映画「2046」のDVDを二月下旬に見ました。
2004年の映画で、製作国は香港、フランス、イタリア、日本、中国。監督・脚本はウォン・カーウァイ。
主演はトニー・レオンです。
木村拓也が出ていることで話題になり、一時期かなり熱心に宣伝されていた映画です。
結論から言うと外れでした。面白くなかったです。
映像的には美しいのですが、ストーリーが場当たり的で柱のない内容で、残念ながら失敗作としか言いようのない内容になっていました。
せめて話が整理されていて。主題に沿ってきっちりと構成されていればよかったのになあと思います。
設定的には、面白くなりそうな設定だったのに。
後で聞いた話だと、ウォン・カーウァイは特に脚本を作り込まず、その場その場で作っていくとか。
話が整理されていないのは、そのせいなのかなと思いました。
以下、粗筋です。(ネタバレがどうこうという内容ではないので、終盤直前まで書きます)
1967年、香港。主人公は元新聞記者の小説家。彼は女と酒に溺れており、金を儲けるために官能小説を書いて生活していた。
彼はあるアパートに入居することになる。そして2046号室を借りる。その場所は、彼が昔愛した女がいた部屋番号だった。彼はそこでの生活の間、様々な女たちと交わる。
彼の住むアパートには二人の大家の娘がいた。そのうちの一人は日本人に恋をしていた。だが父親は反対しており、二人は忍んで会っていた。
主人公はその場所で小説を書き始める。「2046」という、未来を舞台にした小説だ。その小説の主人公は、くだんの日本人だった。その小説の主人公は、人工都市のアンドロイドに恋をしていた。
彼の小説はいずれも、身近な人物たちを登場人物としていた。
そして日本人は香港を去る。主人公は、大家の娘と付き合いだす。そして、彼の小説2046の主人公とアンドロイドとの恋は、奇妙な結末へと向かっていく。
話が整理されていないなと感じた最大の要素は、一つ一つの恋愛の、テーマに対する関連性があやふやなところです。
もう少し数を少なくして、それぞれに象徴的な意味を持たせた方が作品としての質が上がります。
あと、話にメリハリがありません。リズムの強弱がなく、最初から最後まで同じテイストで話が進んでいきます。
これじゃあ見ていて退屈するなと思いました。進んでいるのか進んでいないのか分からず、だらだらと続きますので。
公開当時、宣伝が相当されていましたが、なんだかオシャレ系の人たちが見に行って、分かったような感想を言いそうな類の映画だなと思いました。
物語は駄目でしたが、映像的には非常に質が高かったです。
物語を抜きにしたら、よくできた映像作品だなと思いました。