映画「パニック・ルーム」のDVDを10月下旬に見たので感想です。
シチュエーションとキャラを設定して「よーい、ドン!」で映画のゴールまで突っ走るという感じの映画です。
「パニックルーム(緊急避難室)」というシチュエーションと、「母娘V.S.強盗」というキャラ配置が、この映画の全てです。物語はこの設定から想像されるままのものになります。
「限定閉鎖空間での知能戦」に分類される作品と思われるのですが、なかなか面白かったです。
この映画は、粗筋を書くよりも、設定を書いた方が適切だと思うので、そちらを書きます。
設定1:建物
年老いた大金持ちがかつて住んでいた家を、離婚直後の女性とその娘が、元旦那への当て付けとして購入。
設定2:パニックルーム
建物には「パニックルーム」と呼ばれる、緊急避難室が用意されていた。
この部屋は、スチールとコンクリートによる堅固な防壁と、分厚い扉、数日分の食料に、建物の全室を監視できるカメラシステム、それに専用の別系統の電話回線が引かれている。
ただし、「別系統の電話回線」(警察に連絡したりする目的で使う)は、現在は契約を切っているので不通になっている。
設定3:遺産
建物を購入した母娘や、建物を売りに出した不動産業者は知らなかったが、この建物のパニックルームには、「大金持ちの隠し遺産」が残されている。
設定4:母娘
母は離婚直後のため、家には母娘の女性2人しかいない。娘には、時限爆弾になるような持病がある(途中で明かされる)。
設定5:強盗
強盗は3人。
1人目は、大金持ちの老人の血縁者のひとりで、遺産の話を聞き出した男。彼がリーダー。
2人目は、パニックルームを設計した会社の人間で、バリバリの技術者。殺しだけはしたくないと思っている男。
3人目は、リーダーが連れて来た謎の覆面男。防弾チョッキを着込み、やる気満々。(技術者は現場で初めてこの男と出会う)
あとは、この設定で、「家」という閉鎖空間のなかで「母娘V.S.強盗」が延々と展開していきます。
滅茶苦茶分かりやすい映画です。
最初、ホラーかと思って借りてきたのですが、「ダイ・ハード」とか、そっちに近い乗りの内容でした。なかなか楽しめました。
さて、以下は超個人的な感想です。
娘の造形がよかった。
娘役は、クリステン・スチュワート(Kristen Stewart)という女の子なのですが、この子の(映画前半の)容姿がとてもよかったです。
写真(あまりいい写真がなかった……)
まだ女性の肉付きになっておらず、胸がなく、ボーイッシュな顔と髪型をしていて、すらりとした華奢な体をしています。少女マンガでは、こういった容姿の女の子は時々出て来るのですが、現実世界ではほとんどお目にかかれないタイプです。
私の好む女性の容姿のパターンの1つです。
こういった容姿のバランスは、この年頃の女の子にしか出せないものです。維持できる期間も短く、元々の美人さも必要になってくるので、非常に希少価値が高いです。
私は、人間の女性の造形のピークは2つあると思っています。その1つは、小学校高学年から中学校に掛けての造形で、もう1つは、20代の造形です。
人間は経年によって容姿の特徴が強調されていきます。そのため、そういった強調がまだ成されていない年齢の容姿というのは、曖昧なバランスが維持されており、儚げな印象の容姿になります。
また、10代前半では性別的な特徴もあまり強調されていません。そのために、非常に中性的な美しさを醸し出します。
これは観賞に値するものです。
(女性は高校生ぐらいで肉体が一度膨張します。そのバランスは美しくないと私は思っています。それ以降は安定していき、女性らしい美しさになります)
本作のクリステン・スチュワートは、この前者のカテゴリーに入る造形の美しさを出していました。これが非常によかったです。
映画とは無関係に、これはインプットしておくビジュアルパターンの1つだと思い、クリステン・スチュワートの映像を脳内に記録しておきました。