映画「チャーリーとチョコレート工場」を見ました。ティム・バートン一色だった。久しぶりに、彼らしい映画で大満足。おとぎばなしのようなイメージの奔流を久しぶりに堪能しました。
「シザー・ハンズ」とか「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」とか、そういった方向性のティム・バートンの作品が好きな人は見て間違いなしの映画です。
さて、映画の感想ですが、ブラックでちょっと怖かった。
粗筋は以下の通り。
世界的チョコレート会社を一人で運営しているお菓子職人のウィリー・ウォンカは、その秘密の工場に子供を5人招待することを決定した。
彼はチョコレートの袋のなかにゴールデン・チケットを5枚入れて世界中にばらまいた。チケットはどんどん見つかり、招待される子供が決まっていく。一人は食いしん坊の男の子、もう一人は大金持ちの女の子、次の一人は野心家の娘、4人目はいけすかない天才児。そして最後の一人は貧乏だけど心優しいチャーリー少年。
チケットをゲットした人は、家族を一人連れて来ることができる。また、一人だけに特別賞も用意されているという。彼らは家族とともに、ウォンカのチョコレート工場にやってきた。
そして、不思議な工場を見学しながら、ウォンカの恐ろしい罠で、一人、また一人と姿を消していく……。最後に残って、特別賞を得るのはいったい誰なのだろう?
こんなストーリーです。これ以上書くとネタバレするので書きません。
子供がいろいろな罠というか、自分の欲望で墓穴を掘って脱落していくのですが、その仕掛けがシュールでブラックです。深く考えると、ぞっとするような恐ろしい手段で、ウォンカは一人一人、嬉しそうに子供を消していきます。
サイケデリックでどこか可愛いティム・バートンらしい造形で誤魔化されていますが、ともかくシュールでブラック。ジョニー・デップの演技もその怪しさを引き立てています。
基本的には心温まるいいお話なのですが細部が怖いです。上手いなと思います。非常に楽しめました。
最後に、原作のロアルド・ダールに関して少し。
私が初めてロアルド・ダールの名前に触れたのは、「
ロアルド・ダールの幽霊物語」という短編集でした。これはロアルド・ダールが選者として選んだ怖い小説が多数収録されたホラー小説集。読んだのは高校の頃でしたが、ともかく本気で怖くて面白かった記憶があります。
そのうちまた読み直したい1冊です。