2006年01月19日 00:20:17
映画「ソウ」のDVDを12月中旬に見ました。
いや〜、ようやく見れましたよ。深川拓さんに「なければ貸しますよ」とまで言われた、いわく付きの映画です。
レンタルショップに10本ぐらいあるのにずっと借りられっぱなしで、悔しい思いをしていました。
感想。面白かったです。
密度の濃いストーリーと設定、そして圧倒的で畳み掛けるような展開と、最後の超どんでん返し。とても楽しめました。
以下、粗筋。
汚れた密室で二人の男は目覚めた。
一人は青年。もう一人は中年の医師。彼らの足には鎖が付けられており、二人は部屋の対角線上の角に繋がれていた。
「ここはどこだ。いったいなぜ俺はここにいるんだ?」
青年は言う。
「俺も分からない」
医師は答える。彼らは顔見知りではない。
二人のあいだには一体の自殺死体が転がっていた。左手には拳銃、頭からは大量の血、そして右手にはテープレコーダー。
二人は自分たちの着ている服を探り、カセットテープを見つける。そして死体からテープレコーダーを奪い、それぞれのテープを聞く。
そこには「六時」というタイムリミットと、「相手を殺せ」というメッセージが録音されていた。
「いったい、これはどういうことなんだ! 誰が仕組んだんだ!」
叫ぶ青年を尻目に、医師は「仕組んだのが誰だか、俺は知っているかもしれない」と告げる。
ここ最近、人々に“死を賭けたゲーム”をさせる、謎の殺人犯が出没していた。
医師はその犯人を知っていた。いや、正確に言うならば“犯人に間違われて、警察に捕まりそうになった”ことがあった。そのせいで、“彼”についての情報を、一般人よりも多く知っている。
部屋には真新しい時計が掲げてあった。針は徐々にタイムリミットの“六時”に近付いていく。
二人は部屋を探り、医師は“着信専用の携帯電話”を入手する。そして、自分の妻と娘が犯人に捕らわれていることを知る。
二人は疑心暗鬼のまま考え始めた。犯人の正体を、密室から脱出する方法を。
彼らは互いの知っている情報、思い出したことを小出しに語る。そして青年は“恐るべき犯罪に自分が巻き込まれたこと”に気付いていき、医師は“目の前の相手が何者なのか”を知っていく。
そして時間は過ぎていき、青年と医師と犯人の息の詰まる心理戦は予想外の結末へと至る。
圧巻でした。
映画が終わって少し経つと、「その設定はおかしいだろう」という粗はボロボロと出てくるのですが、映画を見ているあいだは、そんなことは微塵も感じさせない怒涛のような緊迫感で一気にラストまで持っていってくれました。
非常によい映画でした。
DVDに製作者インタビューが付いていたのですが、監督は中国系の若いベビーフェイスな男性でした。脚本は、青年役の人。
元々、低予算で自主製作をするための脚本を考えていて、「密室で二人なら予算がほとんど掛からない」というところから始まったそうです。
その後、「二人が鎖で繋がれている」というアイデアが出たところで、物語作りはスパークしたということでした。
「二人とも、この映画のストーリーが大好きなんだ」と監督と脚本家は言っていました。その思いが伝わってくる、よい映画に仕上がっていました。