ここ2週間ほど、ユーザーサポートメールで、どうにかならないかなあと思う「問題メール」が多くて非常に萎えました。ユーザーサポートに関しては、今まで何度も書いていますが、また少し書こうと思います。
私の場合、基本的に来たメール全てに返信を書いています。だいたい日に10〜20通ぐらいのユーザーサポートメールに返信を書いています。そういった環境の中、先月までは質の高いメールが多かったので割と気を抜いていました。
しかしこの2週間、質が低いメールが数件集中して届いたので一気に頭を抱えてしまいました。そういったメールの内容は、だいたい共通しています。以下、そういった問題メールの特徴をリストアップします。
●情報不足
「動きません」「できません」「分かりません」とだけ書いてあって、「何が」「どのように」という情報がまったく書いてありません。ひどいメールになると、ソフト名すら書いていません。私は超能力者でもホームズでもないので、書いてあることだけしか分かりません。
そのメールが自分に届いた場合に、果たして理解できるのかどうか、メールを出す前に読み直して欲しいものです。
●文章が理解不能
文章が非常に難解で、解読不能な場合があります。そういったときは、可能性のある訳文を何種類か私が書き出して、「果たしてその文章が本当に意図していたのはどういった内容なのですか」と、質問を質問で返さなければなりません。
可能な限りでよいですので、平易な日本語を書いて下さい。普段読んでいる本や雑誌を参考に、読みやすい文章を書くことを心がけて欲しいものです。
●質問の相手が違う
過去に私が感想や使用体験などを書いたソフトに対してユーザーサポートを送って来る方がいます。そのソフトの作者宛てに送るようにした方がよいです。
●件名(subject)が挨拶
メールの内容を端的に表す件名にして欲しいものです。「はじめまして」などと件名で書かれても、スパムメールにしか見えません。
●あなたは誰?
本文が1行だけで、用件しか書かれていないメールも多いです。それだと、どういった人物がどういった目的で送ってきたメールかさっぱり分かりません。
ユーザーサポートには相手のプロフィールが必要です。相手の技術習熟度などでメールの返信の内容は変わります。
●調べて下さい
検索するなり、ヘルプを見るなり、FAQを見るなり、先に少しでも調べていれば分かる質問が多いです。まず自分で調べて下さい。
●質問逃げ
情報不足のためユーザーサポートが不能な場合は、必要な情報を私がリストアップして、「この情報を書いて送って下さい」と返信することが多いです。そういったメールを送ると、面倒だからとそのまま逃げる人もいます。
ユーザーサポートは無料ではありません。時間というコストがかかるものです。全部相手の負担でユーザーサポートを受けるという考え方はやめて下さい。コストはユーザーサポートを受ける側と行なう側で相互負担するべきだと考えて下さい。
メールにただ「分かりません」と書くだけで全てが解決すると思うのは、電話で誰かを呼びつけたら勝手にパソコンの修理を行ってくれると思っているのと同じ考え方です。出張料取られます普通なら。それはおかしいと理解して下さい。
もう少し、物を考える習慣を持って欲しいものです。
相手に通じないメールを書く人が多いのは、文章を書く習慣がない人が、インターネットの普及で大量に文章を書き出したのが一因ではないかと思っています。ハガキ→手紙→FAX→メールと、ごくごくまっとうな文章経験を経ている人は少ないのだろうなあと思います。
半年に1回ぐらいは、こういうことを書いておかないといけないなあと思っています。タイムリーに以下の話題を見かけたので。
人工事実 初心者相手のフォロー技術系メーリングリストで質問するときのパターン・ランゲージ