映画「オープン・ウォーター」のDVDを七月上旬に見ました。
製作者たちは大手映画会社の人たちではないために、撮影時間を捻出しながら長い時間を掛けてこつこつと映画を撮り、この作品で一般に名が知られるようになったそうです。
そういった経緯を持った映画なので、どういった作りになっているのか、完成度はどのくらいなのかということを、興味を持って見ました。
以下、粗筋です。
休暇にダイビングに来た恋人たち。彼らは船に乗って海に行った。
二人はダイビングを楽しみ浮上する。すると船の姿がどこにもない。船のオーナーが人数を数え間違えたせいで、置いてけぼりにされてしまったのだ。
ここは鮫が出ると言われている海域──。
その場所で二人は“ただ海を漂うだけしかできない状態”で、絶望の時間を過ごすことになる。
私の記憶が確かならば、実話を元にしたお話のはずです。
見て、第一に思ったのは、「船のオーナーは、人数だけではなく、乗った人の名前も確認して点呼を取れよ」ということです。
そりゃあ、船のオーナーは遅かれ早かれ、いつかこういう大失態を犯します。
しかしまあ、自力でどうにもできない状況で緩慢に死に向かう時間を過ごす(ふつう海にいればいずれ体力が尽きて死ぬ)のは、嫌だなと思いました。
さて、映画が始まって最初に気になったのはその映像表現です。
カメラの距離感がどうにも近過ぎる気がする。
私の生理的に気持ちのよい距離感ではなく、より過ぎに感じてしまう。
あと、ショットが短過ぎる。
長撮りをして間を持たせる技術がないから、短いショットの連続でリズムを出そうとしているのだと思いますが、本当ならショット内で、ある程度リズムを作るべき。
この二つの感想を序盤の十分で抱きました。そして、絵的に使える映像素材を撮ることと、映像的に使える映像素材を撮ることは別物なのだなと感じました。
そういう意味では、スタッフが映画の映像表現に慣れていないのが露骨に出ています。
自分で何か映像を撮るときには、注意しなければならないです。
映像的には、こういった難点があるのですが、海に置いてけぼりにされてからの緊迫感はなかなのものでした。
及第点には達している映画だと思いました。