映画「炎のメモリアル」のDVDを四月下旬に見ました。
よくできていました。
地味な話を、脚本と編集の妙でぐいぐい引っ張って行くよい映画でした。
公開当時、周囲の評価が高かったのですが、その理由が分かりました。手堅く上手いタイプの映画です。
映画は消防士の話です。
救出現場でビルの崩壊に巻き込まれた消防士を救う話と、彼が新人からベテランになっていく話が、切り替わりながら平行して進んで行きます。
最初の15分は火災現場で主人公が極限状態に追い込まれる部分。次の15分はその彼が新人として消防署に赴任してくる部分。
あとは、数分ごとに話を切り替えながら、徐々にクライマックスに向けて話を盛り上げていきます。
秀逸なのは、この新人からベテランへの成長側の物語。
火災現場に比べてどうしても地味になりがちなこちら側のシーンの“人生の切り取り方”が秀逸です。
短いエピソードを、ぽんぽんと挟む形式で進んでいくのですが、これが上手い。だれることもなく、過剰になることもなく、必要な情報を与えつつ、最後に向けて盛り上げていきます。
粗筋は書かないほうがよい映画なので書きません。
傑作ではないですが、よくできた秀作でした。面白かったです。