映画「脱出」のDVDを六月中旬に見ました。
原題は「Deliverance」。意味は、救出や釈放です。まあ、原題に近い邦題だと思います。
1972年の作品で、監督はジョン・ブアマンになります。
見た印象としては、「最初に思っていたストーリーと大きく違っていた」でした。
「脱出」という名前と、映画序盤の「山の中には頭のおかしい白人たちがいる」という前振りから、現地の人に捕まって、嬲り殺しにされるところから脱出する映画だと思っていました。
実際は、逃げる相手は「頭のおかしい白人」ではなく、「大自然」でした。
私はずっと、「頭のおかしい虐殺者が出てきて、それを主人公たちが一人一人、殺しながら逃げて行く」と思って期待していたので、肩透かしを食らった気分になりました。
まあ、そういう勘違いをしなければ、面白い映画なのかもしれません。
以下、粗筋です。(中盤ぐらいまで書いています)
主人公たち四人は、古い友人である。彼らは、ダムの建設で湖底に沈む予定の渓流で、カヌー遊びをするために山に入ってきた。
一日目は何の問題もなかったが、二日目に問題が発生する。
たまたま先行していた二人が上陸した際、地元の男たち二人に銃を向けられたのだ。そして、一人は手を縛られ、もう一人はお尻を犯されてしまう。
さらに、地元の男たちは銃を向けたまま、二人をどうしようかと相談する。
そこに、遅れていた二人が追いついた。その内の一人、弓の名手の男は、狩り用の弓で、銃を持っている男を射抜く。
その死に驚いた残りの一人は逃げ出した。
彼らは死体を前にして、どうしようかと話し合う。弓で殺した男は、死体を埋めてしまおうと提案する。ここはダムのせいで湖底に沈む。だからばれないと言う。
一緒に遅れて来た男は反対し、出頭しようと言う。だが、尻を犯された男は死体を埋めることに賛成する。
また、一緒に銃を向けられた男も、今後の人生で、ずっとこの件で患わされるのを恐れて、死体を埋めることに同意する。
彼らは死体を埋めて、カヌーで現場を離れる。
しかし、その途中で、一人が狙撃によって殺されてしまう。逃げた一人が仲間を呼んだのだろうと彼らは思う。
また、川下りの途中、残り三人のうち、最も川に精通している弓を放った男は、足を怪我してしまう。
残りの二人は、なれない川を下りながら、敵を迎撃して生還しようと試みる……。
映画中、一番驚いたシーンは、四人の主人公の一人である、デブの中年親父が犯されてしまうシーンです。
うーん、肉がたぷんたぷんしていて、気持ちよさそうだったのでしょうか?
ホモでデブ専?
私にはホモの気も、デブ専の気もないので、さっぱり分かりません。
そんなホモでデブ専の奴が、銃を持って襲い掛かってくるなんて、山の中は危険がいっぱいです。
DVDにはメイキングが付いていました。
それを見ると、撮影があまりにも危険だったので、保険会社が全て手を引いて、役者は命懸けだったということが語られていました。
そういった背景を持って見れば、なかなかハードな映画だなと思います。
実際、映画の多くの時間はカヌーでの川下りに費やされるのですが、これがかなり緊張する緊迫感溢れるものでした。
自然相手の脱出というのが、あらかじめ分かっていれば、もう少し評価は高くなっただろうなと思いました。