mixiが炎上中です。今日は、マイミクさんの日記が、mixiの「利用規約改定」に関する怒りの話題で沸騰中。
見る間に新着日記が「利用規約改定」「規約改悪」などのタイトルで埋め尽くされています。
ネット系の一部メディアでも、それに触れたニュースが出ています。
□CNET Japan - mixi、4月1日より利用規約を改定 日記などについて著作者人格権の行使を禁止
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20368643,00.htm□ITmedia - 「mixi日記、無断書籍化はしない」 規約改定の意図をミクシィが説明
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0803/04/news086.html 新規約を普通の目でそのまま素直に受け取ると、「mixiはユーザーの日記や画像を自由に使い改変しますが、そのことで起こった責任は全てユーザーにありますので訴訟の責任はユーザーに被せます」という意味になります。
そのせいかどうか知りませんが、mixi株が前日比8.93%の下落だそうです。
□Yahoo!ファイナンス - (株)ミクシィ 【マザーズ:2121】
http://quote.yahoo.co.jp/q?s=2121.t&d=t まあ、前日比と関係なく、ずっと下がっているようなので、そのせいではないような気もしますが。
以下が原因らしいということを続報で知りました。
□Technobahn - ミクシィが大幅続落、三菱UFJが投資判断を2段階引き下げ
http://www.technobahn.com/cgi-bin/news/read?f=200803041742
というわけで、ちょっとこの話題に触れておこうと思います。
話題になっているのは、以下の2条。以下引用。
第17条 日記等の情報に関する権利
本サービスを利用して日記等の情報を投稿するユーザーは、弊社に対し、当該日記等の情報が第三者の権利を侵害していないことを保証するものとします。万一、第三者との間で何らかの紛争が発生した場合には、当該ユーザーの費用と責任において問題を解決するとともに、弊社に何等の迷惑又は損害を与えないものとします。
第18条 日記等の情報の使用許諾等
1本サービスを利用してユーザーが日記等の情報を投稿する場合には、ユーザーは弊社に対して、当該日記等の情報を日本の国内外において無償かつ非独占的に使用する権利(複製、上映、公衆送信、展示、頒布、翻訳、改変等を行うこと)を許諾するものとします。
2ユーザーは、弊社に対して著作者人格権を行使しないものとします。
17条も18条も訴訟に対する防衛ラインで、契約書でよく見るような内容です。
マイミクの方の日記で知りましたが、Yahoo! Japanの利用規約にも同じような内容があります。
□Yahoo! JAPAN - サービス利用規約
http://docs.yahoo.co.jp/docs/info/terms/ 第7条「Yahoo! JAPANに送信(発信)されたコンテンツについて」の部分です。
個人的な印象としては、mixiの新しい利用規約の文章は、コピペで作った文章だなという印象です。
まあ、契約書はだいたいコピペで作るものなのですが。なので、出てきた契約書の系譜図を作ると面白いと思います。
「我は源氏の血を引く、由緒正しい契約書なるぞ」といった感じです。
話が逸れました。戻します。
クローズドな利用をすることが前提のSNSで、かつ、著作物で食っている人が多い場所で、この手の契約内容を後付で出したので炎上したのでしょう。
こういった契約書は「中堅以上の企業〜個人および零細企業間」でもよく見られます。
思った以上に周囲の声が大きかったので、けっこう驚きました。
早速徹底準備を始めている人や、データを削除し始めた人が多いので、今後この規約が適用になるまでが離せません。
たぶん、こういったことになることを予想できなかった法務担当者の想像力の欠如が原因だったのだろうなと思います。
個人的な感想を書くと、18条に関しては、本来の目的はMixi日記のWeb上での公開や送信、ニュースの感想の一部引用自体が問題になる可能性への対策でしょう。
また、キーワードランキングのように、文章の一部を加工して表示することが目的だと思います。
うがった見方をすると、コンビニなどで置く雑誌の創刊を念頭に置いているということもあるかもしれません。
そういったことがあるとしても、あくまでも「特定個人」にターゲットを絞っての情報の利用ではなく、「不特定多数」にターゲットを絞っての引用が当初の目的だと思われます。
その割には適用範囲が広すぎるのは、コピペに慣れた人の仕事の臭いがします。自分で考えている臭いがしないので。
クローズドで感情が優先する場所で、いつもの通りの定型仕事をやってしまったのでしょう。「いつもの通りなのでこれでいいはず」と。
まあ、どちらにせよ、契約書の作り方に工夫がないというか、仕事をしていないなあというのが正直な感想です。