映画「リトル・ミス・サンシャイン」のDVDを五月上旬に見ました。
2006年の映画で、監督はジョナサン・デイトンとヴァレリー・ファリス(夫婦のようです)。脚本はマイケル・アーント。
小品ですが面白かったです。
たまにこういった“ぐたぐた感漂うハートフルな話”を見ると心が和みます。
話の筋としては、娘(小学生低学年ぐらいか?)が、「リトル・ミス・サンシャイン」という子供向けミスコンに参加するというだけの話です。
そして、そこまでに行く間を描いたロードムービーです。
娘の家族全員で、車に乗って遠方まで行きます。そして各人がどんどん不幸スパイラルに入っていき、ドン底まで行った時に、開き直って家族愛に目覚めるという話です。
非常に分かりやすいベタベタな展開です。
でも、それがよかったです。
特に、各人各様の不幸っぷりが素敵でした。
この作品は、各登場人物(家族の構成員)のキャラが立っていてよかったです。
特におじいちゃんは、最後にいいところを持って行き過ぎです。Good Jobという感じです。やってくれたなと思いました。
でもまあ、中心にいるのは幼い娘です。
この子なのですが、ミスコンに出場する設定のくせに、ちょっとやばいんじゃと思うぐらいぽっちゃりしています。
正直、最初に出てきた時、「この年で妊娠?」と思いました。そしてその直後「いくらなんでもそういった設定ではないだろう」と思いました。
たんに太っているだけでした。
お腹周りだけ、以上に太いです。
まあ、この体型でミスコンに出場する辺りが、終盤の展開の条件付けになっているのですが。
しかしこの子の体型は、「痩せた方がいいんじゃない?」と本気で心配になりました。
以下、粗筋です。(大きなネタバレはなし。終盤まで書いています)
娘が「リトル・ミス・サンシャイン」という子供向けのミスコンに参加することになった家族。
その一家は、かなりごたついた状態だった。
父親は、成功するための行動パターンを研究して本を出版しようとしている“成功とはほど遠い”研究家。
母親はそんな夫を支持しており、息子は、そんな“負け組を否定する両親”に愛想をつかして無言の行に入っている思春期の少年。
父親の父(娘の祖父)は、エロとヘロインが大好きなじいさん。
母親の兄で、急遽居候することになった元大学教授は、ゲイで失恋して自殺未遂を起こした人物。
彼らは娘のミスコンに参加するために、おんぼろ車に乗って家を出発した。
しかしその途中、各人各様に不幸が舞い込み、全員ずたぼろの精神状態になりながら会場にたどり着く。
彼らの頭にはもう、娘をミスコンに参加させることしかなかった。だが、そのミスコンが、明らかに娘のためにならないと知った時、彼らは一致団結して意外な行動に出ることになる……。
個人的には、息子と伯父の微妙な目線での会話がよかったです。
息子(無言)「ほら、またこれだよ」
伯父(無言)「いつも、こんななのか?」
息子(無言)「ああ、そうだよ」
伯父(無言)「君に同情するよ」
こういった目線だけの会話が随所に挟まれます。
これがなかなか楽しいです。
こういった会話が成立するように、家族の中に異物(伯父)を紛れ込ませているのは、上手い設定だなと思いました。
家族だけでは、こういった会話が行われず、状況説明が一切できなくなってしまいますので。
予算的にも内容的にも小品に属する作品だと思いますが、なかなか面白かったです。