十一月分です。
● 2007年11月(4冊/計67冊)
■ 陰の季節(横山 秀夫)(★★★☆☆)
組織としての警察の知られざる一面をミステリーにした佳作揃いの短編集。
どれもよいできでした。特に、最初の話がぐっときました。
■ すべてがFになる—THE PERFECT INSIDER(森 博嗣)(★★☆☆☆)
なるほど、こういうトリックでもトリックとして認められるのかと思いました。
普通に考えると、ちょっとあり得ない話だと思いますので。
物の価値観や考え方には共感する部分が多かったです。大部分、今の私が実践しているところですので。
■ 閉じられた履歴書—新宿・性を売る女たちの30年(兼松 左知子)(★★☆☆☆)
ちょうど赤線廃止の前後で、婦人相談員をしていた方の手記。
何かの参考になりそうだと思ったので読みました。
あの手この手で女性を精神的・経済的に逃げられなくして縛り付ける手法があるのだなと思いました。
また、女性がそうなった場合の、旦那のメンタリティーの壊れていく様が興味深かったです。経済的依存よりも、プライドの崩壊が大きく、駄目人間に落ちていくという感じです。
あと、一度落ちてしまうと這い上がるのはかなり大変だなと感じました。
■ 藤原定家 (人物叢書)(村山 修一)(★★☆☆☆)
ここ数年興味を持っている藤原定家について研究しようと思い、数冊買った内の一冊。
平安末期から鎌倉初期の二流貴族の生活がよく分かって興味深かったです。
しかしまあ、この時期になると、有力貴族でない限り、税の徴収もおぼつかなったんだなというのがよく分かります。
その中では、定家はけっこう勝ち組です。
仕えていた主家が武家寄りの政略の人で、彼自身も息子の嫁を関東から招き、晩期は安泰でしたので。