映画「ポセイドン・アドベンチャー」のDVDを八月上旬に見ました。
今年公開になった「ポセイドン」のオリジナルです。
「ポセイドン」が突っ込みどころ満載のアレゲな映画だったようなので、元はどうだったのかを確認するために借りてきました。
オリジナルは、スペクタクル映画としてはよくできていましたが、非常に突っ込みどころ満載の映画でした。
どっちもアレゲか……。
要約すると、「転覆した豪華客船のなかで、無鉄砲で超強運の神父が、自分の言動の矛盾を一切気にせず、仲間を引き連れて脱出を図る。
そして、運だけで危機を突破した癖に、『俺は神の手を借りずに実力でここまで来た!』と神を罵倒する」そんな映画。
なんだかなと思いました。
映画中、神父と毎回意見が対立する中年刑事が出てきます。
彼のそれなりに真っ当な意見は、神父の強運でどんどん覆されていきます。なんというか、非常にかわいそうでした。
以下、粗筋です。(最初の四十分ぐらいです)
豪華客船ポセイドン。アメリカからギリシアを目指していたこの船では、新年のカウント・ダウン・パーティーが開かれていた。
しかしこの船を突如悲劇が襲う。クレタ島沖で起きた大地震により、巨大な津波が発生したのだ。
海を遮る巨大な水の壁がポセイドンを襲う。一瞬の後、船は上下逆様になってしまう。
床から投げ出される乗客たち。
多くの者が命を失った。だが、かろうじて生き残った者たちもいた。
船に乗っていた神父も命を拾う。その言動の過激さから破門寸前までいっていたその神父は、船からの脱出を周囲の者に提案する。
その脱出の案は、船好きの子供が語った「船底に向かい、スクリュー付近の鉄板を壊して出て行く」というものだった。
勝手に動けば救助隊を混乱させないのか? 船底まで本当に行けるのか? 2.5センチの鉄板をどうやってぶち抜くのか? 出た先は海のど真ん中ではないのか?
情報は少な過ぎ、その行動が正解かどうかはまったく分からない。
しかし神父は持ち前の行動力で、ともかく船底まで上がって行くことを独断で決めた。
既に書きましたが、神父の行動があまりにも行き当たりばったりで直感まかせです。
結果的に正解だっただけで、事前にその根拠はないです。いくらなんでもそれは、と思いました。
また、この神父は言動に一貫性がありません。
他人が時間に遅れると怒るくせに、自分は平気で時間に遅れます。
他人が人の死に打ちひしがれていると怒るくせに、自分が人の死に触れると、やるべき仕事を放棄して嘆き悲しみます。
「蹴りを入れていいですか?」と思いました。
何というか、スペクタクルがまずありきで、それに合わせて神父の行動が決まっているんだろうなと思いました。
いろいろと考えては駄目な映画なんだろうなというのが素直な感想です。
個人的には駄目映画でした。