映画「フェノミナン」のDVDを五日前に見ました。
ジョン・トラボルタ主演の映画で、エリック・クラプトンの「チェンジ・ザ・ワールド」が使われている映画です。
1996年ということで、ちょうど10年前の映画です。当時観ようかどうか考えたけど、「フェノミナン」というタイトルが意味不明だったのでスルーした記憶があります。
そして今回、DVDで借りてきて「フェノミナン」の綴りを見ました。
「PHENOMENON」
「それって“バオー・アームド・フェノメノン”の“フェノメノン”ではないか!」と、ようやく気付きました。
ちなみに、「PHENOMENON」は「現象// (〜s) 驚異的な事物;〈話〉非凡な人」という意味です。この映画では「非凡な人」という意味だと思います。
題名に関してだらだらと書きましたが、映画は非常によくできていました。
以下、粗筋です。(ネタばれあり。終盤近くまで書いています)
田舎町に住む平凡で善良な男ジョージは、37歳の誕生日に眩い光を見る。
その日以来、彼は天才的頭脳に目覚める。ジョージは図書館の本を読み漁り、様々な発明をして、周囲の人を驚かせる。
そんな彼は一人の女性に惚れていた。夫を失い、二人の子供を養っている美人の家具職人だ。ジョージは彼女にアプローチをし続けるが仲はなかなか進展しない。
彼女は夫をなくして以来、自分たちを見る人々の目が変わったことによる人間不信に陥っていた。
しかし、そんな彼女もジョージの熱意にほだされ、二人の距離は徐々に縮まる。
だが、運命はジョージの予想もしなかった方向に進み始める。ジョージが軍の暗号を暇潰しに解いたために彼はFBIに連行される。
そしてジョージは念動力も発現させる。この力のせいで、町の人々のジョージを見る目は一変する。
そんな状況のなか、彼のことを今まで通りの目で見てくれるのは、親友と、子供時代からの主治医と、ジョージが思いを寄せる女性の家族たちだけだった。
彼女は、周囲の人々に冷たい視線を浴びせられる辛さを知っており、そのためにジョージの心の痛みを理解することができた。
二人の距離は一気に縮まる。
しかし、幸せは長くは続かなかった。ジョージの脳は、謎の腫瘍に冒されていた。彼の脅威的な能力の発現はこの腫瘍のせいだった……。
よくできていました。ほろりと涙が出る作品でした。
最初は単なる「善良な人の物語」「理解されない人の苦悩の話」かと思っていました。
しかし、終盤になると「自分の人生を生きるとはどういうことか」といった内容にテーマがシフトしていきます。
最後は序盤から終盤までのテーマがうまく融合しあって、「少し悲しいけどとてもよいお話」として高い位置に昇華していました。
非常によいファンタジーでした。
名前でスルーしていましたが、中身はよくできた良作映画でした。
さて、この映画で一つだけ心に残った台詞があります。
映画中、一人の大学教授が出てきます。彼はジョージの才能を知り、半信半疑ながらも徐々にその能力を認めていきます。
脳腫瘍に冒されたジョージが、その教授のために多くの研究アイデアを書きとめておき、彼に託すというシーンがありました。
その書類を渡された教授が、ジョージの期待に応えようとしてこのような台詞を言います。
「ベストを尽くします」
私はこのシーンで、涙が溢れそうになりました。
何ができるかは分からないが、あなたの期待に応えられるように全力を尽くしたいと思う……。
短い台詞ですが、どこかで使いたいなと思いました。