映画「アナライズ・ミー」のDVDを四月下旬に見ました。
原題は「analyse this」。1999年の作品で、ロバート・デ・ニーロがマフィアのボス、ビリー・クリスタルが精神科医を演じるコメディー映画です。
特別面白いということはなく、まあこんな感じかなという程度の印象しか受けなかったです。
強いて頑張って見ないでもいい映画だと思います。
以下、粗筋です。(ネタバレあり。というか、ほとんど意味のないネタバレばかりです。それに、コメディなので、あまり関係ないです)
あるマフィア組織のボスは、ボスたちの会議に出席することになっていた。
しかし、最近、なぜか落ち着きがなかったり、激しい動悸を感じたりする。これは心臓の病かと思い、病院に行くと、精神的なものだと告げられる。
だが、そういった診断は「弱気である」と取られかねない。そのことは、彼にとって死活問題となる。
そこで、側近に、「誰かいい精神科医はいないか? いや、俺じゃなくて、俺の友人の件を相談したいんだ」と話をする。
側近はその直前、死体を運んでいるときに、偶然精神科医に追突事故を起こされていた。
これ幸いと、ボスを連れて、その精神科医の許に行く。精神科医は、新聞でボスの顔を知っているので非常に驚き、恐怖する。
「これは俺の友人の話だが」と切り出したボスに対して、「それはあなた自身の話でしょう」と言い、「お前は名医だ」と決め付けられる。
それから、ことあるごとに、ボスがやって来たり、呼び出されたり、連れ出されたりする生活が始まる。
精神科医はバツイチの子持ちで、再婚を控えていた。先方の両親との対面、結婚式と、ことあるごとに、ボスによる邪魔が入る。
彼はボスに対して怒りながらも、恐れのせいでなかなかそのことを言えない。そして医者の使命から治療を行っていく。
さらに、FBIが登場して、対立組織からの暗殺計画も絡んできて、状況はどんどん泥沼化する。
自分自身も殺されそうになりながら、精神科医は必死にボスの治療をしていき、その果てに思いも寄らぬ役を担わされてしまうことになる……。
基本的にシチュエーションコメディーです。
とはいえ、コメディー部分自体はそんなに笑えません。まあ、面白くないとは言い切れない程度の面白さです。
なので、映画の評価としては低いです。
また、脚本上で、解決していない問題点もあります。
ボスは、父親の死に対するトラウマを抱えていて、精神科医はそこを治療します。
また、精神科医も、同じ職業の父に対して葛藤を持っているのですが、そこは映画が終わるまで解決されません。
これは、脚本上、問題があるだろうと思いました。主人公二人のうち、片方が何の解決もしていない。それも、思わせぶりな前振りまでしているのに。
というわけで、笑いだけでなく脚本でも評価が低いです。
ただ、脚本上、勉強になるなと思った点が一点だけあります。
それは、マイナスの設定の付け方です。
「マフィアのボスと、巻き込まれた精神科医」というだけで、シチュエーション的に話を作ることができます。
そこに対して、「精神科医は結婚を控えている」というマイナス設定を付けることで、さらに話を転がしやすくしています。
ここは、上手いなと思いました。
それ以外は、正直言ってはずれだなと思いました。