映画「トランスポーター2」のDVDを十月下旬に見ました。
2005年の映画で、脚本リュック・ベッソン、監督ルイ・レテリエの作品です。
微妙に、リュック・ベッソン流しです。
時間も八十八分と短く、「アルティメット」と同じで、安心して見られる九十分級良質アクション映画でした。
この監督は、「ダニー・ザ・ドッグ」も撮っていますね。この二つと「トランスポーター」と、三作全部見ましたが、安心して見られる監督のようです。
この映画は、「トランスポーター」の続編ですが、前作から恋愛要素を抜いて、子供要素を足し、アクションを強化して、色味を赤茶系から青系に変更した印象でした。
結論から言うと、1よりも楽しめたと思います。
恋愛要素は、まず恋愛に陥る過程を描き、そこから恋愛の破局の危機を描き、さらにそこからの回復を描かなければなりません。
対して子供要素は、そこに子供がいるから守らなければならない、という風に、過程を大幅に短縮できます。
なので、結果的にアクション映画として、アクションに割ける時間が長くなります。
そのために、冗長さが減り、アクション密度が上がっていました。
次にアクション要素。
これはもう、「予算の増大」というのが一番大きい気がします。
一言で言うと「派手」。そして、使っている場所が「人間が暮らしている場所に近い」。さらに、壊れる物が「大きくて高価」。
実際に予算が増えているかどうか分かりませんが、そう感じさせるアクションになっていました。
やはり、アクションが上手い人には、金を多く与えた方が面白くなります。
そして、色味の違い。
これは、記憶の中の印象なので、実際にどうか分かりません。
本作では、海辺のリゾート地らしい「青色」の印象が強かったです。
対して前作では、郊外の高速道路を表す「赤茶色」の印象が強かったです。
シリーズ物で色味が変わるのは結構好きなので(前作と変えようと頑張っている気がするので)、割と好印象でした。
以下、粗筋です。(ネタバレ特になし。まだ最近の映画なので、序盤の設定だけ書いておきます)
主人公は凄腕の運び屋。彼は、自身の美学を持っており、その美学に沿って仕事をしている。
そんな彼は、現在子供の送り迎えをしている。アメリカに居を移し、少し空いた時間を利用して、この仕事を短期で受けていた。
その子供が誘拐される。主人公は銃を突きつけられ、車ごと別の場所に移動させられる。
そのせいで、主人公は誘拐犯の一味と警察にみなされる。
主人公は、子供を救い出すために、そして、自分の無実を晴らすために、事件の背景を探り、そして、誘拐犯たちの追跡を始める……。
どうでもいいですが、脇役のフランスの警部の緩いギャグが、リュック・ベッソンらしいなと思いました。
この人は、放っておくと、こういった緩いギャグを入れたがる傾向があると思います。「TAXI」シリーズとか。
上手くはまる時もあるのですが、映画を冗長にする時も少なくありません。
好きなのでしょうが、難しいなと思いました。
この映画では、それほど流れを阻害していないのでよいのですが。
あと、車の車種についてはさっぱり分かりませんでした。車マニアではないので。
たぶん、人によってはそこも見所だと思うのですが、私には単なる「車」以上には見分けが付きませんでした。
カーアクションが見所の一つの映画なので、これは勿体無いなと思いました。自分の知識不足で、楽しみを減らしているので。
もう一つ、どうでもいいですが、殺し屋の姉ちゃんを演じていたケイト・ノタが、ワイルドでセクシーでした。
細いのに、腹筋割れ割れです。
あと、役柄のせいでしょうが、野獣のようなセックスをしそうな雰囲気です。端的に言うと、エロい。
個人的には、マンガの「マッドブル34」に出てくる悪女のような印象を持ちました。
あのマンガは、何気に好きなので。
以下、ネタバレあり。
唯一瑕があるとすれば、悪役の作戦の目的がきちんと語られないことでしょうか。
主人公に「なぜ、こんなことをするんだ?」と聞かれて、最後のボス自身が「俺は依頼された仕事を忠実にやるだけだ」などと答えるのは如何なものかと。
なんというか、小物感が漂います。
急に話が萎んで小さくなるので、そういった台詞は頂けないなあと思いました。