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2008年05月25日 17:50:34
 六月分です。

● 2007年06月(6冊/計31冊)



■ ドグラ・マグラ (上)(夢野 久作)
(★☆☆☆☆)
 下巻とまとめて感想。

 やっていることや内容が凄いのは分かるけど、あまりにも読みにくくて辛かったです。

 一番読みやすかった部分が古文調のところというのも何とも。

 話の種として読んでおかないといけない本ということで読みましたが、楽しむための本ではなかったなという感じでした。



■ 熊野・古座街道 種子島みちほか 街道をゆく (8)(司馬 遼太郎)
(★★☆☆☆)
 あまり記憶に残っていません。本をぱらぱらとめくって見ましたが、あまり思い出せません。印象の薄い巻です。そのうち、読み返してみます。



■ ドグラ・マグラ (下) (角川文庫)(夢野 久作)
(★☆☆☆☆)






■ 〈映画の見方〉がわかる本80年代アメリカ映画カルトムービー篇 ブレードランナーの未来世紀(町山 智浩)
★★★★☆
 時代の空気はその時代にいないとなかなか分からないのですが、この本のおかげでいろいろと知ることができました。

 時代が現代に近付くにつれ予備知識が増えるので、発見は少なくなるのかもしれません。でも、面白いのは確かです。




■ マルドゥック・スクランブル—The First Compression 圧縮(冲方 丁)
(★★★☆☆)
 123まとめて感想です。さすがに人気作だけあってよくできているなというのが感想です。

 カジノのシーンがよく言及されるのですが、物凄く正統派の攻略でびっくりしました。なんというか正面突破です。

 そして、正面突破であるからこそ、話のテーマに沿って主人公の心が描けるという構造は、上手いなと思いました。

 あと、あとがきで「出版にこぎ着けるのが大変だった」というエピソードがあり、このレベルの人でもこれだけのページ数の本だとなかなか出版してもらえないのかと知って驚きました。



■ 魯山人の世界(白崎 秀雄)
★★★★★
 魯山人と言えば、マンガ読みには海原雄山のモデルとして有名な人物。

 その魯山人を、最初は徹底的に嫌っていて、後にその凄さを評価した白崎秀雄が書いた研究書。傑作。



 この本を知った切っ掛けは、村上隆が雑誌で書いていた文章です。

 村上隆はその雑誌で「魯山人が嫌いだが、物凄く興味がある」ということを書いており、この本を強く推薦していました。

 読んで納得。村上隆というキャラクターが、この本を、この人物を視野に入れていないはずがない。



 魯山人は、底辺から叩き上げて、自分の芸術を作り上げて、無から有の芸術的・経済的価値観を作り上げた人物です。

 ある意味、村上隆がやっていることにも通じます。

 そういう意味で、まず面白い本です。



 次に、立身出世物として非常に面白いです。底辺から、技術と才覚でのし上がっていく。

 特に、この人の成り上がりっぷりは、少年マンガの王道を満たしています。

 彼は子供時代、里子に出されます。そしてその里親先で、印刷用の文字を彫る技術を身に付けます。これが、彼の生涯の武器になります。

 彼はこの技術を使い、懸賞金付きの書の大会で審査員受けのよい文字を書くことで荒稼ぎします。さらに、書の師匠の元に付き、その技術を吸収していきます。

 絵や食や陶器など様々な物に手を出して総合芸術を作り上げていったことで有名な人ですが、この人の基本は書です。

 ともかく、他人がしびれる文字や、描線を描くことがその最大の武器でした。

 つまり、「他ジャンルで身に付けた超絶技能で、別のジャンルで大成功を収める」という、少年マンガの王道を地でいった人物です。

 また、ともかく多作というのも凄かったです。傑作も多いけど、傑作ではないものも信じられないぐらい多い。

 巻頭に書いていますが、他の同じジャンルの有名作家の十倍ぐらいの作品を残している。一つのジャンルだけでその数。そういったことを幾多のジャンルで行っている。



 そして何よりも面白いのが、この魯山人という人は、こういったことを自覚的にやっていたことです。

 魯山人の考え方で、ここが村上隆も注目したんだろうなという部分があります。それは、彼の本当のメインジャンルである書についての発言です。

 ——現代の書は、書の出来で評価されるのではない。どんなに優れた書でも、無名の人間が書いた書には誰もお金を払わない。

 現代の書で必要なのは、誰が書いたかという情報である。有名人が書いた書は、その人物の人柄と合わせて経済的な価値を持つ。

 だから、自分の書を世の中に認めさせるには、自分の経済的な価値を高めなければならない——。

 そして魯山人は、清廉潔白な人が唾棄するほど、現実的で経済的な芸術家としての道を歩んでいきます。

 いかに自分の価値を高めて、裸一貫から出て無名だった自分の書の価値を世の中に認めさせるか。

 彼の戦いは、そういった戦いだったということでした。



 ともかく、しびれるような本でした。

 惜しむらくは絶版になっていること。でも、中古でもよいから買って読む価値のある本だと思いました。
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