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記憶のアクセス性

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2005/09/07(水) 00:58:00
 今日は、海外の取り引き先の方と飲んでいました。

 携帯ビジネス関係の方だったので、だいたいそういった話をしていたのですが、その中で、「携帯電話でムービーや、マンガや、小説を読むこと」について、私がどう考えているかということを聞かれました。

 マンガは少なくとも紙がよいですと答えました。以前Junkさんに携帯で読むマンガ(仮面ライダー)を見せてもらいましたが、少なくとも単行本ぐらいの画面サイズがないと読みにくい。それに、携帯電話の画面に限らず、パソコン画面でも読み難く、そういったことから考えると、マンガは圧倒的に紙媒体の方が読みやすいものだと感じています。これは、解像度と輝度の問題が大きいだろうと思います。

 小説も紙の方がよいです。でも、これは私個人の好みです。若い人たちは携帯で小説を読むのに抵抗はないので、たぶん問題なく読めるものなのでしょう。ただ、私たちおよび、そのもう少し下の世代は、子供時代に紙から文字情報を摂取していた世代なので、携帯電話で小説を読むのは、やはり馴染めないと思う。

 そういう答えを返したあとに、「情報を本の形で読むことや、所有することのメリットはあるのか」という質問をされました。

 そこで私が答えたのが「記憶のアクセス性」です。

 ここ1〜2週間考えていたことなのですが、「パソコンや携帯電話から情報を摂取することは、人間の思考方法をどう変えるのか」という命題があります。

 そのなかで考えていたことが「記憶には2種類の要素がある」ということです。1つが記憶の保存。もう1つが記憶の呼び出し。

 パソコンや携帯を通して摂取した情報は、画一化された最低限の情報に近く、流通性や摂取性は高いが、記憶のトリガーになる要素が少ない。そのために、頭の中に記憶した情報を呼び出すときのインデックス化がされ難い。

 どの方法で情報を摂取しても、情報のインデックスの量は同じだと言う人がいるかもしれませんが、私がここで重視したいのは身体性に関わる感覚情報です。情報を摂取するときに、厳密に情報だけを記憶する人はほとんどいません。そのときの目に映っているものや、指先の感覚や、音や、感情や、そういったものを含めて記憶は保存されていきます。

 本には、厚さや、紙の色や、文字の刷りや、表紙の手触りや、その他多くの身体性に関わる感覚情報が(ある程度)あります。そして本に書かれた情報を、「本」という物理的な塊のイメージとして脳内にインデックスを作って保存することができます。なので、記憶を蘇らせるためのトリガーが多く、比較的記憶を取り出しやすい。

 こういった記憶のインデックス化については、最近本棚を整理したときに強く感じました。見えるところに、どういった本の背表紙を並べるかで、思考回路が切り替わります。

 物書きのなかには、現在書いている文章に関連する本を、読まなくてもいいから机の上に積み上げる人もいると聞きます。それは、こういった記憶のアクセス性をあげるための方法なのでしょう。

 対して、パソコンや携帯は、その表面に表示される情報が違うだけなので、身体性を手掛かりに情報を呼び出しにくい。また、物理的な塊としてイメージされていないので、抽象性が高く、脳内から情報を引き出し難い。

 そういったことを考えると、攻殻機動隊などに代表される電脳イメージで、情報を視覚化して三次元空間のなかで把握させるという方法は、情報へのアクセス性という意味では冗長であるが、記憶へのアクセス性という意味では意味があるのかもしれないと思いました。

 以下、少しだけ余談です。

 生まれ立ての赤ん坊は、具体的な名詞から言葉を覚えていき、そのあとで抽象度が高い動詞や形容詞などを覚えていきます。この言語記憶のインデックス化の仕方から考えれば、本の情報は名詞の記憶に近い方法で記憶を形成でき、パソコンや携帯から摂取した情報は、抽象度の高い形容詞に近い記憶の仕方がなされるのではないかと推測しています。

(ただし、本自体の抽象度は高いので、同レベルで語ることはできないでしょうが)

 こういった理由から、私は携帯で小説を読むよりも、本で小説を読む方が記憶の活用という意味では有用と思う。そういう返事をしました。

 娯楽という意味では、小説を携帯で読もうが本で読もうが構わないと思うのですが、記憶を将来活用しようと思う限りにおいては、本のほうがよいと思います。もっと言うと、本で情報を得るより、実体験できる方が、記憶のアクセス性という意味では価値がある。ただし、実体験向きの情報(身体性に近い内容)もあれば、本向きの情報(抽象度の高い内容)もある。そういう話をしました。

 また、今回の「記憶のアクセス性」に関連して、最近私が考えていることは、パソコンや携帯から大量の情報を摂取している若い人たちと、私たち「本世代」とでは、脳の記憶の保持の仕方や、活用の仕方が若干異なっている可能性があるということです。

 脳の使われ方は環境により変わる(どの言語および文化環境で生まれたかによって、赤ん坊の時点で認知の仕方が変わる)ので、情報の摂取の仕方が違う層は、異なった脳の使い方をしている可能性があります。その脳の利用方法の違いが分かれば、現在私が身に付けていない、新しい脳の思考経路を体得して使用することができるかもしれません。

 思考の最適化と、状況に応じた脳の使い方の切り替えは、昔からの課題の1つです。

 まだまだ、世の中には学ばねばならないことがいっぱいあります。
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