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2007年06月14日 12:05:16
愛と哀しみの果て
 映画「愛と哀しみの果て」のDVDを五月上旬に見ました。

 1985年の作品で、原題は「Out of Africa」です。

 主演はメリル・ストリープ、共演はロバート・レッドフォード。監督はシドニー・ポラックです。

 メリル・ストリープは、「クレイマー、クレイマー」の妻の役での記憶が強いです。

 シドニー・ポラックは、この三年前に「トッツィー」を撮っています。



 映画は、思ったよりも面白かったです。

 単なる恋愛映画ではなかったです。単なる恋愛映画なら、アフリカが舞台である必要性がまったくありませんので。



 また、この一日前に見た「アフリカの女王」との対比という意味でも面白かったです。

 微妙に、二日間掛けてアフリカ流しになりました。この二つの映画は、アフリカの映画というだけでなく、映画の舞台の年代が全く一緒です。

 しかし、アフリカに対する描き方が全く違っていました。

「アフリカの女王」は、上辺だけの描き方で、「愛と哀しみの果て」は、かなり踏み込んで描いています。



 特に、自然や動物の描き方が全然違います。

「アフリカの女王」は、全然別の映像を編集で繋ぎ合わせただけといった感じなのですが、さすがに「愛と哀しみの果て」はきちんとしています。

 実際にライオンに襲われたり、ライオンと鞭で戦ったり、ライオンを銃で倒したりと、動物と絡むシーンが結構あります。

 なんだか、こうやって書くと、「メリル・ストリープがライオンと戦う映画」のように見えますが違います。

 いや、あながち、間違っていないのですが……。「アフリカには、ライオンだらけ」といった印象の映画ですし……。



 あと、二つの映画は、アフリカ社会に対する描き方が全く違います。

「アフリカの女王」は、秘境的な扱いです。

 それに対して「愛と哀しみの果て」では、いろいろな部族の違いを描いたり、アフリカ社会をイギリス風に染めることの是非を問うたりと、アフリカという地に対するリスペクトが随所に感じられました。

 これは、「愛と哀しみの果て」の、原作の影響が強いのだと思います。実際に現地で暮らした人が筆を取っていますので。



 以下、粗筋です。(ネタバレあり。最後まで書いています。しかし、粗筋だけ見ても、実際の映画を再現できないタイプの話なので、それほど問題はないと思います)

 デンマークに住んでいた主人公の女性は、貴族との恋に破れる。彼女は、その弟で妥協し、結婚して男爵夫人となる。

 彼女は、旦那と一緒にアフリカに行き、牧場を開く予定だった。

 しかし、アフリカに行ってみると、先に現地入りした旦那が勝手に計画をコーヒー農園に変えていた。

 さらに、旦那は働かず、狩りばかりに行く生活を始める。

 このアフリカでの事業は、女性の実家から金が出ていた。彼女は自分で現地人を雇い、農園の切り盛りをする。

 そんな折、彼女は一人の男に出会う。ハンターとしての確かな腕を持ち、教養に溢れ、美貌も持つ男だ。

 彼は人に束縛されるのが嫌で、自由人として生きていた。

 主人公は、農園の仕事を必死にやるが、旦那は遊び続ける。そして、どこからかもらって来た梅毒を彼女に移す。

 主人公は子供が産めない体になる。そして、旦那との仲も最悪になる。

 そして、自由人の男との恋に生き始める。

 彼女は最初、自由人の男と適度な距離を保っていた。しかし、彼を完全に束縛したい欲求に駆られ始める。

 そのことで二人の仲はぎくしゃくしだす。

 そんな折、農園の施設が火事で燃え落ちる。農園は借金がかさみ、彼女はアフリカから立ち去らなければならなくなる。

 自由人の男はそのことを知り、彼女のために駆け付けてくれる。

 しかし、二人が結ばれることはなかった。自由人の男は、飛行機事故で命を落とす。



 この映画は、要素が多いです。

 以前見た「サイダーハウス・ルール」のように、様々な多層的な話が入っています。

 たぶん、それは、原作がかなり骨太で豊饒な話だからなのだと思います。

 一応軸は恋愛物なのですが、実際はそれだけではありません。

 自由とは何なのか、教育とは何なのか、人と人との関係とはどういうものなのか、社会の多様性の必要性など、様々な小テーマが入っており、それが破綻なく積め込まれています。

 よくできた映画だと思います。

 また、普通に、アフリカでの苦労話としても楽しめますし、白人と黒人の交流譚としても見ることができます。

 こういったタイプの脚本をまとめるのは、かなりの力量がいるだろうなと思います。

 あと、原作自体にパワーがないと、こういった密度の濃い映画にはならないだろうなと思います。

 けっこう長い映画でしたが、あまり長いのは気になりませんでした。



 さて、主人公の女性ですが、最初の旦那のへたれっぷりは、かなり可哀相です。

 小心な癖に自尊心が強く、放蕩三昧で、性病も持ってくる。

 そりゃあ、愛想も尽きます。そして、女性は変に逞しくもなるよなと思いました。

 映画の序盤は、「そんな男、早く切れよ」と思いながら見ていました。主人公の女性は、相手が駄目男なのに、かなり惚れていましたので。

 恋は盲目という感じでした。人生の無駄使いだよなと思いました。



 俳優について少し書きます。

 メリル・ストリープは、毎回見るたびにエキセントリック(ねじが何本か外れた)女性を演じているなと思います。

 役と本人は、ごっちゃにしない方がいいのでしょうが、なんとなくインタビューとかも見ていると、本人もそんな人なんじゃという気になります。

「彼女は、元からエキセントリックなのだろうな」と個人的には思っています。

 そして、七〜八割ぐらいの確率で、むかつく女を演じている気がします。

 きっと本人も……。そんなことはないと思いますが。



 DVDにはメイキングが付いていました。

 原作に言及した内容で、それを見る限り、原作はほぼ実話のようですね。主人公の女性の人が、原作者です。

 しかしまあ、あんな目に遭ったら、逞しい女性になりそうだなと思いました。

 彼女はその後、小説家になって成功しているようですし、人生無駄にしていないようですね。本当に逞しい人です。



 あと、どうでもいいですが、ロバート・レッドフォードは毛が濃いです。

 腕とか毛だらけでした。

 なんだかびっくりしました。

 もじゃもじゃおじさんといった感じでした。

 本当にどうでもいいのですが、映画を見ている間中、滅茶苦茶気になりました。
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