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2007年12月25日 16:04:30
イーオン・フラックス
 映画「イーオン・フラックス」のDVDを七日前に見ました。

 2005年の映画で、監督はカリン・クサマ。脚本はフィル・ヘイ、マット・マンフレディ。

 主演はシャーリーズ・セロンです。



 映画が始まった直後の会社タイトルの中に「MTV」の名前を見て「外れか?」と嫌な予感がしたら、外れでした。

 ガックリ。

 なぜ「外れか?」と思ったかというと、「MTV」と言えばミュージック・クリップです。

 そして、ミュージック・クリップの映像の撮り方と、アクション映画の撮り方は根本的に違うからです。

 この映画を見て、ミュージック・クリップ系の失敗を犯しているなと感じました。

 でも、監督はミュージック・クリップ系の人ではないということを後で聞きました。

 うーん。ということは、単に監督の実力が低かったようです。



 さて、この映画は、SFアクション映画なのですが、CGはそれなりにお金を掛けているのできれいです。

 しかし、アクションの撮り方がよくないです。

 ミュージック・クリップ系の映像をそのまま適用したら失敗するやり方と同じ失敗を犯しています。

 では、この映画では何が足りないのか?

 それは空間認識です。

 ミュージック・クリップ系の映像は、映像の印象の組み合わせで情感を伝えます。

 対して、アクション系の映像は、因果関係で成り立っています。

 つまり、「いつ・どこで・誰が・誰に対して・どのように・何をしたか」を映像で伝えないといけません。

 そうしないと事故を起こします。

 そして、ミュージック・クリップ系の映像を得意としている人は、時々この事故を起こします。

 アクション映画では、この因果関係の繋がりを濃密に描きながら、常識を超えるレベルの動きをさせると、「凄い!」となります。

 この映画では、その因果関係のうち「どこで(空間認識)」の要素がかなり飛んでいます。なので、「凄い」と感じないアクションになっています。

 あとはまあ、アクションが単調です。



 さらに、最初に「外れか?」と思った理由があります。

 それは、ミュージック・クリップ系の映像が得意な人(勝手にそう判断しています)と、生粋のアクション俳優でない人が組み合わさると事故率が高くなるからです。

 実際の監督はミュージック・クリップ系ではないということでしたが、その手のエラーを犯しています。

 そういったエラーはなぜ起こるのか?

 凄くないアクションを誤魔化すために、わざと因果関係を省く画面にするからです。

 なので、「外れか?」と嫌な予感がしたのです。

 そういった意味では、同時期で似た設定の「ウルトラヴァイオレット」の方が数段出来がいいです。こちらは、アクション分かっている人が撮っているので。

 近い時期に見たので、特に強くそう感じました。



 あと、この映画は、映像的にもう一つ事故を起こしています。

 それは、カメラが人物に近過ぎることです。

 そのために、やたら鬱陶しいです。

 この手法は、テレビ・ドラマや、ミュージック・クリップのような短い時間の映像では有効なのですが、映画ではマイナスに働きます。

 適度に「引き」の映像を入れて、緊張感を開放してやらないと、観客が疲れます。



 というわけで、空間認識が飛んでいるのと、カメラが近いので、映像面でいきなりマイナスでした。



 ストーリーの方は、まあこんな感じかと思いました。アクション&女優映画なので。

 ただ、アクション映画としては、決定的にアクション・シーンの企画が薄すぎます。

 リュック・ベッソンのアクション映画のように頑張って欲しいところです。



 また、この脚本は、SFとして根本的に欠陥があります。

 物語の大前提が、非科学的な理由になっています。

 誰もが「違うだろう」と思う、科学的設定を入れるならば、それを正当化するためのSF的要素が必要です。

 というわけで、その欠陥については、粗筋の後に書きます。ネタバレになりますので。



 以下、粗筋です。(大きなネタバレあり。終盤の直前まで書いています)

 病気で激減した人類。その人類を救う薬を開発した一族が、人類を狭い都市国家に押し込めて支配を続けていた。

 その都市の中には、一族の支配に反発する反逆者たちがいた。

 その組織の一人である女性は、かつて妹を支配者たちに殺された。

 彼女は、支配者一族の長兄を暗殺しにいく。しかし、彼に会ってびっくりする。彼女はなぜか、彼を知っていると感じて、長兄を暗殺できなかった。そして、長兄も彼女を知っているようだった。

 女性は牢に閉じ込められる。長兄は彼女に優しく接する。だが、女性にはその理由が分からない。

 女性は牢を脱出する。そして、再度暗殺を試みるために、長兄の自宅に向かう。

 そこには研究室があった。そして、そこで彼女は、自分の写真を発見する。

 長兄は、弟の反乱で孤立する。

 そして、女性と長兄は二人で逃げることになる。そこで長兄は意外なことを語りだす。

 この都市国家の人間たちは全てクローンで、病気が人類を激減させる前、女性と長兄は恋人だったと……。



 というわけで、ネタバレになる「設定の欠陥」です。

 えー、遺伝子を使ったクローンでは、記憶は継承されません。

 何か、そういった特殊な方法を利用しているのかと思いましたが、映画中では、ただたんに先行したクローンが、後で生まれたクローンに、「口頭で自分が聞いた話を伝えている」だけです。

 いくらなんでも、そこにはひねりがいるだろうと思いました。



 あと、なんだか、最近見ているSFは、似たような設定が多いですね。

「病気」→「人類激減」→「薬を開発した一部が人類を支配」

 割と製作年が近い映画が多い気がするのですが、流行なのでしょうか?

 気になりました。
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