2008年06月18日 21:46:50
映画「ナルニア国物語 第2章 カスピアン王子の角笛」を、劇場で六月上旬に見ました。
2008年公開の映画で、監督はアンドリュー・アダムソン。脚本はアンドリュー・アダムソン他。
アンドリュー・アダムソンは、「ナルニア国物語」の前作(2005年)や、「シュレック」シリーズを手掛けているようですね。
なかなか面白い映画でしたが、だいぶ偏った映画だなと思いました。
以下、偏っていると思った点です。
・攻城戦好きは大喜び。
・基本的にアクション中心。
・ファン・サービス多し。
そして、以下、微妙かもと思った点です。
・ストーリーはあってなきがごとし。ほぼ一本道。
・主役となっているカスピアン王子がとにかくへたれ。
なので、アクション映画(それもファンタジー・バトル物)として見に行くと満足なのですが、ストーリー物として見に行くと不満が残ると思います。
私は、「攻守を入れ替えての攻城戦が中心」という構成(というかそれしかない)で、だいぶ満足しました。
基本的に、ファンタジー戦争物の映画は、それだけで好きなので。
でもまあ、話に深みもなければ、人間ドラマもありませんでした。
さて、この映画を見て、一番感じたのは「カスピアン王子はへたれだ」ということです。
王位を奪われてファンタジーの住人に拾われて、勝手に担がれて大将になるのですが、大将としての仕事が駄目駄目です。
戦場で自分の役目を果たさず、感情に走り、仲間を大量に虐殺しておきながら、自分の非を認めず、他人に責任転嫁しようとする。
うーん、王としては失格ですよ。
一応主役だそうですが、宣伝で「かっこいい王子様」と思って行ったら「とんでもないへたれだった」ことが分かってがっくりすると思います。
結局、最後まで自分ではほとんど何もやらず、たなぼた的に進んでいきますので。
なんというか、ピンチになる理由が「敵の攻撃」ではなく「カスピアン王子の選択の失敗」が多いので、特にそう思いました。
以下、粗筋です。(特にネタバレはなし。序盤だけ書いています)
ナルニア国から帰って来て、普段の生活に戻っていた四人の子供たち。彼らは再びナルニア国に行くことになった。彼の地で、角笛が吹かれたからである。
思い出の地に戻ってきた彼らは衝撃を受ける。それは、以前にいた時代から遥かに下った時代だったからだ。
ナルニア国は、人間たちの王国によってほぼ壊滅させられており、そこに住む人々は伝説の中の存在になっていた。
その人間の国で、一人の男が王位簒奪を狙っていた。
前王の兄弟は、自分の子供の誕生を機に、前王の息子を殺そうとした。その王子カスピアンは、すんでのことで、博士によって脱出させられる。
その博士はカスピアンにナルニア国の伝承を伝えていた。そして、脱出の時に一つの角笛を持たせてくれた。
カスピアンは逃げ、新王の配下は彼を追う。元ナルニア国の森に入ったカスピアンは、角笛を吹いた。そして、その角笛に導かれ、四人の伝説の王たちがこの地に呼び戻されたのだ。
カスピアンと四人の王は出会い、そしてともに戦うことを誓う。
カスピアンは、王位の奪還とナルニア国の保護のために、四人の王は、カスピアンを前面に立て、ナルニア国の回復と安定を図るために。
そして、カスピアンと伝説の住人たちの連合軍と、人間世界の大軍団との戦いが始まった……。
映画を見ていて思ったのは「姉ちゃん強い」です。
矢をばんばん放って、近付く敵は弓で叩きのめしていきます。なんか、殺傷数だけ見ていると、圧倒的にこの娘が一番多い気がします。
あと、「兄貴頑張るなあ」と思いました。
カスピアン王子のへたれっぷりを補うために、面倒なことをほとんど彼がやっています。大変だ。
また、小さい奴らがいいです。小人とかネズミとかがユーモア担当で頑張ります。そう、ユーモアのセンスはかなりよいです、この映画。
それと、もう一つ思ったのは「話の中心は、人間世界の謀略だよな」ということです。
終盤直前、ちょっと驚くどんでん返しがありますので。
基本的に、話の筋がメインではなく、迫力ある戦闘が中心の映画なので、映画館向けの映画だよなと思いました。
とりあえず、攻城戦は楽しかったです。