2007年の読書のまとめです。
去年は合計71冊でした。激減。ガックリ。
毎年100冊目指しているのですが、去年はかすりもしませんでした。もっと読書の時間を取らないといけないです。
ここ数年の読了数です。
・2005年 99冊
・2006年 91冊
・2007年 71冊
下がっていますね。よくないことです。今年は現時点でさらにペースが落ちています。仕事に時間を割いているので。頑張ります……orz
というわけで、各月ごとに寸評を書いていきたいと思います。
以下、本の★の評価は下記基準に従います。
★☆☆☆☆ 面白くなかった
★★☆☆☆ 普通
★★★☆☆ そこそこ面白かった
★★★★☆ 面白かった
★★★★★ 極めて面白かった
● 2007年01月(5冊/計5冊)
2007.01.14
■ 裏庭 (新潮文庫)(梨木 香歩)(★★☆☆☆)
「西の魔女が死んだ」のような感動はなかったです。
ファンタジー文学だなと思いましたが、構造的な堅固さが目立ってしまってそれほど面白いとは感じませんでした。
梨木香歩の本はまだ二冊ですが、この人の持ち味は情感的な琴線に触れる部分かなと思っています。
それに対してこの「裏庭」は、世界のシステム的な部分が前面に出過ぎていて、それがこの人の持ち味と上手く相互作用を起こしていないように感じました。
ファンタジー文学は、世界のルール的な部分が必要なのですが、それを協調し過ぎると説明臭くなってしまいます。この本にはそういった感想を抱きました。
でも、何よりの感想は「『西の魔女が死んだ』の方がよかったな」でした。
2007.01.22
■ 街道をゆく (2) (朝日文芸文庫)(司馬 遼太郎)(★★★☆☆)
司馬遼太郎の司馬遼太郎らしい本。
この人は中国と日本、そしてその間をつなぐ朝鮮半島とを密接に結び付けて考える人です。その重要なピースである韓国に降り立ち、思考の襞をぐりぐりと展開させていきます。
特に彼の思考の起点の一つである「鉄」についての考察をこれでもかと展開しており面白かったです。
また、興味深かったのは、司馬遼太郎の韓国人評です。司馬遼は非常に親韓なのですが、それでも欠点を書き連ねています。
その一つ一つが今でも全く変わっていないので、そういう土地柄なのだなと思わされました。(もちろん美点もたくさん書いています)
韓国の歴史の流れを知るとともに国民気質も感じられるので面白い一冊でした。
2007.01.26
■ 風果つる街 (角川文庫)(夢枕 獏)(★★★☆☆)
将棋に狂った真剣師たちの話。
ハチワンダイバーの元ネタ。たぶん。
二子神さんと魚を釣る話は、同じ夢枕獏の「鮎師」へのオマージュだと思うので、そうだよなあと思います。
違っていたらごめんなさい。
短編読み切りの話だと思わせておいて、最後でこれまでばらばらだった部品が組み合わさって合体する様を見せられて「やられた」と思いました。
よい、連作でした。
どうでもよいですが、少し前に将棋の中継をテレビで見ました。かなり面白かったです。
穴熊V.S.穴熊のガチガチの堅固な局面から、飛車角を生け贄にしてガガガと金銀を引っぺがして、気付くと丸裸にして一気に詰みまでもっていくという速度感。
「やっぱり将棋おもしれえ」と思いました。本の感想とは関係ないですが。
2007.01.27
■ The Grand Tour, Travelling the World With an Architect's Eye(Harry Seidle)(★★☆☆☆)
世界の建築物およびその周辺の町並みの写真集。仕事の資料として購入。
ネットで画像を集めてもよいのですが、ある程度の質と量を一気に見ようと思ったら、金を払った方が速いです。
というわけで、仕事に活用していたのですが、その仕事が頓挫したせいで宙ぶらりんに。
まあ、勉強になったのでよいのですが……orz
2007.01.27
■ TOKYO NOBODY(中野 正貴)(★★☆☆☆)
上記と同じ理由で購入。
東京の町並みで、人が誰もいない瞬間(明け方とか)を狙って撮った「無人都市風景写真集」です。かなり不思議な雰囲気です。
実は前から購入予定リストに入っていました。そういう意味では、仕事と関係なく満足。
読んで楽しむ系のものではありませんが一見の価値はあります。金を払うかどうかは、その人の趣味の問題ですが。