映画「勝手にしやがれ」のDVDを五月下旬に見ました。
原題は「A BOUT DE SOUFFLE」。1959年の作品で、監督はジャン・リュック・ゴダール、脚本はフランソワ・トリュフォーです。
いろんな本で言及されていて気になっていたので、借りてきて見ました。
特に、町山智浩氏の「
映画の見方がわかる本」を読んで、「見といた方がよさそうだ」と強く思いましたので決心しました。
この映画は、ヌーヴェルヴァーグの作品で、映画史の上でも重要な作品です。そして、以前見た、「俺たちに明日はない」が作られることになった動機となる映画です。
□Wikipedia - ヌーヴェルヴァーグ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83... 見た感想としては、「素直に面白かった」です。
話の筋はほとんどなく、爆発もバトルも大きなどんでん返しもないのですが、テンポがよく、ガツガツ進んでいく感じで、男と女の機微も何となくよく、引きずられるように最後まで見てしまう映画でした。
個人的には、「俺たちに明日はない」はいまいちしっくり来なかったのですが、「勝手にしやがれ」は「いいな」と思いました。
あと、「映画の見方がわかる本」を読んで、トリュフォーの作品も、そのうち見ておかないといけないなと思いました。
以下、粗筋です。(ネタバレあり。最後まで書いています)
フランスに住むチンピラの主人公は、警察官を殺してしまう。
彼は、女たらしで、多くの女と関係を持っている。その中でも、アメリカから来た新聞社の女を気に入っていた。
彼は女のところに転がり込む。彼は、持っている小切手を換金しようとするが、犯罪を犯したせいで普通には換金できない。そこで、チンピラ仲間たちと連絡してお金に替えようとする。
主人公は、女の生活に付き合いながら、換金のチャンスを探る。
その間も、警察による捜査は進んでいく。そして、女も主人公が罪を犯したことを知る。女は、男に惚れて、彼を庇おうとする。
二人は身を隠しての逃亡生活に入る。しかし、女は心変わりをして裏切る。
男は警察に追い詰められて殺される。
当時は映像表現が斬新だったそうですが、今では普通に違和感なく見られます。
現代の、広告業界出身の人の映像などの方がよっぽど過激ですから。
見終わった後、なんでもない話なのに、なぜ最後まで飽きずに見られたのか、謎が残りました。
話の外枠としては、犯罪者の逃亡劇なのですが、話の中身は、恋愛物だと思います。
女性は、惚れているのかどうか分からない態度で、のらりくらりと男をかわします。
「セックスしよう」「今はいやよ」「今晩はどうだ」「今晩は用があるの」
みたいな感じでかわします。でも、だからといって嫌いという様子ではなく、楽しんでいる雰囲気です。
その、微妙な距離感というか関係が、なんとなくずるずると見てしまう原因なのかなと思いました。
どうでもいいような会話やシーンがいろいろと出て来るのですが、気にならず見てしまいます。
よく分からないけど、映画として面白いからいいのかなと思いました。