2005年05月28日 17:41:56
(mixiに書き散らした文章からの修正転載)
名作の名に恥じない名作。
冒頭で反戦映画であることを謳い、内容も徹底的に反戦映画。戦争を批判する要素をこれでもと詰め込み、そのそれぞれで狙った効果を上げている。
戦争の熱狂、民衆の無責任さ、戦争する理由のない兵士達、戦場の困窮、仲間が凄い勢いでゴミのように死んでいくさま、自分が虫けらのように死ぬさま……。
兵士になった一般人は、戦場で泣きながら突撃し、腕が飛び、足が飛び、絶望して野戦病院で死んでいく。
友人達は、恐怖で眠れぬ夜が続き、発狂寸前になる。
主人公は、相手を自分の手で殺す後味の悪さを知り、いつの間にかそれになれていく。
余す所なく描かれる「若者の参戦から彼の戦争の終わり」までの話。これでもかと積め込まれたエピソードの一つ一つが強烈に胸に突き刺さってきます。
「人道的に」とか、「殺人を批判する」などといったことは一切言わず、ともかく「自分の生命と精神を守るために戦争をするな」というメッセージで貫かれた一作。
冒頭で言った通り、名作の名に恥じない名作でした。