視点の明晰さにも感心しました。
この本に、ドナルド・キーン氏が後書きを寄せており、その内容を読んで、ドナルド・キーンの本にも興味を持ち、以後何冊か読むことになりました。
2006.08.08
■ 第三帝国の神殿にて〈上〉ナチス軍需相の証言(アルベルト シュペーア)(
★★★★★)
これは、驚嘆するほど面白いです。
ヒトラーのお抱え建築士として、ナチスの政治的な方向性とはほとんど無関係に出発したアルベルト・シュペーアが、悪魔に魅入られるようにして、ヒトラーの側近に抜擢され、技術屋の視点で活動を続ける話。
ナチスの内情や、高官たちの人物評など、興味深い話が満載です。
2006.08.18
■ 第三帝国の神殿にて〈下〉—ナチス軍需相の証言(アルベルト シュペーア)(
★★★★★)
下巻。こちらも面白いです。
ナチス・ドイツの最後に向けて、高官たちがどのような行動を取ったか、そして、戦後に捕虜となったあとの彼らの行動などが赤裸々に描かれています。
2006.08.21
■ 風の谷のナウシカ スタジオジブリ絵コンテ全集〈1〉(宮崎 駿)(
★★★★☆)
DVDと一緒に購入。やはりナウシカはよいです。
あと、ナウシカのDVDには、庵野秀明らによるオーディオ・コメンタリーが付いていて、これが秀逸でした。
2006.08.27
■ 日本ばちかん巡り(山口 文憲)(★★☆☆☆)
資料本。日本各地の宗教団体の本部や本拠地を取材して周った本。
宗教団体の空気を知るために役に立ちます。
2006.08.30
■ 果しなき流れの果に(小松 左京)(
★★★★★)
最初は「さすがに古いし、古めかしい雰囲気の本だな」と思って読み進めていたのですが、中盤以降、物語の方向性が見え初めて来てからは圧巻でした。
思わず「ぬおっ!」と言ってしまうスケールの大きさ。日本SFの金字塔と言われるだけあるなと思いました。
2006.08.31
■ 西の魔女が死んだ(梨木 香歩)(
★★★★☆)
読後の感想は「やられた」です。
ファンが多いのも納得のでき。非常に美しく物語がまとまっています。ただし、巻末の後日談のようなものは余計だと思いました。