2005年08月10日 03:13:52
松本零士の短編です。今日読みましたが、妙にぐっときました。
たぶん、ぐっとくるのは、地方出身者で、ある程度年齢がいった都会に住む人達だと思います。
「終戦60周年特別読み切り」と銘打たれていましたが、終戦は時代背景だけで、地方を離れ都会を目指した松本零士が「そういった自分自身を肯定する」といった内容のマンガだと感じました。
話の内容は、「終戦後、松本零士が小倉から列車に乗って東京へ向かう」それだけです。
その中に、子供の頃の話や、当時の時代背景や、小倉時代の松本零士の周りの環境や、銀河鉄道999やらのモチーフを断片的に繋ぎ合わせてモノローグで語っていく。
そういう物語です。
これが、やたら胸に響きました。
物語マンガの正統な手法ではありません。叙情詩マンガと言ったほうが合っていると思います。
元々詩的なマンガを書く作者ですが、心に染みました。
私も北九州出身なので、いろいろとシンクロするところがあり、かなり引き込まれてしまいました。
万人にとって面白い作品ではありませんが、ある特定の人の心には確かに響く作品だと思いました。