今週末に、
セミナー スタジオジブリの3D作法〜平成狸合戦からハウルの動く城まで〜に行く予約をしているので、予習として今朝ハウルの動く城を見てきました。
結論から言うと、私には物語は面白くなかったです。映像は非常にきれいで、色の選択などもはっとさせられることが多く、ジブリらしいよい仕事だなと思ったのですが、物語は私には全然駄目でした。
一言で言うと希薄。登場人物の動機付けが弱く、なぜ、どうしてにまったく答えてくれません。基本的に愛の物語だと思うのですが、なぜそれで愛が育まれるのか全く謎。ほとんどのキャラクターの行動の理由が示されず、なぜ彼らがそう考え、そう動くのかが私には理解できませんでした。戦争も何の説明もなく、BGMのように戦争をしているだけ。2時間の映画ですが、30分〜1時間ぐらいの内容かなと思いました。
手法的なことを言うと、積み重ねがないです。ぽんと出した情報を、了解事項としてすぐに結論に行く。そんな物語の展開が随所に見られ、正直どういう意図でそうしたのかなと思いました。千と千尋の神隠しで、あんなに感情の展開を丁寧に描写していたのに。千と千尋の神隠しは、もののけ姫の失点を取り返すよい出来だったのに。
また、物語の盛り上がり部分がなく、ダイナミックレンジが非常に狭かったのも不満でした。
でもまあ、作品は作り手と受け手で完成するので、私以外の人が見れば違う感想かもしれません。
さて、キャラクターですが、マルクル(少年)役の神木隆之介がよかったです。凄い生き生きしていました。
基本的に萌え要素のない映画なのですが、太眉好きな人は主人公に喜ぶかもしれません。主人公は太眉娘なので。あとは軍事兵器好きな人も喜ぶでしょうか。
私は、背景(特に遠景)の色の選択が今回一番よかったです。