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2003年10月30日 04:21:47
漫戦スピリッツという雑誌があります。どういう雑誌かと言うと、新人のマンガをズラリと並べ、読者に人気投票をさせて、1位を取ったら100万円という企画雑誌です。載っている漫画のクオリティには非常にバラツキがあるのですが、興味を持って読んでいます。
興味の1番あるところは、どのマンガが1位を取るかです。毎回自分で、今回はこのマンガが1位だろうと思い覚えておくのですが、自分が選んだマンガは2位のことが多いです。世間とのズレの補正に役立ちます。いや、この雑誌に投票する人達は世間一般とはズレているのでしょうが。
漫戦スピリッツを読んでいて思うのは、正統派のマンガがほとんどないということです。だいたい、毎回2つぐらいしかないです。新人として目立つためには、奇抜なことをしないといけないでしょうし、正統派を書くのにはそれ相応の実力がいるでしょうし、なかなか難しいのかもしれません。
しかし、だいたい1位を取っているマンガは、正統派のマンガです。正統派という言葉が適切でなければ、マンガをマンガとして素直に読める作品です。基本的なところがきちんとできているマンガと言ってもよいかもしれません。お話があって、コマ割があって、分かりやすく適切な絵があるものです。
今回の号では、家永映三氏の「楽園」というマンガが、その基本的なところのクオリティが段違いに高かったです。新人?と思わず首をひねってしまいました。基本がしっかりと出来ているなあと思いました。
読み終わった後、自分を振りかえってみて、はたして基本というものがしっかりあるのだろうかと自問自答しました。私の場合、ほとんどのことが独学です。必要に応じて、必要なスキルを短期間に習得するのは得意です。ただ、それは器用だというだけのことで、基本となる確固たる柱があるわけではありません。
基本をみっちりやる、修行の時間が必要だなあ。そう日々思いながらそのために時間を割いていないのは怠慢だなと反省しています。目先のことだけでなく、時間のやりくりをもっと考えないといけません。