2006年04月19日 03:45:57
映画「クリムゾン・リバー」のDVDを三月中旬に見ました。
好みは分かれそうですが、時間も短く、雰囲気もたっぷりできちんと楽しめました。
難点は二つ。
圧倒的な盛り上がりがないことと、バーチャファイターをフューチャーし過ぎなこと。
前者はまあ、元々トーンを抑えて、湿った冷たい雰囲気を出す方向性の映画なのでまあいいのですが、後者は大きな問題があります。
映画中、「ラウンド1!」とか音声が入ったら駄目でしょう。
「監督がやりたかったんだろうな」と思いましたが、この映画でやるべきことじゃないだろうと感じました。
以下、粗筋です。ミステリー物なので、序盤だけ書きます。
ヨーロッパでも最古の大学。その校舎は山深い閉ざされた高地にあった。
大学の職員や教授は、代々同じ家庭から輩出されているという特殊な場所。この地で、奇妙な殺人事件が起こった。
パリの有名な刑事が、その事件の解決のために招かれる。そして彼は、この大学の不可思議な因習を知っていく。
また同じ頃、田舎町に新しく赴任してきた警察官は、同時期に起こった墓荒らしと小学校への不審者侵入を知る。
彼はその犯人について調べていくうちに、ヨーロッパ最古の大学のある地に赴くことになる。
二つの事件は一人の男で繋がり、その背後に隠された恐るべき陰謀が浮きあがってくる。
それが「恐るべき陰謀」と感じるところが、「第二次大戦を経たあとのヨーロッパだよな」と思いました。
日本人にとっては、そんなに「恐るべき陰謀」と感じないのが難点。
しかしまあ「クリムゾン・リバー」とは、よくタイトルを付けたなと思いました。
映画中、ミス・ディレクションをうまく重ねていますし。これはなかなかよかったです。
(まだ未見の人もいると思うので詳細は書きません)
あと、フランス映画を見るたびに、ドイツに対するアレルギーが凄いんだなと感じます。
作品を見ていて何よりも感心したのは雰囲気作り。これは大いに成功しています。
前半の出来がよく、後半はちょっと落ちます。せっかく作った雰囲気が後半ではあまり生きていません。
まあ楽しめたけど、すごい面白い映画ではなかったです。